『柳生石舟斎』の感想
『柳生石舟斎』/山岡 荘八
戦国時代を生きた剣聖、柳生石舟斎の生涯を語った物語。
読んでいて、明治維新からブツッと切れてしまった日本人の
ルーツを、本から教えられているようで、「歴史の年号とかを
暗記させるんじゃなくて、こういうことを学校で学ばせてくれよ」
と思った。(『教える』んじゃなく)
現代を生きている日本人は、自分が誰なのかを見失っている
けれど、過去の先人は思いっきし、その人の人生を生きていたのだ。
この本を読んで、歴史を学ぶことの面白さと大切さを学んだ。
石舟斎氏の生涯を通して、『武力とは何か?』というテーマが
流れていると思うんだけど、この本には男の子が囚われがちな
暴力というものについての身の処し方が、一通り書いてあると
思う。(私も、とても学ばされるものがあった)
ついつい、(力さえあれば…)とか、(暴力で畳みかければ…)
などと思いがちだけれど、武力というものは本来そういうもの
ではなく、『敵味方、双方無事であることが最善』であるらしい。
(エエエエエエエ……)
実際に、その理念をグッチャグチャの戦国乱世において実践し、
天下泰平の世を築く理想に貢献した人々がいたのだ。 これが
面白くないわけがない。
今、ウクライナ(欧米か)と、ロシアがモメてるけれど、これは多分
天下餅ならぬ、地球餅をついてる途中なんだろう。(と私は思ってる)
スケールは違えども、かつての戦国時代とやってることはそんなに
変わりはないのだ。(ないと思う)
なんだかんだいっても人類はスゴい。 天下餅だってつけたのだから、
地球餅だってつけるだろう。(ものすごく大変だろうけれど)
私はそう思う。 …そう思わない?