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依頼の編集で初めて長編バトルボイドラに挑戦してみた話

こんにちは!抹茶Pです!

今回は、約半年間頑張って音声編集した作品が先月無事に最終話まで公開され、思った以上に大変だったのでそんな話をさせていただきたいなと思い、書かせていただきました!
結構具体的な編集の流れを書いておりますが、みんながそうって、わけじゃないのであくまで参考までに……!

☆今回の内容☆
1.依頼で編集することになった話
2.こんな感じに編集したって話
3.大変だった話
4.最後に

1.依頼で編集することになった話

依頼者は企画でお世話になった演者様です。DMでのご連絡でした。どうやらご一緒した企画でやった私の編集が良いと感じたらしく、ご自身のボイスドラマの企画の音声編集をしてほしいという内容でした。
全く知らない方だったら多分お断りしたと思うのですが、どういう方かはなんとなくわかっていたため、話だけでも聞いて内容を把握してから受けるべきか決めようと思い、一度お話させていただきました。

お話を聞かせていただき、「これ、多分大変なやつだ……」という予感はあったのですが、全部ひっくるめて新しいことができそうな気がしたので、引き受けました。(実際、めちゃくちゃ新しいことには挑戦できました!)

2.こんな感じに編集したって話

ここでは具体的にどういう編集をしていたのか、その流れなんかを書いています!ただ、Audacityは最近ちょっと色々問題があるので、現在は使うのを控えています。今後の編集方法は変わっていくと思いますが、「当時はそういう編集をしていたんだな~」くらいに考えてくださるとありがたいです。

【使用ソフト】
・Audacity(フリーソフト)
→声関連の並べ
・Adobe Audition(有料ソフト)
→音量を大きくする、特殊な加工など
・RX 8(有料ソフト)
→ノイズ除去
・Adobe Premiere Pro(有料ソフト)
→効果音やBGMなど最終的に全部まとめる

【流れ】
《1》音声並べ作業
▲使用ソフト→Audacity(フリーソフト)

シナリオを見ながら、シーンのキャラクターごとにタイムラインに並べていきます。あとで間はしっかり調整しますが、この時点である程度やっておきます。

今回は依頼編集ということもあり、演出担当の方がいたので、その方が選んだものを並べて基本的に使用していました。

終わったら、キャラクターごとにモノラルで書き出します。

《2》音量調整
▲使用ソフト→Adobe Audition(有料ソフト)

キャラクターごとに書き出した音声を全体的に『ボリュームを一致』を使って大きくします。

《3》ノイズ除去・音割れ・反響音の緩和など
▲使用ソフト→RX 8 (有料ソフト)

宅録音声は気をつけていただいていますがどうしてもノイズが入ってしまうため、そちらを緩和する作業を行います。主に緩和しているのは下記になります。

・録音の際に入っている『サー』
・セリフの間に入ることがある『クチャッ』
・セリフの中に入ってしまった息の『ボフッ』
・機材の問題で入る謎の『プチッ』
・割れてしまった音声
・反響している音声

できるだけノイズが入らないように録っていただいていますが、自宅で録音している場合どうしても多くノイズが入ってしまうため、こちらで除去します。人によっては演者様に除去までお願いする方もいるかと思いますが、私は自分で除去するので、そういった作業を必ずします。
うまく行かないことも多いので、厳しい場合はリテイクをお願いすることもありますが……!

《4》音量調整してノイズ除去した音声をまとめる
▲使用ソフト→Audacity(フリーソフト)

音声を並べていたプロジェクトを再び開き、ザッと調整したものをまたAudacityの同じ場所に置いて、まとめてモノラル書き出し。これでセリフだけの音声ができます。

《5》調整したセリフと効果音とBGMを組み合わせる
▲使用ソフト→Adobe Premiere Pro (有料ソフト)
→全部をまとめる
▲使用ソフト→Audacity(フリーソフト)
→セリフの変更やエコー、ノイズ除去をやり直す場合
▲使用ソフト→Adobe Audition(有料ソフト)
→音声の加工や、調整のやり直す場合
▲使用ソフト→RX 8 (有料ソフト)
→ノイズ除去をやり直す場合

1話ごとにシーケンスを作り、Adobe Premiere Proのタイムラインにセリフだけの音声を並べる。
効果音とBGM、セリフの間の詰め、加工など作業を流れで行う。

《6》最終調整
音声・BGM・効果音が全部入ったら、頭から確認しつつ修正。

・音割れしていないか
・セリフの音量バランスは大丈夫か
・効果音・BGMは大きすぎないか、小さすぎないか
・声のノイズ取りすぎているところ、ノイズが多いところはないか
・効果音を足した方がいいか、外した方がいいか
・セリフの間はあきすぎていないか、詰まりすぎていないか
・音を加工した方がいいか……など

今回は依頼の編集だったので、台本を読んでト書きを確認したり、足りないセリフはないかなどを確認しました。

修正をしたら音声を書き出し、Googleドライブなどのネット上のドライブに上げる。パソコンのファンの音がない状態で確認したいので、ドライブに上げたものをスマホで細かく確認。聴きながら修正点をメモして、その後まとめて修正。修正点がなくなるまで何回も繰り返す。なるべく何日かにわけます。その方が修正点を見つけやすいですし、客観的に聴けます。これはシナリオを書くときとかもやります。

3.大変だった話

色々挑戦が多かったなと思います。主に3つです。

・他の方の台本
台本を理解するのがめちゃくちゃ大変でした。今回、原案の方と台本を書かれた方は違っていたので、台本を書いた人の考えを理解して編集をした方がいいのか、原案の方の考え(企画者さん)を理解して編集をした方がいいのか……とても難しかったです。最終的には企画者さんの考えを尊重しつつ、ボイスドラマとしての聴きやすさや、自然さを優先しました。
ちなみに企画者さんの知り合いの方がシナリオを書いたようなのですが、やりとりは全くしていないので、私の中ではいまだに謎が多いです。どんな方がどんな気持ちで書いたのだろうと、今でも時々思います。

・バトルシーン
ちょっとした戦うシーンの編集はしたことがありますが、武器が8種類も出てきて、毎回戦うみたいな話は初めてで、思った以上に大変でした。まず、知らない武器もありましたし、毎話出てくる新しい武器の攻撃の仕方をYouTubeで勉強して編集しました。
そもそもバトルシーンの編集がなんで時間がかかるかというと、パンチをするっていう動作をする場合、勢いをつけるなら助走する音が必要ですし、パンチする音、パンチする動きをするために出た布の音、パンチを受けて飛ばされたとしたら、倒れる音……とにかく重ねる音が多かった。終盤の連携技は本当に時間がかかりました。でも、地道に重ねた音によって臨場感が生まれると思っています。

・尺の長さ
全10話。1話10~15分ほど、最終話付近は20分くらいかもと聞いていました。単純に短く見積もっても100分(1時間40分)ではあるんですが、実際はこんな感じです。

 1話 13分
 2話 12分34秒
 3話 12分35秒
 4話 12分32秒
 5話 17分19秒
 6話 10分50秒
 7話 11分6秒
 8話 14分19秒
 9話 24分50秒
10話 29分51秒

合計 2時間38分57秒

編集している当時、終わらなすぎて震えたんですが、振り返るとそりゃ終わらないわけだと納得。10話なんて、仮で声を並べた時点では34分くらいあったんで最後の方は精神力の戦いみたいになっていました。

ちなみに10話のPremiereの編集画面。trackが27あって、いくつか重ねてから書き出したものもあるので実際に並べたらもっと多いかもですが……。いやー強かった……。(書き出すだけでめちゃくちゃ時間がかかりました)

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4.最後に
まとめると……

・新しいことはめちゃくちゃできた!
・今までできなかったことができるようになって編集スキルが前より上がった!
・演者様との新しい出会いがあった!

・とりあえず、めっちゃ大変だった(笑)


バトルものも、多人数がたくさんシーンにでてくる話も、自分はあまり作ってこなかったし、これからも正直あんまり作るかわからないです。でも、そういった経験をしたことで、表現できることが増えたのは間違いないです。やっぱり自分が成長するには誰かの創作に関わることってめちゃくちゃ大事だというのは強く感じました……!演者様の演技はみなさん素晴らしかったでしたし、オリジナル主題歌やBGMがあるのも本当に凄いですし、PR動画のクオリティも非常に高かったです!
大変でしたが、とても良い経験をさせていただきました!

以上、依頼の編集で初めて長編バトルボイドラに挑戦してみた話でした!

ここまで読んでくださりありがとうございました!


▼今回お話した作品はこちらのサイトで聴けますので、良かったら!


創作サークル『ねこなみですが?』のnoteアカウントです。ボイスドラマ、動画、ラジオ、BGM、ハンドメイド、小説、ゲームなど、色々やっていこうと思っています!