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言葉の花束ーアキの詩集No.174


1.「ただの考え事」


電車を待つ
ホームで

拙い日本語で
道を聞いてきた
外国人の男の子

無事に
目的地に
辿り着けたかな?

咄嗟に
乗り換え案内を調べて

この電車で
大丈夫と伝えたけれど

何て
あれこれ考えたら

炒めていた
夕食のおかずが
焦げちゃった

君のせいじゃないよ

今頃
目的地に着いて

ほっと一息入れて
美味しいご飯に
ありつけていることを願うよ


2.「愛しさと憎さ」


私が一番
尊敬し
愛した人は

私が一番
憎んでいた人だった

その
優しい眼差しを
私だけに向けてほしかった

でも
あの人は
周りの人全てに
優しかった

自分だけの
あの人でいてほしいなんて

欲張りだけど
思ってしまった
私の愚かしさよ

あの人を
私のものにするために

必死に
賢い自分を演じた

それが
どれほど苦しかったか
誰も知らないだろう

私の本心も苦しみも
最後まで知らず逝った
あの人が

愛しいけれど
その分憎い

だからこそ

偽らず
演じず
生きている今

私は
幸せです


3.「なりたい自分」


格好良くて
理知的で
可愛い自分に
なりたくて

そんな自分を
目指して
頑張ってきた

でも
そんな自分に
なりきれない時も
まあまああって

けれども
私は私

そう
思えてからは

どんな自分も
いけているし
可愛いと思えるようになった

なりたい自分は
外側じゃなくて
自分の中にあったんだと
やっと気付けたよ


4.「凪ぐ」


荒波ではなくて

凪いだ心で

一日を締めくくりたい

この静かな夜に

一時の安らぎをと

私は望む


5.「魔性の月」


今晩の月は

なんて
妖しい雰囲気を
醸し出しているんだ

まるで
悪いことを

まさに今
しようとしている
妖女の

にやりと笑う
目元

いや
含み笑いを浮かべる
唇のような

何とも言えない
魔性の月だね


6.「小さな幸せ」


健康診断の
後に

今まで
気になっていた
レストランへ行き

汗だくの体を
冷房で冷やし

熱々の
茹でたてパスタを
頬張る

空腹だからか
パスタの旨味が
グッと沁みわたる

また
この店に
来たいな

なんて
思ったりして

気楽に
食事を楽しむ

これも
小さな幸せ


7.「自分の責任」


あいつのせいで
私は不幸

とか
自分の苦しみを
誰かのせいにするのは

結局は
自分の責任を
他人に転嫁しているだけで

自分を
客観視出来てないからで

被害者意識ではなく
真っ直ぐ
自分と状況を受け止めて

冷静に
対処していく

それが
大事だよね

振り回されるのが嫌なら
自分の成すこと
言うことに

責任を
持つことだと思う

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