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【映画レビュー】『ミラベルと魔法だらけの家』の感想!さすがの天下のディズニー大傑作!

記念すべきウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオの長編60作目です。『ミラベルと魔法だらけの家』を観てきました。

『ミラベルと魔法だらけの家』とは

ミラベルと魔法だらけの家(原題:Encanto)
制作年:2021年 / 制作国:アメリカ
ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ制作
監督:バイロン・ハワード、ジャレッド・ブッシュ 

https://eiga.com/movie/95411/

南米コロンビアの奥地を舞台に、魔法の力が備わった一家で一人だけ“魔法のギフト”をもらえなかった少女ミラベルの物語が描かれるミュージカル作品。監督には、『ズートピア』で監督と共同監督として組んだバイロン・ハワードとジャレド・ブッシュのコンビが登板するということでも注目です。

本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと

ド傑作!

ヴィランなしでこんなに面白いエンタメミュージカル作品が作れるんだ!という衝撃作。実は『アナ雪2』『ラーヤ』がそこまで刺さらなくて心配してたのですが、“コレ好き”って感じのポイントが盛りだくさんでめっちゃ好きなやつだー!

より詳しい感想を書いていきます。

家族映画というより家映画!?さすがディズニーという家表現

本作の流石ともいう魅力が生きた“家”描写。

ミラベルたちの家は生きており、タイルや瓦、ドアの動きなどで、ミラベルたちの生活を助けたり、コミュニケーションをとります。
喋ったりしないのに、あそこまで愛嬌みたいなものを感じさせられるが流石ディズニーといったところ。無機質なはずの家に対して、キャラクターを感じさせるのが、まさに“アニメーション”といった魅力を感じました。

終盤に起こる家のとあるシーンとか、「フッ……」と家に起きている事態を家の演技で見せる感じとかホントすごいのでぜひ注目して観てほしいです。

家の演技以外でも、家族ごとにギフトを貰うと部屋が貰えたり、部屋に自身の紋章のようなものが浮かび上がる感じや、外装に比べて内装が広い感じもまった設定がカッコ良くて良い。視覚的に魔法に何かがおきていることも示せたりと、そういった構造自体も面白いです。

一家の魔法だけじゃなく、もっとあの不思議な家の設定も推した方が良い気がしました。 一人一部屋ってのも地味にロマン感じるよ。私は実家で自室を持ってなかったので、そういう羨ましさもあったりします。

一番の魅力であり一番気になったブルーノの存在

一方の現状推されている魔法の家族要素も、もちろん面白い。
それぞれ個性的な能力がありながら、それで敵を倒すとかではなく、人々の助けになることを誇りに持っている一家ということで、意外とありそうでなかった異能力家族物となっています。

ミラベルの魔法使えない問題がトレーラーなんかで流れてる感じより、かなりなまなましくて良い抉り方してくれていたり、ビジュアルからすごいハッピーな映画な感じが溢れていながら、実はビジュアルに出てこない秘められし謎の叔父・ブルーノなるキャラクターが存在している感じの不穏さもまた良き。

このブルーノさんという存在が本当に好きで、円満に見えていた家族も実は早々に問題を抱えていたり、血筋が与えるプレッシャーであったり、疎外感であったりといった“呪い”になり得る部分を象徴しているところがさすがです。

このブルーノさんが失踪したことになっているわけですが、そんな彼が現在にどこにいたのか、という点も作中で明らかになるのですが、その居場所も象徴的で“家”……もとい“血筋”っていうのが逃れられないものであることも象徴しているように思います

ある点で明らかになるブルーノの健気なキャラクターからも、彼の存在が本当に大好きになったのですが、個人的には彼こそ、結構彼の問題があっさり解決している部分は気になっていて、彼のドラマこそ、もっとミラベルもしくはアルマおばあちゃんと向き合い、物語に絡んでくるべきだと思えて、少し引っかかりを感じています。

音楽もビジュアルもサイコー!

そして、ミュージカル描写も最高ですね。
ミュージカルは正直そんなに好きではないのですが、軽快で楽しい音楽も多く、曲調にもバリエーションがあり、鬱陶しく感じる瞬間がなく、映画終了後に早速、Apple Musicでサントラを探してしまうほど、気に入りました。

音楽を担当しているのはリン=マニュエル・ミランダ氏。
ディズニー作品では『モアナと伝説の海』に参加したり、『イン・ザ・ハイツ』『ビーボ』など今年引っ張りだこの御方。本作の覚えていって欲しい人物の一人です。

ディズニーのさすがっぷりを感じる、見事な60作目の記念作として仕上がっておりました。

次回のディズニーの長編作品は……?

本家ディズニーの次回作は2022年11月公開予定の『Searcher Clade』(商標推定)。監督は『ベイマックス』『ラーヤと龍の王国』のドン・ホール氏。期待感がグッと上がりましたね。

『ミラベルと魔法だらけの家』のエンドロールで明らかに本編に出てきてないよなぁ、ってのがチラッと映ってる気がするんですが、アレはやっぱり本家ディズニーの続編のヒントなのかもですね。

(※21/12/11追記)続編に関する詳細が発表されました。↓

そんな感じでPIXARもディズニーも、ジョン・ラセター氏がいなくてもこれだけ良い作品が作れるんだ、というのを思い知らされる2021年でした。
広告の仕方や配信の仕方など、気になる点は多いですが、それはディズニー内の別の部署の人の問題。作品のクリエイターチームは頑張っていると思いますよ!応援してます。

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