お子

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手作りを嗅ぎ分ける

手作りを嗅ぎ分ける

「ママは僕になにも作ってくれないね!」 との小3男子の一言が、わたしの何かを刺激したのは間違いない。 ◆ 「このランチョンマット嫌だった!ずっと!」 子どもが古びたランチョンマットを投げ捨て泣き出したのは月曜の夕暮れ、宿題にとりかかって2分経過した頃だった。 <書くこと>が苦手な彼は、漢字の書き直し前に、かならずひと儀式やらかしてくれる。連日の暑さの中、運動会練習の疲れも相まって、その日は少し過剰ではあった。 2年前に彼のリクエストに応えて作ったバナナ柄のランチョン

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都立公園保育。

都立公園保育。

この土日はパン喫茶のブランチに家族で行ったあと、都立公園でテントを張り、昼寝をしながらコーラを飲んだ。こんな日を、何百回と過ごした数年間を思い出した。 家庭保育での4年間は、彼の『好き』をどこまでも愛するだけの時間だった。2時間あれば、ほとんど必ず自転車に子どもを乗せ、広い都立公園に通った。 1歳前後の歩き始めの頃は、近所の公園で延々砂遊びをして過ごしていたけど、だんだんと公園の枠が小さくなり、遊びが納まりきらなくなったのだ。 公園の隣にあるマンションの階段や、道路の向こ

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うさぎになった母と赤ちゃんに戻った子どもの春休み

うさぎになった母と赤ちゃんに戻った子どもの春休み

休んで2週間ちょっと、仕事を辞めて1週間、未だ眠れぬ森のうさぎです。 自分でも変な話だなと思うのだけど、最近はこの迷えるうさぎらしさが、自分の中で立ってきた。 というか、立たざるおえなくなった。今度は子どものメンタルがおかしい。うさぎ母が仕事を休んだ日から、すぐ泣くし、言う事が一段と幼くなった。3歳くらい退行したみたいに。次から次へと待った無しだ。 まるで、うさぎになるのを待ってましたと言わんばかりのタイミングで、突然の赤ちゃん返りが始まった。さめざめと泣いてみたり、ば

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人の目が気になるのは、謙虚とは違う。

人の目が気になるのは、謙虚とは違う。

「人の目が気になるんです。」 というまとめになった話を、たまたま聞いた。 その人は奇しくも、うちの子どもと同じ幼稚園に通い、同じテストを受けて、同じような結果を貰った。 離婚するほどではないが、子どもの特性に無理解な夫から離れたい、こんなにも1人で抱えていることを、わかってほしいと涙した。もっと言えばご主人は鬱の経験があり、今の彼女は鬱状態に近いと判断した。そんな状態の話を聞いて、全てを判断できないと、話し合いを拒否されるのだそうだ。 その涙をわたしは貰った。これは泣か

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やさしい警告。

やさしい警告。

1年半前に学校に絶望した子どもが、朝元気に登校するのが日常になりつつある。頭と心のお疲れが癒えてきたのだろうか。ようやく持ち前の好奇心が首をもたげ、彼は野球チームに入ろうか悩みだした。 そんな訳で、放課後のキャッチボールタイムは始まった。 下校中の高学年がふざける通学路に面した公園で、黄色いテニスボールを投げ合う。青い空も彼らの声も、何十年前と変わっていない。 小さいときにボール遊びはあまりしてこなかった。彼とも、わたし自身も。 キャッチできず遠くに転がるボールに悔しそ

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子どもの普通、親の魔法。

子どもの普通、親の魔法。

最近は、子どもを使ってお金を稼ぐことが ウェルカムされる場所があるそうだ。 書き出してみて、おおおそうなのか、それは世も末である…とおもう。 おもう、などと言っているが この中身の実態は、ただマグマの海だ。 知り合いの自営業者が、子どもを自身のビジネスSNSに登場させ、神さまの話をしていると聞いてから どうしようもなく違和感があり、いてもたってもいられない。 この青二才のじぶんを留める術など持ちたくもない。 本当のことを語れないなら言葉など扱いたくなんてない。 だ

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カミを連れ帰った経緯。

カミを連れ帰った経緯。

金魚が家にやってきた。やってきて、しまった。 紅い小さいのが3匹と、大きな白い琉金が1匹。 わたしの制止は、子どもの暖簾の隙間をびゅうっと通り過ぎたらしい、と知った落胆は、目をランランとさせて見せた小さな袋の中をみて、吹っ飛んだ。なんだこの大きな金魚は。本当に金魚すくいの金魚なのか? またしても息子ミラクル発動である。一体なにがどうしてこんな金魚が掬えたのか、皆目見当がつかない。あの若い的屋の兄さんの営業手腕なのか、前日に2回やったのだから出目金をよこせとたかった、大人

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登校に傷つくのは誰なのか。

登校に傷つくのは誰なのか。

友人の友人のそのまた友人の子どもが、同じ小学校に通っていて、しばらく学校にいけないために家でゲームをしているのだと聞いた。 ふうんと応えたあと、ふつふつと嫌悪感が沸き、胸がズキズキといたんだ。 あの、輩が出てくるのがわかった。 ここでも度々出てくるのだが、わたしは自分の中にヤクザな男を飼いならしている。いや同居している。どちらが前に出るのかどこかで境界線を争っているところがあって、わたしはそれを許しているところがある。彼が暴れまわったハチャメチャな後処理に追われる弊害もあ

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マルハチマルハチ  船員に告ぐ。

マルハチマルハチ 船員に告ぐ。

息子が小学校入学1週間後、家のエレベーターの中で泣き崩れた日のことを忘れられない。 汗だくで全身で泣くあまり立っていられず、まさに膝から崩れ落ちて慟哭した。 賑やかに買い急んだ重たいランドセルは投げだされ、まさらの黄色の帽子は黒く、服は捲れ上がり重い冷たい布生地と化した。 あれは絶望の姿だった。 一体なにがそこまで君の事を、と、あの日からわたしは戸惑いと焦燥感に追われた。 息子を、幼少期から変わった子だと感じることはしばしばあった。 乳児期は喜怒哀楽の表現が薄く

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甘酸っぱいぶどう

甘酸っぱいぶどう

書いても書いても闇しか出ないと、信頼する20近く上の年齢の 師匠 兼 同志 兼 友人に嘆いた。 彼女は、そんなもんよ、と笑った、いや爆笑した。 それでも書きたいし、書いたら自分の吐瀉物に残念な想いしかないのに、それでも書きたい。と無念の思いを話すと、 それが貴女だから。仕方ないわよ。 と、また笑った。 そんな彼女とは例の5年前に知り合い、 あの頃見えていなかったものが今は見えてることに わたしは少し安堵している。 例のその時期は、親の鬱が悪化し

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