見出し画像

Billie Eilishからタピオカまで。ワールドトレンドをのりこなす男。 DEAN FUJIOKA 「Shelly EP」

ライター:かずきだよし

俳優兼ミュージシャンな二足の草鞋の人たちって損してると思うんです。
俳優業も音楽家としての活動も才能爆発させてる人もいれば、人気が出た今がチャンス!感満載のメイクマネー臭ぷんぷんで聴くに耐えない人もいて。後者の人(と周りの人)のせいでガチガチで音楽やってる人のイメージも下がる悪循環な空気って昔から薄っすらと漂っている気がして。
がしかし、スルーするには惜しすぎる、知らずにいるのはもったいない人はたくさんいます!

ということで今日はDEAN FUJIOKAこと藤岡竜雄氏の最新EPについて思ったことをつらつらと。

ちなみにタイトルにあるとおり最近「ディーンタピオカ」なるものが発売されております。タピオカミルクティ飲んだことないのでその是非はわかりません。

画像1

さらに前置き。うろ覚えなので間違いがあれば申し訳ないのですが。
メタリカやニルヴァーナがフェイバリットなギター少年だった若きディーン様はアメリカに留学。留学中に寮のルームメイトの部屋から漏れ聴こえていたD'Angelo「Voodoo」に完全に心奪われる。その後世界中を渡り歩きながら様々なら音楽に触れ、Burialなどのダンスミュージック(ダブステップ)にもハマる。星野源のANNに出演した際はNils FrahmやFour Tet、Submotion Orchestraなどを選曲。
的な音楽を好んでらっしゃるお方のはずです。

僕が最初におディーン様の音楽に興味を持ったのは日本1stアルバムの収録曲「Midnight Messenger」をmabanuaがリミックスしていたから。朝ドラ見てなかったので完全に時代には乗り遅れていた僕はまだ彼が何者なのか知りませんでした。

2度目の遭遇はおなじみ「ユーリon ICE!!」主題歌の「History Maker」。オーケストラばりばりなオケにダンスミュージックのエッセンスを融合したセンスに感嘆しました。

その後も良曲をリリースし続けてからの「Echo」。自身主演の迷作「モンテクリスト伯」主題歌として制作されたこの曲はたぶん1番早くJ-POPにWaveを取り入れた楽曲。そもそもWaveってそんなにムーブメント捲き起こしてるか?って疑問はあるけどディーン様の嗅覚たるや恐るべし。曲を作る際には、サンクラで漁ってからイメージにあったジャンルを深掘りしていくらしいです。

そんなこんなで期待値高めてからのアルバム『History in the Making』。既発曲はもちろん、アルバム曲もいろんなナウい要素を詰め込んだ会心作でした。前述したmabanuaとの共作曲、 Francis and the Lights・Frank Oceanあたりを意識しまくったであろう曲などなど、、たぶん海外トレンドを取り入れたJ-POPのアルバムの中では、その幅広さは侮れぬ一品。

はい、前置き終わりです。
ということで新作EPについて。

Shelly

月9ドラマ「シャーロック」主題歌。
長い探偵生活を送る過去・現在・未来のどこかで、シャーロックホームズが「シェリー」という女性に恋をしていたら?というテーマで作られた3ヶ国語を用いたディーン様らしい1曲。
そもそもですよ。「シャーロックホームズの恋」っていうテーマでアイリーンアドラー以外の女性って思いつけます?(ディスじゃないです)
そもそもですよ。月9の主題歌のオファーがあって、「日本語と英語と、あ、広東語いれよ!」って発想できます?(ディスじゃないです)
引き出し多すぎるよ、おディーン様。
肝心の楽曲は、オルタナR&Bポップの趣な今風な1曲。ボーカルスタイルも今までにないくらい優しく甘く、R&Bマナーにのっとった歌唱で、ラスサビのフェイクのところとか素晴らしい。
最近やたらかましてくるPVのダンスはご愛嬌。
テレビで歌う時キー下げてるのもご愛嬌。
まさに2019年スタイル。

Searching For The Ghost

おなじくドラマ「シャーロック」オープニングテーマ。下手したら「Shelly」より番組内で流れてる楽曲。
もう潔いほどにBillie Eilishインスパイア。二郎系くらいの勢い。
特に低音の使い方とウィスパーっぷり。
こちらも歌詞は謎を追う探偵感。
この人はタイアップに合わせて曲作るの上手だと思います。

Made in JPN
世界中を旅してきたからこそ作れたであろうポップソング。
某トライブ本家第1章っぽい雰囲気。

Chasing A Butterfly
「シティーハンター」や「エンジェルサイン」の北条司が総監督を務めたセリフなしオムニバス映画「エンジェルサイン」主題歌。
プロローグとエピローグに出演するおディーンと松下奈緒の共演作。
スタンダードな美メロバラード。
松下奈緒の歌声はリーダー作以外でなかなか聴けないからいい機会かも。
なぜかこの2人でFNS歌謡祭に出てナットキングコール「Smile」を歌う。メリクリ感。

Send It Away

中国の人気ラッパーらしいGONGとの共演作。ほぼほぼ中国語の歌詞です。さすがに中国シーン追いかけてないので詳細不明。すいません。
中国のヒットチャートでTOP5入りを果たしグローバルな人気を見せつけたことに意義がある。はず。
おディーン様の中国名は藤岡靛らしいです。名前多い!
ちなみに肩書きにラッパーってのもあるくらいなので最後少しだけラップしてます。

フィジカルは3形態でのリリース。オススメはライブ映像収録の初回限定盤B。
ピアノの上に立ちオーディエンスのレスポンスを仁王立ちで求める彼の御姿が拝めます。

最後に、先日最終回を迎えた「シャーロック」の感想。
お前誰やねん。
以上。

#レビュー #DEANFUJIOKA #ディーンフジオカ #Shelly #シャーロック



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?