NPO法人「soar」の強みは何か

 「soar」とは、社会的マイノリティに焦点を当て、“人の持つ可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていくメディア”(「NPO法人soar」HPより)をモットーとしたNPO法人である。彼らの何が人々を引きつけるのか。3/7に大阪で行われたsoarの説明会で思ったことををつらつらと書いていこうと思う。
では早速、soarの強みだと思ったことをまとめてみる。大きく3点ある。

“横”に幅のある記事

 変な言い方だが、そんなネタをどこから仕入れるの?どこまでネットワーク広げてるの?と思えるほど、soarが書く記事の内容はバラエティ豊かだ。社会的マイノリティに焦点を当てている、とのことなので、LGBTの方を対象にした記事などは想定の範囲内だろう。腕を無くした方の記事?ふんふんなるほど、確かに事故で身体に障がいを患う方はいるよね... ん?統合失調症患者が共同生活するところが北海道にあるんだ、、、精神を患う方を対象にしたんだ、確かに扱ってそうな内容だな...ほう、今度はバセドウ病か、soarのストライクゾーンの広さに揺さぶられるな... へ??「会食恐怖症」??初めて知った!などなど、soarの提供する記事は、実に幅広い。できるだけ多くの悩める人に寄り添えるような幅の広さで、記事の内容が毎度飽きない(こういっては当事者の方に失礼か)。
 私は、soarの記事の見せ方が新聞と同じように思えた。新聞は経済面や社会面、スポーツ面など多種多様な情報を扱う。そして、それを1部にまとめて掲載しているため、元々は見る気がなかったものも、ついでに見ることで予想だにしなかった学びを得る、なんて経験はないだろうか。soarのこれまでの記事をスクロールしてみると、当初見たいと思ってた以外のものにも興味を抱ける記事が幅広く並んでいる。横幅のある、すなわち多種多様な情報を提供する点はsoarの大きな強みだろう。

“縦”に幅のある記事
 ここでは、「縦の幅のある」というのを「どこまで深掘りされているか」を基準に判断する。下記の、soarの取材対象を参照されたい。

ネガティブだったものをポジティブに転換し、 これまでとは異なった新しい関係性を構築しようとする動きが、 世界中の至るところで生まれているのです。 「soar」は、こうした事例をリサーチし、様々なかたちで発信していくことで、 同じ願いを持つ人たちが集う場を生み出し、 誰もが自分の持つ可能性を活かして生きていける未来を創ります。(「soarとは」NPO法人soar HPより)

 soar公式ホームページでもあるように、soar は「ネガティブだったものをポジティブに転換」しようとする事例を取り上げている。ここで、よくある社会的マイノリティに関する記事を思い浮かべよう。読んだあと、しんどそう、かわいそう、という感想だけで終わったことはないだろうか。そうした記事の多くは、当事者が抱える苦労や困難「のみ」を取り上げている。苦しみを周囲と分かち合うことは必要だし、そうした記事のあり方を否定しない。ただ、soarはその一歩先にいると思う。違いは、「解決策や希望」の有無だ。当事者が経験した苦悩を取り上げるのは当然である。では当事者は、その苦悩にどのように対処している、あるいは対処したのか。そこまで踏み込んで初めて、その記事を読んだ誰かが救われるかもしれない。当事者の苦しみは何か、なぜそれが苦しみとなっているのか、そしてどのように克服しようとしているのかといった深掘りがされた記事であるため、実際に苦しむ人には手を差し伸べる。そうでない人にも知識を植え付けるため、問題の間接的な解決につながりうる。いずれにせよ、その情報の内容の深さから人を引き込めるというのは、大きな強みだろう。

読者と1対1の記事

 soarの記事を読んでいると、自分がまさにそのインタビューの場にいて、自分に対して言っているように思える。それは、soarの活動の在り方が理由なのではないか、との仮説を立てる。
 soarの活動資金は、支援者からの寄付金である。企業のスポンサーをつけていないため、広告費などはない。1ウェブメディアが寄付金のみで活動するのは相当しんどいはずだ。しかし、スポンサーをつけないからこそsoarの良さが生まれると思う。やはりスポンサーがつくと、取材対象や内容についてお伺いを立てる場面が出てくるだろう。そうなると、自分たちが発信したい情報が発信できない可能性も生じる。自分たちが興味深いと思える情報を提供するという強い信念のもと書かれた記事だから、どれも厚いし熱い(「厚い」は記事の文量の多さ、「熱い」は記事に込められた書き手の熱量を意味する)。想いのつまった記事だから、多くの人の共感を得られるのだろうか(この点はまだ推測なのでなんとも言えない)。
 そして、スポンサーがつかないことで広告などももちろんない。読者の集中力を削るような広告をつけないというのは、メディアとしての働きを果たす上で必要なことだと思う。また、「有料会員しか読めません」みたいにして記事を読めないようにしているわけでもない。誰もがアクセスできる情報であり、誰もが一対一の会話ができる記事となっているのだ。

まだまだsoarについて伝えきれていないことがあると思う。というか、何か伝わったこと逆にあるのレベルかもしれない。文章下手かと。要約下手かと。この文章を書きながら、言語化能力の欠如に歯痒い思いをした。あー、思ったことは言葉にせねば。最後に、soar公式HPを載せて結びとする。


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