人事担当が考えるゲーム会社に未経験から入るには?/デザイナー編
どうも、ゲーム会社で人事やってるものです。
出社を30%くらいにしましょうとうちの会社ではなっていて、週に3日は在宅勤務がしばらく続きそうです。
さて、「未経験からゲーム会社って入れるんですか?」という質問はよく聞かれる質問なので、職種に分けてお答えしていこうと思います。
※自分も未経験から20代後半のタイミングでこの業界に入ってこれたので結論出来ます。ただ、それには覚悟と注意してほしい点があるので、それを書いておきます。
今日はデザイナー編。
●デザイナーといっても色々ある
デザイナーといっても、2Dデザイナ/3Dデザイナー/UIデザイナー/エフェクトデザイナーと色々あります。
さらに、それぞれの業務の中でも、2Dなら背景とキャラとバナー広告と…3Dならモデルとモーションと…という様に作業として分かれていくことになります。
●まったくの未経験では厳しいかも
ゲーム業界の場合はPCを前にデザインソフトを使ってデザインを制作するデジタルグラフィックです。
デザインソフト使えません~ペンタブで描いたこともありません~という状態ではいきなりデザイナーとしては厳しいかも知れません。
その場合はデバッカーやライター職など、少しデザインから離れた職種からチャレンジすることをおススメします。
他業種でデザイナーやってます~これはOKです。
Pixivや同人で絵描いてます~これもOKです。
フリーランスで3Dモデリングやってます~全然OKです。
●大半は応募時に作品(ポートフォリオ)が必須
デザイナーはデザインスキルがあればゲーム業界未経験でもオファーがあります。そのデザインスキルを証明するのが作品でありポートフォリオです。
紙でもデータでもWebサイトで見せてもらっても構いません。
内容は、イラストレータさんであればイラスト画像、エフェクトデザイナーさんであればエフェクト動画になります。
そういう意味でもまったく未経験だとデザイン作品が無い状態だと思うので厳しい、ということになります。
●いざ挑戦!大手企業にいきなり入れる?
いきなり大手さんは難しいかも知れません。
大手企業は年間何百人という入社希望のデザイナーが新卒・中途合わせて応募してきます。ライバルが強いです。
まずは自分のスキルレベルや何が出来るのかを見直して、戦略的に臨むべきです。
(独学や他業界からの転職でも、すごい技術を持ってたら採用されたりするので可能性が無いわけではありません。)
●狙うべきはライバルが少ないところ
この3点を覚悟して門を叩いていただけるのであればチャンスは広いです。
①会社としての規模やゲーム内容にこだわらない
ベンチャー企業やエロゲ会社も含めたら、面接になる可能性は高まります。決してベンチャー企業やエロゲ会社を下に見ているわけではありません。
あくまでデザイナーとして受験するライバルが少ない会社の例として挙げています。他にもできたばかりの会社や、ハローワークでしか募集をしていない会社とかもライバルが少ないです。
②人気の仕事にこだわらない
イラストレータとかキャラクターモデラーとかキャラクターに関わる職種は応募者が多い=ライバルが多くなります。
特に関東地域では、中途採用で求人を出せば何名かは経験者から応募が届くような状況です。
業界的に人数が少ないデザイナーポジションを狙うと入りやすくなります。
全体的に少ないポジションは、
UIデザイナーとエフェクトデザイナー、あとモーションデザイナー。
多少、会社によって違いはあれど、絶対的な人数が少ない印象です。
DTPやWebデザインの知識がある方はUIデザイナーとして挑戦をすると、今までの経験を活かしつつチャレンジできます。
3DCGの知識をお持ちの方は、モデラーとしてはダメだった場合でも、モーションデザイナーとしてだったら採用するよ~とかも実際にある事例です。
ライバルの少ない職種から攻めていければ可能性は高まります。
③雇用形態にもこだわらない
これは、契約社員・派遣社員とかアルバイトとかの求人も含めて検討するって意味です。今現在、正社員で働いている方には酷な提案かもしれませんが、正直効果は高いです。
アルバイトから社員に、という話は結構業界内でも聞きます。
有名プロデューサーさんや、敏腕デザイナーさんが実は業界キャリアの最初はアルバイトだった、という話も聞こえてきます。
最近は契約社員/派遣社員/アルバイトであっても同一労働同一賃金の法律改定により、正社員と同じように交通費も出ますし、会社によっては賞与もあったりするなど、待遇改善がされています。
(「働き方改革関連法案」という法律で、2020年4月から大企業では実施されています。社員数300人未満の中小企業では2021年4月~)
実績もスキルも足りないのであれば、アルバイトや派遣社員から潜り込んでプロの作業を見ながら自分の作品を作っていくとかがお勧めです。
●使えるものはなんでも使う
転職エージェント/ゲーム系派遣会社を使う
ゲーム会社のやってる懇親会/勉強会に参加する
デザイナー勉強会やもくもく会などのイベントに参加する
デジタルハリウッドやヒューマンアカデミーなどのスクールに通う
ゲーム会社でのデザイナーを目指す道には色々な方法があります。
独学でチャレンジする場合は、是非サイトや書籍でゲーム会社での仕事の仕方や、どんな役割分担で仕事をしているかを見ておくと、イメージがしやすくなります。
色々な方法を書きましたが、決して正解は一つではありません。
東京・大阪ではPeatixとかでゲーム系のイベントも多く開催されているので、実際のデザイナーとの接点を持つこともできます。
スクールはデザイナー職の場合、時間と費用がかかるので万人にはお勧めできませんが、転職エージェントと同じくゲーム会社とのコネクションがあるので、あなたをゲーム会社に売り込んでくれます。
●まとめ:まずは入ることを優先してほしい
ゲーム業界は転職が盛んというか多い業界なので、一度入って数年頑張ったらあとは何とかなったりします。
最初の会社が本意の会社でなかったとしても、雇用形態がアルバイトであったとしても、実績とスキルを上げて、第一志望の会社の正社員デザイナーを目指すことは全然出来る業界です。
あと、タイミングによっては未経験者OKって大々的に銘打って募集をするケースもあります。そういうのを見逃さないのも大事です。
一人でも多くの方がゲーム業界の門を叩いてくださるとうれしいです。
ジュース奢ってくれるんですか!? え!?コーヒーでもいいんですか!? 今から超がんばります。