329/365 金融庁がFPに求めていること
アウトプットマラソン329キロ目です。
2016年に金融庁が示した、金融事業者が顧客と向き合う際のあるべきスタンスを、顧客本位の業務運営に関する原則(フィデューシャリー・デューティー宣言、FD宣言)と言います。
この内容をアップデートすべきポイントはないか、ということで設けられた会議の報告書が出ていました。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
ー顧客本位の業務運営の進展に向けてー
この内容と、報告書の中で使われていた統計データで気になった点をいくつかまとめます。
リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査について
(最終報告・全体版)
①商品提案された時の感覚
顧客意識調査によれば、同様の商品がある場合に、4分の1の顧客が自身のニーズに合った商品ではなく、売れ筋商品を提案されていると感じていると回答している。
前後の文脈的にネガティブな感じで使われている『売れ筋』という言葉。
これはどういう時に感じるのか分からないのですが、『最近人気の商品で~』という説明があるのでしょうか…?
②比較説明の有無
●7割(ネット系金融機関を除けば6割)が、リスク性金融商品を購入する際、ほかの金融商品との比較説明を受けていない。
●資産規模別で見ると、資産規模の大きい人ほど、比較説明を受けている。
●対面中心の金融機関の中では、主要行等や(対面)証券会社をメインで利用している顧客において、比較説明を受けている割合が高い一方、その他預金取扱等金融機関の顧客はその割合が低い。
最後のまとめでも書きますが、金融庁はここを問題視している印象を受けました。
③アフターフォローについて
リスク性金融商品の購入後、フォロー・アドバイスを受けていない、又は、ほとんど受けていないと回答した者は、全体の 75%である(「顧客意識調査」)。
このあたりは、金融商品の販売に関わる事業者のビジネス構造にもよるかと思います。長く付き合っていける、長く付き合っていきたいと思われる仕事をしたいです。
まとめ
金融庁が追加する必要があると判断したものの1つに、下記原則6についてが印象に残りました。
2016年の内容
原則6.金融事業者は、顧客の資産状況、取引経験、知識及び取引目的・ニーズを把握し、当該顧客にふさわしい金融商品・サービスの組成、販売・推奨等を行うべきである。
今回の追加
原則6.【顧客にふさわしいサービスの提供】
(注1)金融事業者は、金融商品・サービスの販売・推奨等に関し、以下の点に留意すべきである。
・顧客の意向を確認した上で、まず、顧客のライフプラン等を踏まえた目標資産額や安全資産と投資性資産の適切な割合を検討し、それに基づき、具体的な金融商品・サービスの提案を行うこと
・具体的な金融商品・サービスの提案は、自らが取り扱う金融商品・サービスについて、各業法の枠を超えて横断的に、類似商品・サービスや代替商品・サービスの内容(手数料を含む)と比較しながら行うこと
・金融商品・サービスの販売後において、顧客の意向に基づき、長期的な視
点にも配慮した適切なフォローアップを行うこと
より正直さと幅広い知識が求められると理解しています。
貴重なお時間を使って読んで頂き、ありがとうございます!こんな情報をまとめてほしいなど、ご意見・ご要望ございましたら、アドバイス頂けるとうれしいです。よろしくお願い致します!