2020 フレグランスコンサルテーション in新潟伊勢丹

香水関係では2019サロンドパルファン(以下サロパ)、香油にハマった時期などと並び、自分の中で整理をつけておきたいほどに珍しいイベントだった気がしたので纏めておこうと思います。

フレグランスコンサルテーション、略してフレコンのお話です。

これから受けられる方にとっては推理小説のネタバレにも近い部分もあるかと思います。が、私も受ける前はドキドキしすぎて色んなところのレポを読み漁ったのであえて公開を選びました。
なので長文に付き合う覚悟の有る方だけお付き合いいただければ幸いです。
(フレコンレポートだけお読みになりたい方はEpisode4まで飛ばして下さい)

遅ればせながら私、蜜芋と申します。一人称が芋になりがちなのでその辺は読み飛ばして下さい。

【Episode 1】予約まで

2020/1、昨年度に数々の香りを手にした芋に届くDM。春コスメの案内。
そういえばゲランのコスメは持ってなかったなあと思えば、可愛い限定桜ケースにも心を惹かれ、うっかりカウンターに寄ることになりました。

色を見比べて、タッチアップをして、じゃあこれでと予約用紙に名前を記入。ここで気づかれます。
「あっいつもフレグランスお求め頂いていますよね!?」
はい。たまに実名が派手なことを悔やみます。正体がばれました。
慌てて(?)そうです~、サロパで散財したので今回はコスメで…と笑います。
ゲランブースでは脳波カウンセリング楽しかったです~とお伝えしました。

「あの、実はですね、このリップ発売の次の週にフレコンありまして…今ならまだご予約できるのですが…」
お願いします、と即答しました。

※ここで言ってるラマティエールから5本はエクスクルーシブから5本の間違いだった模様、しかも振り返れば5本どころじゃなかった気もします

【Episode2】フレコンとは

簡単にご紹介すると、ゲランには通常百貨店に並んでる香りの他に「エクスクルーシブ」といわれる原料に拘った高級ラインのフレグランスが有ります。
こちらは限定だったり、売場が限定されていたり、それこそ銀座の帝国ホテルに居を構えるゲラン総本山みたいな店舗(以下帝国ゲラン)に伺わないと試す機会もない香りがあったりします。入手機会が少なかれどやはり憧れるものです。

フレコン…フレグランスコンサルテーション。

普段は帝国ゲランや新宿伊勢丹にお勤めのフレグランスの専門員によって、個人に似合いそうな香りを提案してもらうイベントです。いくつかの質問とイメージから導かれるように。

また、地方の百貨店だともうひとつの意味合いを持ちます。曰く、普段はないエクスクルーシブラインの香りがいくつかその店舗に来るので試すことができます。少しだけ気をぬける地元のカウンターで。
いつもは気張った都会で気張ってムエット出してもらうので、感じ方も違うかなとちょっと楽しみになりました。

【Episode3】当日

日付が変わり2020/2/9、夜明け前の2時半でも寝付けない芋が居ました。
遠足前の子供でしょうか。
持て余した時間で選び抜いたのは、イメージを固定しなさそうな黒のワンピースに緑の付け爪、臙脂のコート。色味ぐちゃぐちゃじゃんと思うでしょう、私も朝起きて着替えてから気づきました。なんとそのまま伺いました。

普段は外出時のほとんどで香水をつけているので、現地で付けるからとあえて無臭の往路は少し頼りなくてそわそわします。15分前に到着。カウンターの近くを伺うと、前の方がまだカウンセリング中。見つかる前にほかのブランドを冷やかしますが、心ここにあらずのウインドウショッピングです。そういえばロクシタンの桜は割と使いやすそうな香りで好きでした。可愛い。

ぐるーっと一周してカウンターに戻ると、前の方が去られてた上BAさんと目が合います。捕捉された。にこーっと笑ってこちらへどうぞ~と示されました。あともう1回だけ深呼吸したかった。(人見知りの言い分)

【Episode4】Start

席に着くと、真正面に紅く塗られた丸爪のかわいい方がちょこり。
「本日担当させて頂きます、--と申します。」
ヨロシクオネガイシマス!!と挙動不審になりながらも日本語で返せて安心しました。
彼女の背後にはサロパで見ただけの、試してはいない香りたち。テンションが段々上がってまいります。

始めはゲランの専属調香師の話をお聞きし、ブランド成りたち、オーインペリアルのユージェニー皇后に献上したビーボトルの話に続きます。
続いて香りの説明。タブレットに表示されるのは、いくつかに区分された香りと手触りのようなイメージ。
イメージとしてはシトラス、フローラル、パウダリー、ウォーム、アーシーな感じでした。パウダリーとウォームとアーシーのところにグルマンが居た覚え。革とかスエードもいたな。色味としてはあってるけど、女性ぽい所にベリーが居たのがすごくラプティットローブノワール(以下ラプティ)っぽかったです。

一通りの説明が終わると、今度は私の話す番。質問が来ます。

■「今説明したなかで好きなイメージはありますか?」
多分ウォームが好きですが、春に使うのにフローラルとパウダリーも好きで持ってますと回答。夏限定でハーバフレスカも使いますがすっぱいの苦手なので…と苦々しい顔をしてしまいました。蛇足ですがトマトも甘い方が好き。

■「今お持ちの香りはどちらですか?」
ゲランに限ると、ミニ香水とディスコンの瓶でもってる昔のものがあるので結構ありました。夜間飛行、モンゲラン、ランスタンドゲラン、イディール、シャマード、シャリマー、シャリマーコローニュ、サムサラ、シャンゼリゼ、ラプティ、ハーバフレスカ、ジンジャーピカンテ…頑張って列挙しました。ほとんどがオードトワレ(EDT)~オードパルファン(EDP)濃度です。ゲランのパルファンは実はまだ持ってないです。
試したことある香りは色々ありますし、イマジンは好きだったけどサロパで買ってませんでしたと補足。ご用意数少なくてごめんなさい…と言われましたがいやいやこちらこそ別メゾンでぶっぱなしてたのでとは言えず。
なおルールブルーとアンソレンスを忘れていたことを後から思い出します。

このへんでサロンドパルファンでも少しブースに伺いました、と脳波では圧倒的オリエンタルだった話をしました。銀座はちょっとまだレベルが足りなくて扉に手をかけられていないんです…と話したら、いつもそちらか新宿伊勢丹にいらっしゃる方だったようで、怖くないですよ!!とあやしてもらいました。今度の都会詣でではぜひ行きたい。

■「どんな香りをお探しですか」
これがちょっと詰まりました。春に使いたいんですが、通年でも似合うものを、と難しい注文になってしまった気がする。

■「四季ではどこが好きですか?」
圧倒的に秋冬です。冬生まれなので暑いと溶けます。

■「香りに関わらず、小さい頃に印象的だった思い出はありますか?」
ふっと浮かんだのが幼稚園のクリスマス。いつもは危ないと触らせてもらえない火を、キャンドルサービスで隣の人へ渡しながらみんなで英語で唄った清しこの夜。蝋の燃える香りと、暗い中で灯りだけが点在している様子でした。そのまま答えました。

■「これとこれはどちらがお好きですか?」
手渡される小さなハンドベルのようなものを順に嗅いでいって回答。しかして忘れた。シトラスとオリエンタルとグルマンは分かりました。8つくらいあって、それぞれの金プレートにその香りの名前が書いてあって可愛かったです。

■「自分で香水をオーダーできるとしたら、入れる香りはなんですか?」
行くまでは圧倒的に酒!ワイン!とか言うつもりだったのに、その場でぽろっとバニラって言ってました。不思議。

【Episode5】Choice

選ばれたのは3つの香り。順番に説明と所感をのせます。

■クルーエル ガーデニア
トップ:ローズ、ピーチ、ネロリ
ハート:ガーデニア、イランイラン、ホワイトムスク
ベース:トンカビーン、バニラ、サンダルウッド

残酷なくちなし、という意味のタイトル。それに反する優しい花の香り。
残酷なまでに人を魅了する…というには優しすぎるなあと首を傾げます。
しかして肌に載せてもらうとどこにいったか体に吸われたようなのに、気づくとそこで魅力的に香っているんです。スタッフの間でもなんかいい香りがするというとこれだったことが多いですね、と聞いて納得。
ガーデニア!!という主張のある香りではないんですが、しっとりとしたあまやかな花の香りでした。終わった後もコートを貫いて香っていました。

そういやイディールにクチナシっぽい香りしますよねと聞いたところ、ゲランではクチナシ主体なのこれくらいだから違うかも…?と言われ撃沈。適当に覚えているからそうなるんですよ芋。

■ルール ドゥ ニュイ
トップ:ベルガモット、アニス、ピーチ
ハート:オレンジブロッサム、ジャスミン、ローズ
ベース:バニラ、アイリス、ヘリオトロープ、ホワイトムスク

これが選ばれた瞬間声を挙げました。そういえば私、質問の時度忘れしてましたがルールブルーもってた!※阿呆
ルールブルーという、黄昏から夜に至るまでのゲランの名香。これの現調香師ティエリー・ワッサーによる新解釈がルールドゥニュイです。
肌の上ではルールブルーより少し時間帯が早めな、黄昏時に入りたての香りがずっと続く雰囲気。トンカビーンが居ないからか軽やかで、ある意味腰を据えてつけるルールブルーよりは気軽に使えそうでした。

■ドゥーブル ヴァニーユ
トップ:ピンクペッパー、ベルガモット、フランキンセンス
ハート:ブルガリアンローズ、ジャスミン、コモロ諸島のイランイラン
ベース:バニラ、ベンゾイン、ラム

最後の質問でバニラと答えた以上絶対来るだろうなと確信していました。
過剰なまでに足されたバニラ、ドゥーブルは"2つの"ではなく、"倍の"というニュアンスでつけられた名前だそうです。
船の貨物室、木壁とラム酒の樽とバニラの木箱。想像以上に木が薫るんですこれ。肌につけて最初だけラムが立ち上りましたが、カウンセリング中にはいなくなってました。バニラも大人しい子で、木の下から香るような感じです。すごく情景描写力がありました。


どれもすごい素敵だったんですが、悲しいかな財布には限りがありまして。
1本だけを購入致しました。どれを選んだかはご想像にお任せします。

【Episode6】Conclusion

質問の前半で話した通り、結構な種類をもともと持っているのもあって。
ラールエラマティエール(本の装丁のような金板のついたボトルのシリーズ)からガーデニアとヴァニーユ、パトリモワンヌ(復刻シリーズ)からルールドゥニュイが選ばれたのは納得しましたし嬉しかったです。今なら背伸びしなくても纏えるようになったのかもしれない。

逆に、特別に来ていた香りを少し見せて頂いたんですが、グルマンコキャンとかあったのに紹介されなかったのは面白いなと思いました。どこで分かったんだろう、サロパで肌に載せてもらったんですが馴染まなかった香りでした。エリクシールシャルネル(ボトルに金色の雫装飾のあるシリーズ)はまだやっぱり背伸びが必要なのかもしれません。
確かオーデバンもあったんですが、デリスドゥバンも欲しくなるのでムエットだけで我慢。パルファンたちも来てましたが話も聞かずに我慢。肌に載せると気に入っちゃうから…(困り声)

2/14にはボトルケースの案内、2/18には店舗に届きましたよ~とご連絡頂いていて、フレコンが終わってからもまだ夢の中です。

以上、締まりのない文章でしたがレポートおしまい!また何かあれば纏めたいな~と思います。ご清聴ありがとうございました。

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