ギターを手放すことにした話
2018年10月半ばのこと。私は、10年以上も手元に置いていたギターを手放すことに決めました。
音楽活動を終了し、シンガーソングライターを廃業してから5年以上が過ぎ、ついでに結婚と離婚も挟んで(笑)、わざわざ引っ越し先にまで持ってきた相棒ギターを、です。決して裕福とは言えないけれど、明日の食べ物に困るほど生活に困窮しているわけでもなく、特にきっかけになる様な出来事があったわけでもなく、ふと思い立ったのです。
ただ、思い立ったら即行動派の私は、SNS各所ですぐにこう呼びかけました。
【拡散お願いします】
相棒ギターを手放すことに決めました。ご入り用の方はご連絡下さい。
GUILD
D-40C
1980年製
ピックアップ:FISHMAN MATRIX Ⅱ(エンドにストラップピン)
フレット:ステンレスに打ち替え済
実際のカラーは1枚目と2〜3枚目の中間あたり。おかげさまで、ピッキング傷&打痕多数の満身創痍ギターです。お金に困った訳でなく(あるに越した事はないけど(笑))、このまま家に眠らせておくのがもったいないと思えたので、大切に弾いて下さる方へお譲りしたいです。
5年以上ずっと放置しているので要メンテナンスだと思うのですが、相変わらずピックストロークの鳴りは抜群ですし、個人的にはピックアップとの相性も気に入ってます。何より、ルックスに一目惚れして購入したので、面食いの方のところへ行けると何よりです。(笑)
10月中にご連絡がなければ、中古屋さんへ売りに出す予定です。希望価格や支払い方法などは、お気軽にご相談&お問い合わせ下さい。(見積もり取ったので、こちらの希望価格もご提示できます)
可能であれば顔見知りの方にお譲り出来たら嬉しいですが、見知らぬ方もお問い合わせはお気軽にどうぞ!
いやぁ、今見ても超カッコ良いギターですねぇ・・・!
さておき、正直なところビックリするほど問い合わせがきました。見知った人から見知らぬ人まで、本当にたくさん。「楽器屋さんに売ってしまうぐらいなら、ギターは弾けないけれど買い取らせて下さい」というお客様までいました。しかも数人。泣けましたね。それと相反するように、驚くほど無礼だったり無神経な問い合わせもたくさんありました。中でも、「タダでくれ」と暗に伝えてきた知人のことは、そっとミュートしました。初対面ならともかく、ステージの上でも下でも何度か顔を合わせていた人に、私がどんな気持ちで楽器を手放す覚悟をしたのか何ひとつ伝わっていないことは単純に悲しかったし、その対価さえ払う気のない人間には、万が一、後からいくら積まれたところで、私の大切にしてきた相棒を託す気にもならなかったから、です。
さて、当たり前のことだけれど、最近ふと顔を合わせた人に、聞かれるのです。
「あのギターって、どうなったんですか?」
そう言えば結論をお伝えしていなかったなぁ、と。
次の行き先は、無事に決まりました。
相手方の都合で、実際の受け渡しはまだ先の予定なのですが、「この人の元でなら、きっと気持ち良く弾いてもらえるだろうな」というミュージシャンで、ひとりの人間としても、私がとても信頼し、尊敬している人の元へ。
いつかどこかで見かけたら、そっと懐かしんでもらえたらと思いますし、その日が来るまでは穏やかな心持ちで楽しみにしておいてもらえたら嬉しいです。
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