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ペーパードリップ淹れ比べ #3

ペーパードリップの比較検証、3回目の今回は、Hario VCF-01-40WとAbaca コーヒーフィルターAC-100Wを使用。

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アバカとはマニラ麻と呼ばれているが、正確には麻の仲間ではなく、バショウ科の植物らしい。このフィルターは三洋産業のものなので、恐らく今回は(ブランドは違うけど)どちらも同じメーカーのものなのではないかと思う。見た目もよく似ている。

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左がAbacaフィルター、右がVCF-01-40Wなのだけど、内側も外側も同じようなクレープ加工で、高低差も見た目では違いが分からないほど。

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抽出の写真。左がAbacaフィルター、右がVCF-01-40W。

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これが抽出液。どちらも見た目に違いはなく、オイルが浮いている。撮影時に何の豆で比較したか失念してしまったが、恐らくシティローストくらいのブレンドだったかと思う。全く同じレシピ、同じタイミングで抽出したらAbacaの方がスッキリしていて酸を感じやすく、40Wの方がコクも甘みも抽出された。

後日、フルシティのグアテマラでも淹れ比べてみた。15g/抽出量140g(湯量200g) 87.5℃で抽出したが、Abacaの方がスッキリ入りやすい印象があるので、どちらも豆がしっかり膨らみ切ったところで2投目を注ぐように調整したら、蒸らしの時間に僅かな差が生じた。(蒸らし時間については、私の抽出のブレもあるかもしれない。)
抽出結果だが、このフルシティの豆では驚くほどの違いが出た。Abacaはしっかり蒸らしてもやはり甘みが落ちにくい。そのせいか酸味やナッツ感を感じやすく、えぐみは出にくい気がするが、えぐみについては豆次第なところもあるのでなんとも言い難い。しかし驚いたことに、冷めてくると特に酸を伴ったナッティさが増し、甘みも顔を出す。やや冷めた時の方が風味の広がりが強くなり、キャラメルっぽさも感じた。さらに冷めるとよりナッティさとキャラメル感が広がりやすくなり、個性を強く感じた。
一方40Wは、Abacaよりもネルの味わいに近く、最初から甘みを感じる。カップを口元に近づけた時点で甘みがのっているのが分かる。酸味が甘みで緩和されているように感じた。冷めても甘いキャラメル感で終わり、コクもしっかりあるものの、個性は弱いように感じた。昔ながらの珈琲が好きならばこちらが良いかもしれない。

まだまだ検証不十分ではあるが、このフルシティのグアテマラを淹れ比べて思ったのは、Abacaと40Wについては、好みや、どういうフレーバーを抽出したいかに合わせて、使い分けるのが良さそうということだ。勿論味の出方は温度でも淹れ方でもメッシュでも変わるが、ペーパーを変えるのは最も簡単に味を変える方法ではないかと思う。(ほとんど調整する必要がないので。)

今度はまた別の焙煎度合いの豆で検証してみたい。何か新たに発見があれば追記しようと思う。

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