確かにお金は大事だけれど

小さい頃、我が家はまぁまぁ裕福だった。

車好きだった父はよく自動車を買い替えていたし、母は仕立て屋さんを家に呼んでスーツを作ってもらったりしていた。

父はスキーにハマると毎週末家族を連れてスキーに行き、遊園地にハマると毎週末遊園地へ行った。

家族は連れて行って貰わなかったが、父は国内・海外含めて旅行にもよく行っていた。

お土産で貰ったハワイのムームーや沖縄の衣装を着た人形などがあったのを思い出す。

日曜の朝は家族でモーニングを食べに出かけた。ミックスサンドとミックスジュースが私のお気に入りだった。

お金に不自由はしなかったけれど、私の元にサンタさんが来て枕元にプレゼントを置いてくれることはなかったし、以前も書いたが父が私と手をつないで・・・と言うような触れ合いはなかった。

父は長兄を溺愛していた。男の子どもをとても大事にしていた。

家の前で楽しそうにキャッチボールをする兄と父を座ってみているだけ・・・それが小さい頃の私の思い出の1つだ。

父に将来の夢を語ったこともなかったし、褒められた記憶もない。

それくらい女の子どもはどうでもよかったのかもしれない。

お金はあるけれど親子の触れ合いが少ない家族、それがうちだった。


今私が一緒に暮らしている家族はよく会話をする。

母の介護もありお金に余裕はないけれど、あたたかな触れ合いがある家族だと思う。

小さな頃の家族の形しか知らなかった私には戸惑うことも多いが、幸せな戸惑いの方が多い。

ありがたいと思う。

幸せは人によって形を変えるだろうけれど、心の余裕が生まれない家では子供も心を凍らせるんじゃないかな・・・。

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