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「しっかり」禁止令

「しっかり」という言葉を使わないようにしている。

特にマネージャーやコーチは「しっかり」という言葉を使わない方がいいと思っている。「しっかり」という言葉は何かしらの適切な言葉に置き換えられるはずだ。

例えば上司が部下に「資料を『しっかり』確認しろ」と指導するシチュエーション。
「資料の『構成』を確認しろ」と言いたいのか、
「資料の『誤字脱字』を確認しろ」と言いたいのか。

大抵の場合、その部下は何が「しっかり」なのか分かっていないからこそ、上司に「『しっかり』確認しろ」と言われるのではないか。この場合、何が「しっかり」なのかを具体的に説明する必要がある。

例えば卓球でコーチが生徒に「フォアを『しっかり』振れ」と指導するシチュエーション。フォアの『スイングスピードを速くする』ことが重要なのか、『腕を限界まで前に出して振り切る』ことが重要なのか。

生徒は何が「しっかり」なのか分かっていないからこそ、コーチから「『しっかり』振れ」と言われるのではないか。この場合も、何が「しっかり」なのかを具体的に説明する必要がある。

既に何が「しっかり」なのか前提条件を共有できているのであれば、「しっかり」という言葉は非常に便利だ。「AだからB」という前提を「しっかり」で置き換えることができればお互いのコミュニケーションを著しく簡略化できる。

しかし世の中には前提条件の共有を意識せずに「しっかり」という言葉を乱発しているマネージャーやコーチが案外多いように思う。「しっかり」を乱発しているマネージャーやコーチは、日々無自覚に部下や生徒を混乱に陥れてしまっているのではないか。

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