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国内トップシェアSaaSの起業家が語る「客観的な立場の壁打ち相手」の重要性とは?

こんにちは!NEXTユニコーン経営サロンです。

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先日、NEXTユニコーン経営サロンの共同発起人である株式会社ファイナンス・プロデュース(旧・株式会社ドリームインキュベータ(DI)プライベート・キャピタルGメンバー)(以下、当時の略称であるDI-PCGにて記述。現在のファイナンス・プロデュースのことを意味する。)は、同メンバーがファイナンシャル・アドバイザーを務めた株式会社ブイキューブの間下社長と、起業家にとってのアドバイザーの意義などについてディスカッションを行いました。


株式会社ブイキューブ

1998年設立。映像コミュニケーションサービス「V-CUBE」の企画・開発を手がけ、Web会議を中心としたテレワーク分野のサービス企業として国内トップシェアを誇る。現在、時価総額は760億円を超えている(2020/12/10時点)。


ブイキューブは堅調な財務基盤を有するが、東証一部上場後の一時期、自己資本比率が計画以上に低下した時期があり、そうした局面でDI-PCGとのアドバイザリー契約を締結しました。締結当時、間下社長にはDI-PCG以外にも多くの企業から提案の声がかかっていたそうです。そんななか間下社長はなぜDI-PCGをパートナーに選んだのでしょうか?その理由に迫ります。


ーーーアドバイザリー契約時、時価総額100億円程度だったブイキューブ社ですが、現在は時価総額760億円を超えるそうですね。

間下社長:当時、働き方改革の本格始動としてテレワーク推進のための取り組みに注力したかったんですよね。でも、2016年の資金調達の失敗と、手を広げすぎていたため一時的に業績が悪化し、集中と選択などの構造改革を実行中で、一部事業からの撤退などでの大型の特別損失などが予定されており、純資産の確保のための対応が必要でした。

そこに知恵を貸していただきたくてDI-PCGとのアドバイザリー契約を結びました。その結果、我々では考えつかなかった政府系ファンドからの資金調達でき、構造改革を無事に終え、テレワーク推進や新規事業のテレキューブなどを実現することができました。

あの時から時価総額が7倍以上になったのは、自社メンバーの踏ん張りや投資家のサポートはもちろんですが、DI-PCGさんの助言もあってこそだと思いますね。

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ーーーテレキューブは今かなり波に乗っていますよね。

間下社長:個室ワークスペースのテレキューブは、このコロナ禍でリモートワークが加速したいま本当に伸びがすごい。最早、インフラ化の流れになってきていますよね。

最近だと、都心のタワーマンションの近くに複数台設置されることも出てきました。このコロナ禍で夫婦共にリモートワークになったけど、マンションだから落ち着いて仕事ができる部屋が一つしかなくて、夫婦で取り合いになる……。そんなマンション住まいの夫婦にすごく需要があるんですよ。

タワーマンションが多い地域のほか、駅や生活圏が近い商業施設などにもどんどん展開していて、当面の目標としては1,000箇所の設置を目指しています。


ーーー最近の間下社長は主力のテレワーク分野のSaaSとサービスの両輪を宣言どおり成長軌道に乗せ、さらにテレキューブという新規事業が始まって、現在どんどん展開されていっている様子はDI-PCGとしても感慨深いものがあります。アドバイザリー契約時、間下社長はどんな考えで契約に至ったのでしょうか?

間下社長:上場後の当時、成長が見込める事業がある一方で、見込めない事業も抱えていました。次のステージに行くためには、このタイミングでそれらをきちんと整理する必要があったんです。

でもその整理の仕方が難しい。上場企業として、例えば株主だったり、融資していただいている金融機関だったり、いろんなステークホルダーとのバランスを考えないといけない。

自社の力だけで解決できることもありましたが、それだとどうしても手駒が足りませんでした。だから、DI-PCGのように外部から手を貸していただけるようなパートナーを求めていたんです。


ーーー当時、DI-PCG以外にも多くのコンサルや金融機関から提案があったと伺っています。そのなかから、パートナーとしてDI-PCGを選択した決め手は何だったのでしょうか?

間下社長:“信頼関係と我々のビジネスに関する理解”が決め手でしたね。DI-PCGからの提案は、我々のビジネスを尊重してくれていることが伝わってきて、「ここなら万が一我々が苦しい局面に陥っても、伴走してくれるだろうな」と感じられたんです。

おっしゃるとおり、提案してきてくれる会社はたくさんありました。でも、どこの提案内容も正直似たり寄ったりで。そういった会社から見ると、我々も金融商品のひとつだからしょうがないんですけどね。

そんななかでDI-PCGは我々のビジネスを理解し、同じ目線で会話ができた。そして、我々では考えもしないような提案を持ってきてくれたんですよね。ずっと「手駒が足りないな」と思っていたところに、最適な一手を打ち出してもらいました。

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ーーー大学在学中に創業し、東証一部上場企業の社長へと上り詰めた百戦錬磨の起業家である間下社長ならおひとりで解決できることも多かったと思います。それでも、「第三者」からのアドバイスを求められていたのは、どういったところに価値を感じていたからなのでしょうか?

間下社長:第三者の客観的な立場からのアドバイスって、とても価値があると思うんです。

今まで色んな局面を乗り越えてきましたが、これまでも自分ひとりで解決してきてはいないですよ。もちろん、社長という立場上、最終的には自分で決めますけど、決定にいたるまでの過程で、思考を整理するために“壁打ち”できる存在は常にいました。

事業をはじめたころは、「時価総額数億円~数十億円程度の会社でコンサルにお金をかけるのは無駄なんじゃないか」と思ったこともありました。でも、その時も客観的で価値ある助言をもらい、実行したことで次のステージへの成長に繋がりました。創業時、上場前、上場後など、どのフェーズにおいても、“第三者目線”で意見を出してくれる人がいるからこそ、自分の置かれている状況を客観的に見ることができ、意思決定がしやすくなるんですよね。

他の起業家もひとりだけで考えて解決しているように見えて、じつはその裏に客観的な立場で話ができる相手がいるんだろうし、意思決定する上で大切だと思いますね。

僕でいうと、DI-PCGがそういう存在。常に起業家を客観視する目線で意見を出してくれたから、僕が想像もつかなかったところから資金調達することができたし、そのおかげでテレワーク事業の成長や新規事業のテレキューブを実現することもできました。

起業家にとって、駆け引きなしに客観的な意見を言ってくれるアドバイザーの存在はとても重要ですね。

ーーー投資家に理解されづらいようなビジネスをしている企業の場合、事業を先にスケールさせて上場のタイミングを遅らせるのも成長のための選択肢のひとつかなと考えているのですが、すでに上場されている間下社長はいかがお考えですか?

間下社長:一度上場してしまうと、赤字を堀りづらくなってしまう。上場後の赤字は株価に影響が出てしまいます。でも、まだ上場していなければ思い切って赤字を掘っても、プライベートマーケットではあまり赤字は重要視されず、資金調達が可能な場合も多いです。

だから、現時点で時価総額が数十億円程度の企業なら、プライベートマーケットでもっと規模を大きくしてから上場することで、将来的にもっと価値があがる可能性はありますよね。

他方で、上場はできるときにすべき、という考え方もあり、それも一理あります。ケースバイケースですね。


ーーーDI-PCGとしては、今後の傾向として、IPOは大型化、スタートアップM&Aは増加するとみていますが、その点はどうお考えですか?

間下社長:スタートアップにとって、IPOはもちろんですが、M&Aも可能性のひとつですよね。ただ、現在の日本の企業だとメガなSaaS企業がまだ存在しないです。だから、そういった企業に合流しようと思うと選択肢が外資しかない。それ以外だと、全く違う文化の企業しか合流先がないので、現状では容易には進まない気もします。

一方で、このコロナ禍で世の中が大きく変化しているので、今後売上規模が1,000億円超えるようなメガなSaaSもでてくるんじゃないかと期待しています。我々ブイキューブがそのような存在になれると、面白い展開になってくるんじゃないかと思いますね。


ーーー我々DI-PCGも、そういう大きな志を有する起業家の客観的な立場からの壁打ち相手・伴走者になれるよう、活動をしていけたらと思っています。

間下社長:上場がいいのか、M&Aがいいのか、どちらが自社の成長に繋がるのか考えるのは悩ましいですからね。そこをちゃんと見極められるように、DI-PCGのように客観的な視点で意見をくれる存在は起業家にとっても大切ですね。

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間下社長、ありがとうございました!


NEXTユニコーン経営サロンでは、VC/PEなどの投資家、大企業、様々な経営ノウハウやネットワークを有する先輩起業家や、著名な投資銀行家をはじめ、多彩な専門家との交流促進を目指すべく、紹介制のオンライン・オフラインのコミュニティをベースとして大型IPOやスタートアップM&Aなどについての経験知の蓄積・共有・研鑽を推進してまいります。

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