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2020年7月に読んだ書籍一覧📚

7月は4冊!


📚1兆ドルコーチ――シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え[エリック・シュミットジョナサン・ローゼンバーグアラン・イーグル

シリコンバレーに名を連ねる様々な起業家をコーチしてきた、「ビル・キャンベル」という伝説の故人について、著者であるエリック・シュミットらが「コーチの教えをシェアしなければすべてが失われてしまう」という危機感から執筆した著書です。

タイトルの「1兆ドル」というのは彼が助けた企業の時価総額を足し上げるとそれだけに達するということで、「ビルのコーチングに対するアプローチ(内容と方法)がユニークであり、とてつもなく(1兆ドルもの価値を生むほど)成功した」とのこと。つまり本書はビル・キャンベルが実施したコーチングの方法や思考、心構え等を詳細に説いています。

ビル・キャンベルという人物は40歳目前からビジネス界に身を投じたということで、かなり遅いスタートです。
とはいえ、すぐにその頭角を現したということで、ここまで培ってきたフットボールのコーチの知見(チームワークや組織、人材の活かし方)がビジネスにマッチしていたということですね。
しかしなぜシリコンバレーの名だたる起業家をコーチングできるまでの能力を身に着けることができたのか?フットボールのコーチを続けてきたこと以外にも、人への興味や思い入れ、人生観などが多分に影響していると思われます。

本書では組織・コミュニティ・チームを作っていく上でのテクニック論はもちろんですが、リーダーとは?という本質的な人間の価値にフォーカスした視座の高い話も盛り込まれており、ビジネスだけに絞ったものではなく、人としての在り方を考えさせられる本だと思いました。



📚2025年、人は「買い物」をしなくなる[望月 智之

かなり挑戦的なタイトルですが、サブタイトルにもあるように「デジタルシェルフ」というのが一つのキーワードになっています。
また、そもそも「買い物」という行為自体を分解して理解する必要が出てきますが、「買い物」という行為全体が無くなるというよりも、探す・足を運ぶ・評価する・決済をする、等の一連の行為にかかる時間が限りなくゼロに近づいていく…という表現の方が適切かと思います。

「買い物は楽しいイベント。見比べて検討したい。苦ではないし、面倒ではない。」という意見もあるがそれは「買い物のプロセスの中の一部分」が好きだと言っているだけ。それも条件付きで。と、バッサリ切っているあたりは面白いですね。

本書は全5章構成ですが、1,2章=過去、3章=現在、4章=近未来、5章=未来という内容です。
はじめにを読んだらまずは4章から読み始めた方が手っ取り早いと思います。そしてそのまま5章を読み、その後、過去をざっくり把握するために1~3章を読むと、理解が早いと思います。

買い物には顕在的なものと潜在的なものの2種類があって、もはや顕在的なものは作業でしかないため、そういったものは本書で語られているようにどんどんと最適化していくものと思います。
また、潜在的なものにおいても、今まで以上に趣味趣向情報が読み取られ、レコメンド技術がさらに発展していくと最適化されていく部分はあると思いますが、人はそこまで素直ではないので、旅と同様に不確定要素を楽しむみたいな、逆の揺り戻しも必ず起きながら、今後も発展していくものと思いました。



📚GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代[アダム グラント

人間を「ギバー(人に惜しみなく与える人」「テイカー(真っ先に自分の利益を優先させる人」「マッチャー(損得のバランスを考える人)」の3つに分け、それぞれの特徴を踏まえ、「ギバーこそが成功する」という主張を元に書かれた本です。

監訳された楠木さん曰く「自分の周囲にいるギバー・テイカー・マッチャーの顔を思い浮かべながら読む」のが正しい読み方とのこと。
また、著者も本書の目的は「ギバーの成功がいかに過小評価されているか知ってもらうこと。驚くべき研究結果とエピソードを紹介していきたい。」と書いているように、多くの事例が出てきます。

それこそ文章量の約7割は事例や研究結果ではないかと思うくらい量が多いのですが、若干冗長感がありつつ、やはり海外の事例は感情移入しずらい部分があるので、うまく読み飛ばしながら読み進めないと途中で挫折するかもしれません。

本書は起承転結がきれいに分かれており、全9章のうち、1章=起、2~5章=承、6,7章=転、8,9章=結、という振り分けです。
特に承である2~5章はギバーの4つの才能を各章ずつで解説しており、ページ数も多いのですが、ここを効率的に読むことがポイントだと思います。

また、ギバーは決して「自己犠牲」ではなく「他者志向性」を持つことなのですが、ここを曖昧に理解していると失敗するギバーになってしまうので、転である6,7章(ギバーが気を付けるべきポイント:信用しすぎる・共感しすぎる・臆病になりすぎる)はしっかり読んでおいた方が良いです。

本書を読んでまず最初にやることと言えば、facebookで繋がっている人の写真を見てテイカーかどうかを見分けることですね(笑)



📚イラスト&図解でわかるDX[兼安 暁

今の世の中でデジタルを中心に何が起こっていて、これから何が起こるのか、ディスラプション(破壊)とエクスポネンシャル(指数関数的)をキーワードとして、デジタルトランスフォーメーションの概要から各産業毎の状況を多様なイラストとともに解説している本です。

「自動車・電力・教育・小売・流通・銀行・農業・エンタメ…等」各産業を「消えかけている」と「これから発展する」の2つに分けながら、フリーのコンサルタントとして様々な産業を経験されている著者だからこその視点とその深さが特徴的です。

本書は起承結の3部構成で、全7章のうち、1,2章=起、3~5章=承、6,7章=結、となっています。
また、「はじめに」では、「内容が多いので5章まではイラスト&図解だけの流し読みでOK、本質が詰まっている6,7章は読んでほしい。」と著者自身が書いているように、まずは6,7章から先に読むことをおススメします。

未来を思考すること自体も一つの能力であり得意/不得意があるのですが、なかなかイメージを持ちづらいという方は、本書にも取り上げられている「シンギュラリティ」を提唱したレイ・カーツワイル博士による未来年表を眺めてみるのも良いと思います。(的中率は驚異の86%!!)




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以上。


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