🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2020/9/28～10/4］

2020年10月5日 07:40

📰プレスリリース

📰お弁当を簡単注文・簡単受取　コンタクトレス・デリバリー・フードロッカー「Minnow Pod」を日本初展開

三菱地所プロパティマネジメント株式会社、ミノージャパン株式会社は、大手町・丸の内・有楽町エリアで販売されているお弁当を就業者が自社オフィスで受け取ることを可能にする、コンタクトレス・デリバリー・ロッカー*「Minnow Pod」を展開。

紹介動画がこちら↓

「弁当注文サイト"Minnow"を通じて事前登録ユーザーがお弁当の注文から決済までを行い、ユーザーが指定した"Minnow Pod"までお弁当を配達する」というもので、ロッカー宅配は中国のウーラマ（Ele.me）等では一般的に行われています。

（どんな商品が注文できるのか、そこがとても重要ですが）非接触はもちろん、単純にオフィスワーカーのランチ効率化という面で効果はそれなりにありそうですね。

📰『出前館』が在留外国人の就労を支援！

日本最大級の出前サービス『出前館』は、日本最大級の在留外国人登録者数を持つ株式会社YOLO JAPANと、在留外国人の雇用を確保し、就労環境の支援を行うため、業務提携を締結し、さらなるデリバリー人員の拡充を目指す。

フードデリバリーの需要増→配達員の確保が重要ということで、これから配達員獲得合戦になっていくなかで、素晴らしい取り組みですね。

同時にUber Eatsも配達員補償を厚くしています。

顧客獲得と同時に配達員の獲得もしていく必要があるなかで、どのように利益確保していくのか。今後もプラットフォーマーの戦いは続きますね。

📰日本の食産業を代表する６社と共に、グローバルのスタートアップと連携する、サスティナブルな事業共創プログラム『Food Tech Studio - Bites!』をスタート

スクラムベンチャーズは、日本の食産業を代表するパートナー企業６社と世界中のスタートアップと共に「新 “食” 産業」を創出するグローバル・オープンイノベーション・プログラム『Food Tech Studio - Bites!』を開始。

フードテックの分野における、各企業とのコミュニティを形成、スタートアップ支援（投資・メンタリング）や具体的な課題解決、新たな価値創造を目指すイノベーションプログラム、といったところでしょうか。

「フードテック革命」という本を読んだ方ですと、今の日本が置かれている状況と課題、そしてこれから進むべき方向性という点において、とても重要なプログラムであることがより理解できると思います。

📰kemuri venturesがフードテック特化型「食の未来ファンド」設立、ファンド規模は総額10～30億円

独立系ベンチャーキャピタル「kemuri ventures」は、国内ベンチャーキャピタルとしては初となる「フードテック特化型ファンド」を設立した。ファンド名称は、「食の未来1号投資事業有限責任組合」（食の未来ファンド）。主な投資対象はフードテック領域のスタートアップ（日本国内）で、ファンド規模は総額10～30億円。

こちらは投資特化のファンド組成ということで、日本でもフードテック分野における熱が高まってきました。

「同社は多層的な共創を通じて、食領域で日本は"リーダーシップ"を示すべきと考えている。」とあるように、ここの課題感は各社共通していますね。

📰かっぱ寿司が自宅にやってくる大好評実施中！「出張回転寿司サービス」全国展開開始

コロワイドグループのかっぱ寿司は、かっぱ寿司の「出張回転寿司サービス」の提供エリアを全国へ拡大。

全国展開が早い！の一言。

📰Rettyが本日開始の「Go To Eat」に関する意向調査を実施。「利用したい」が半数程度

日本最大級の実名口コミグルメサービス「Retty」を運営するRetty株式会社は、「Go To Eatキャンペーン」について、全国の20歳以上約1000名の方を対象に調査を実施。

「Go To Eatキャンペーンの活用意向のある方は、現時点では調査対象者の約半数にとどまり、新型コロナウイルスの感染症拡大に対する不安やキャンペーンの理解不足など、活用に対して様々な課題が存在していることが分かった。」というのが総論のようです。

🗾国内のニュース

🗾外食が業態転換加速　吉野家・ロイヤル、宅配専門店参入

外食企業が新たな業態展開を急いでいる。レストラン大手のロイヤルホールディングスと牛丼チェーン大手の吉野家HDは宅配事業に参入。家賃や人件費を大幅削減できる宅配を増やし、縮小する市場で利益が出せる収益モデルを探る。

「飲食を巡る消費行動が外食から家庭へと大きく変化しており、企業は店内飲食に頼る経営からの脱却を迫られている。」ということですね。

あとは価格含めた商品力の勝負でどこまでいけるかですが、今後は宅配専用商品なども登場してくるのかもしれません。

また、吉野家さんはTBSの番組で登場していましたが、その際、早速ゴーストレストランの店舗が放映されていました。

今週４日（日）夜６時半から
２時間半スペシャル☀️

有名チェーン店を調査🔍#𠮷野家 #サブウェイ #尾上松也さんが
子供の頃から通っていたお店の
閉店の日に立ち会いました…😔✨#つぶれない店 #坂上忍 #指原莉乃 pic.twitter.com/zVGsFbXiDj
— 坂上＆指原のつぶれない店 (@tsuburenai) September 29, 2020

🗾 ソフトバンクロボティクスが配膳ロボット「Servi」(サービィ)を公開　デニーズ、とんでん、焼肉きんぐ、コスモポリタン等が導入

ソフトバンクロボティクスは自律移動する配膳ロボット「Servi」(サービィ)を発表し、「ソフトバンクロボティクス新事業戦略発表会」にて報道関係者向けに公開。「Servi」は、配膳するテーブルを選んでタップすると自律的に走行して料理を運ぶロボット。人や物などの障害物を検知して避けながら移動できる。

コミュニケーションのPepper、清掃のWhizに続いて、配膳ロボットが登場ということで、よくある中国製ロボットよりも洗練されたデザインがいいですね。

公式動画はこちら↓

月額約10万円がどのくらいの店舗ではペイできるのか、これから各社の実施要実験が始まりますね。

また、法人向けの体験会が実施されるようです。

また、スマイルロボティクス株式会社では、下膳までできるロボットが開発中とのことで、まだメカニカル感満載ですが、本格的な省人化に寄与しそうですね。

（お盆に載っていない食器があったらどうなるのか。消毒や清掃はどうするのか。等まだまだ、色々課題はあると思います。）

🗾空き店舗活用しシェアキッチンジェクトワン、板橋の商店街に開業

空き家再生事業などを手がけるジェクトワンは板橋区内の元履物店を改装したシェアキッチン「かめやキッチン」を開業。飲食店の起業を考えている人を支援するほか、料理教室や食育イベントなど地域活性化につながる場としての活用を見込む。

オープンイベントの様子がこちら↓

大山商店街は近所なので、帰宅時に寄ってみました。
こちらが店頭で配布されている予定表ですが、まだ現状は「牛惚れ」という焼肉弁当をメインとした業態がメインで出店しているようです。

🗾ウーバーイーツと出前館を同じ店から同じ場所に同時に頼んだ結果、予想外の展開に

コロナ以降、破竹の勢いで伸びたデリバリーサービス。筆者の住む北海道にも先月あたりからウーバーイーツも進出してきて、それまで使っていた出前館とどちらを使えばよいのか？と悩ましい気持ちになる事がある。と同時に、どちらがより早く、より丁寧に持ってくるのだろう。という疑問が湧いた。ウルトラマンとライダーはどっちが強いの？的なアレである。

「出前館の配達員が２つ持ってきた」という結論は確かに予想外でしたが、UberEats側の注文は店側でキャンセル扱いとしたのか、そっちが気になります。

🗾DAIZの発芽大豆由来植物肉が沖縄・ファストフードチェーンA&Wの「The ZEN SOY BURGER」で採用

発芽大豆由来の植物肉を開発・製造するスタートアップ「DAIZ」は同社植物肉「ミラクルミート」が、エイアンドダブリュ沖縄（A&W）の「The ZEN SOY BURGER」のパティ原料として採用されたと発表した。沖縄県内のA&W各店において、税抜440円で購入できる。

フレッシュネスに続き、A&Wでも採用ということで、着実にファストフードから裾野を広げていっていますね。

また、大豆ミートはファミマでも。

世界に目を向けると、アメリカの規模感はもとより中国成長力が大きいのがわかります。

🌎海外のニュース

🌎アマゾンが手のひらをかざして入店・決済できるスキャナー「Amazon One」をシアトルの2店舗に導入

Amazonは「コンタクトレス」とうたうAmazon Oneを発表。クレジットカードを差し込んで手のひらをデバイスにかざすと、手のひらの特徴とその人の決済メカニズムが連動するようになる。一度クレジットカードの情報が登録されれば、Amazon Oneデバイスの上に1秒ほど手のひらをかざすことでAmazon Goに入店できるようになる。

通常はバーコード入店ですが、手のひら認証もできるようになる、ということですが、まだ実証実験っぽいですね。
手間としてはバーコードをかざしてもそこまで大差無いと思いますが、認証においても多様性が必要、ということでしょうか。

🌎攻めるアリババ、ネットスーパー「天猫超市」が「餓了麼（Ele.me）」でも利用可能に

近々、アリババ傘下のネットスーパー「天猫超市（Tmall Mart）」が、デリバリープラットフォーム「餓了麼（Ele.me）」からも利用できるようになる。配達時間については、「1時間で配達」「半日で配達」を選択でき、天猫超市の2万点以上の商品を注文可能になるとのこと。これは、「盒馬鮮生（Hema Fresh）」が餓了麼に加わったのに続く、アリババの生活関連サービス統合の一環である。

🌎セフォラが即日配達サービスのInstacartと提携、最短1時間で商品を発送

アメリカの化粧品小売大手の「セフォラ（Sephora）」が、即日配達サービスを運営するInstacartとパートナーシップ契約を締結した。パートナーシップではInstacartの物流網を活用し、セフォラのオンラインで商品を購入し、配送オプションを選択すると最短1時間で商品の受け取りが可能。

ECの主流であったルート配送である既存配送網から、即時配送を目的としたオンデマンド配送網へのスイッチが着実にきていますね。
アリババのように上流から下流まで抑えるのは難しいと思いますが、Instacart等のようなプラットフォームと組む方法は増えていきそうです。

🌎ウォルマート、コロナ検体採取キットのドローン配達試験を開始

ウォルマートは、クエスト・ダイアグノスティクス（Quest Diagnostics）製の「家庭向け新型コロナウイルス感染症検体セルフ採取キット」をドローンで配達するサービスを試験実施すると発表した。新型コロナウイルスのパンデミックが収まらない状況のもと、同社は、顧客にコンタクトレス（非接触）でリーチする新たな手段を模索している。

もはや"食"ではないですが、ウォルマートが"食"以外の分野でかつドローンを使って"モノ"を届ける、という世界観がすでに出来上がりつつあります。

対するアマゾンはどうか。

🌎NYCのゴーストキッチン企業「Zuul」がバーチャルフードホールを開設

NYCに拠点を置くゴーストキッチン運営会社のZuulは、バーチャルフードホール「Zuul Market」が稼働したことを発表した。この新しい取り組みは、オンラインマーケットプレイスとホワイトレーベルのデリバリープラットフォームを掛け合わせたもの。

ゴーストレストランを主体としていたサービスにおいて、販売チャネルと配送網を整備した、というイメージでしょうか。

面白いのは、すでにキッチンに属しているブランドと協力してバーチャルブランドを共同開発している点で、モールとして各レストランのデータを持っている点を強みとして、自らレストランを運営する形は今後も出てきそうです。

🌎スマートキッチンサミット2020のスタートアップショーケースのファイナリストを紹介

10月13日から15日に開催されるスマートキッチンサミットに出展する10社のファイナリストを発表。これらのスタートアップ企業は、培養肉から食品廃棄物、レストランのロボット工学、味を変える器具に至るまで、あらゆる分野でイノベーションを起こしている。

10社が紹介されていますが、1社目は📰プレスリリースでも取り上げた"Minnow Technologies"ですね。

各社興味深いですが、特に気になるのは「Taste Boosters」。スプーンテックとは初めて聞きましたが、「甘みと塩味を高め、後味を向上させるスプーン」ということで、このスプーンで食べるとより味が進化する、ということでしょうか。

外食などの完成された料理というよりも、レトルトのような物足りないものに対して使うのか、どちらにしても興味深いですね。

日本のスタートアップは代替肉やレストランテックという、市場がある程度予測される分野が主流ですが、アメリカのスタートアップはとにかく幅が広く、もはや市場さえも？な、非常にイノベーティブな技術やサービスが多い印象です。

以上。

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