🍳一週間のフード・デリバリー関連ニュースまとめ［2019/12/30～2020/1/5］

正木伸繁 @nbmasaki　🍣デリバリー事業会社マーケ担当

2020年1月6日 05:40

TOP画像は本noteでもよく使わせていただいているみずのさちこさん。
さすが正月バージョンもクオリティ高い✨

年をまたいで新年一発目の本noteですが、やはりニュースというよりはコラム的記事が多いですね。今年も変わらず続けていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

🗾国内サイトの記事

🍳2020年「グルメ業界」を変える5つの勢力

GetNavi巻頭の「2020年本命ヒットランキング（前編・後編）」で挙げきれなかったものを、別の角度から5つのキーワードとともに2020年の注目グルメを紹介。

5つのキーワードはこちら。

① コンセプト大衆酒場
② ラグジュアリーエスニック
③ 欧州クラフトビール＆ジェネリッククラフトビール
④ フードテック
⑤ 都市型マイクロディスティラリー

どれも興味深いですね。
以前のnoteでも取り上げましたが、②で紹介されている「カールヴァーン」は渋谷スクランブルスクエアのお店に行ったことがあります。
（お値段もなかなかですが）何と言っても普段では味わえない料理（味付け）に出会うことができます。チャンスがあればまた行きたいですね。

また、④で紹介されている「ザベジタリアンブッチャーデリバリー」も以前食べたことがあります。

ベジタブルブッチャー（https://t.co/735rv5OTer）で代替肉初体験！！

美味しいには美味しいけど、肉の油が無いから満腹感はあっても満足感に欠けるという不思議な感じ。

食感は肉🍖だけど、見た目や味でほとんどの人は気付いちゃうと思います。

もっといろんな代替肉たべてみたい！ pic.twitter.com/3ugUH7H9TA
— マサキノブシゲ　🚲🍣事業会社マーケ担当 (@nbmasaki) November 10, 2019

完全に肉かと言われればまだまだですが、今年は確実に一般大衆向けに広がっていくと思います。

それにしても2019年はフードホールがもうちょっと流行るかなぁと思っていましたが、あまりメディアを賑わせることはなかったですね。

🍳新春特集第1部：代替肉で食品革命　世界的な動き日本へ

SDGsの理念に賛同する食品企業を中心に、プラントベースフードの開発が活発化している世界的な動きの中で、2020年は日本において“食品の革命”の幕開けに成り得るだろう。その代表製品が、代替肉（フェイクミート、ベジミート）であり、イメージ戦略と手軽さが市場拡大の鍵を握る。

サイトを見るとすでに各社から色々なかたちで商品が出ていることがわかります。
「世界より一歩出遅れた感も否めない日本市場の中で、代替肉が20年にどのようにブレークしていくかは、味づくりの完成度とイメージ戦略によるところが大きい。」と記事にはありますが、個人的には「代替」という機能でヘルシーさを前面に押し出しつつ、ハンバーグにしろミートソースにしろ通常のお肉を使った商品と同価格で販売できれば、お試し購買⇒美味しさに気付きリピート購買という流れになるのではと思います。
スーパーであれば試食でのアプローチが使えますが、とにかくまずは食べてみてもらう、このハードルを越える＝喫食経験者を増やすことが今年の課題だと思います。

🍳タイムズスクエアカウントダウンでピザデリバリーはOK？

100万人が訪れたというタイムズスクエアの大晦日カウントダウンイベント。参加者にとって困難なのは、とにかく深夜までその場で待機しなければならないということ。人間だから当然おなかもすく。そんな需要に応えるために、会場内には大きなピザの保温バッグをかかえて忙しく動き回るドミノピザの配達員の姿があった。

「会場にはトイレもなく、一度出てしまうと同じ場所に戻ることができないため、オムツ着用で参加する者も多い。」この一文が現地の凄さを物語っていますね…。

日本でも花火大会等でピザ屋さんの出張販売を見かけることがありますが、ここでの議論は通常価格よりも約２倍高い値段で売っていた、ということ。
これに対し市長が苦言を呈しつつも市民に反論されたあたりはいかにもニューヨークっぽいですが、やはりダイナミックプライシングやサージプライシングの仕組みは、ホテルや航空・イベントチケット等のサービスでは導入が進んでいますが、プロダクト（特に食品）ではまだまだ抵抗があるようですね。

心理的には（富士山頂付近でのカップラーメン的に）「こんな所まで運んでくれたんだからしょうがないよね。」というよりも「身動きできないことをいいことに便乗しやがって。」という感覚なのかもしれません。（このあたりは単純な需給バランスだけでなく、心理的な考慮も必要なのかもしれませんね。）

🍞フードロス関連

🍞恵方巻きだけじゃない！｢食品ロス｣に秘伝の策

農林水産省は恵方巻きなど季節商品の需要に見合った販売推進を、関連団体に要請。すでに政府は10月から「食品ロス削減推進法」を施行し、2020年3月末の基本方針策定を急いでいる。

技術の力で賞味期限を延長させる取り組みもさることながら、季節商品（ケーキやうなぎ等）を先行予約制にする、賞味期限を年月表示にする等、記事にあるとおり、今すでにできる取り組みだけでもかなり効果はありそうですね。
特に賞味期限における消費者心理でいくと、（賞味期限内であることは大前提として）より賞味期限が長いもの（作ってから日が浅いもの）の方が新鮮（美味しい）と思ってしまうので、どうしてもなるべく長いものを探してしまいます。そういった不要な心理的コストを減らす意味でも重要だと思います。

🍞新年会で食べ残しの持ち帰りを禁止する飲食店やホテルはもう時代遅れ　その理由とは？

年末年始は忘年会や新年会のシーズン。外食の中でも食品ロスの発生率が一桁多いのが、披露宴と宴会。筆者が参加した宴会でも、料理が余ったため、持ち帰りの許可を店に頼んだところ、「衛生上の理由」で持ち帰りを禁じられた。

最近では社内的な催しだけでなく、外部のセミナー等でもフードが出る機会が増えてきましたね。
とはいえ、そういった場のフードはあくまでも場を盛り上げるためのツールでしかないので、参加者としても躍起になって食べるわけにもいきません。
そんな中、記事にある『食べ残しゼロを目指す運動「30・10（さんまるいちまる）」の手作りPOP』はとても有用なツールだと思います。
主催者側が積極的にこういった意識でもてなしていきたいですね。

🍞「食品ロス」減らせ　スタートアップ奔走［有料記事］

マーケティング支援のスタートアップ、バリュードライバーズは食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らすサービスを拡充する。売れ残りや規格外で店頭に並べられない野菜の販売会を都市部で開催。また農水産物を加工し付加価値を高めた商品を売る。

フードロス関連のスタートアップはいろいろとありますが、潜在層へのタッチポイントが少なすぎることが課題です。そんな中、リアルでの販売会を行うのはとてもいいですね。
また、販売会と言っても闇雲に出店するのではなく、三井不動産レジデンシャルと組んで顧客との距離が近いマンション共用部で開催したこともとても参考になる事例です。

🌎海外サイトの記事

🍳2020年の12のファストフードトレンド

クイックサービスのレストランの世界では、料理の多様化、メニューの最適化、および技術革新が進み多くの変化が見られる。これは今後どのように機能していくのか。

12のトレンドをざっくりまとめましたが、意訳しすぎていたり誤訳がありましたらご了承ください。

① 多くのLTO（期間限定キャンペーン）がグローバル化する
② グローバル（多様な）な商品展開は国内でも成長する
③ 植物ベースの提供は成長し続ける→健康・環境の面からレストランはこの時流に乗る
④ サステナビリティは必須化する
⑤ 様々な技術革新を実行に移すタイミング
⑥ サードパーティのデリバリーはもっと安心できるようになる
⑦ 音声操作のキオスク端末が普及
⑧ レストランによってはあえて人で注文を受ける
⑨ 朝食メニューと通常メニューの境目が無くなる可能性
⑩ ゴーストキッチンの普及
⑪ さらなるチェーン統合が進む
⑫ 質の高い従業員の確保が引き続き優先事項

大きく分けて、商品関連［①～③，⑨］、運営関連［④，⑧，⑪，⑫］、フードテック関連［⑤～⑦，⑩］というイメージでしょうか。

商品関連：今までよりも多様な味付けやフレーバーがローカルに留まらずグローバルに広がっていく、ということで、食の多様化×良い商品の国を超えた横展開という流れが加速していくのかもしれません。
また、代替肉においての今後の浸透度合いは、まさにファストフードチェーンでの取り扱いがカギになってくるので、このあたりも注目です。

運営関連：ストローや各包材においてSDGsの文脈は今後も継続しつつ、何より従業員の確保は主要国ではとても重要な問題ですね。注文や決済がデジタルに代替されていく中、よりパーソナライズな接客（それによるカスタマイズ等の単価増）を狙っていくなら人手は欠かせませんし、より質の高い接客ができる人材が求められてきます。

フードテック関連：受注においては、特にアメリカではドライブスルーが多いため、省人化と掛け合わせるとまずは音声端末が主流になっていきそうです。（実際にマクドナルドも音声技術を持つスタートアップを買収しています）
また、UberEats等のサードパーティによる配送は今後も増える見込みですが、クオリティを上げるためには、配送側だけでなく専用の商品・包材の開発等でレストラン側もアップデートしていく必要がある、ということですね。

🍳2019年の最高の（そして最悪のいくつかの）体験的施策

2019年には、消費者体験をキャンペーンの最前線に導くことに成功したブランドもあれば、横ばいになったブランドもあった。ここでは、今年の最高と最悪の体験的施策をピックアップ。

記事内には動画もあるので是非見ていただきたいのですが、タコベルのホテル施策は素晴らしいですね。約２分で完売したのも頷けます。
フードはもちろん、グッズやイベント等、ファストフードチェーンがここまで体験に振り切れるのかと。２年かけて仕込んだということですが、それだけパワーのある施策になったと思います。

また、Baskin-Robbins（サーティーワンアイスクリーム）はNetflixと組んで、番組内のアイスクリームパーラーを再現しています。

↑こちらの記事の方が画像や動画があってわかりやすいですが、徹底度がスゴイですね。

最近は各企業のリアル体験施策のクオリティがどんどん上がってきています。悪い施策例でもありましたが、生半可な体験では逆にブランドイメージのマイナスにも繋がってしまう恐さもありますね。

以上。

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