分かるとできるは違うが、分かるもそんなに簡単じゃない
今日はインターンで一日でやり終える業務を経験して思ったことを書きたいと思います。
気づき
僕は普段インターン先で中長期のプロジェクトをやることが多かったですが、今日プロジェクトの移行に際して単発=一日の終わりで何かしらのアウトプットを出さなければならない業務を始めて経験しました。
最近ずっと抱えていた自分の中で乗り越えなければならない壁として「掴みどころのない漠然とした課題に対して、解決の道筋を見出す」ということがありました。
夏休みに就活の一環として、サマーインターンシップを何社か受けました。
その中で課題が与えられ、チームで1日または2日程度議論し、最終成果物をプレゼンするのがお決りの流れなのですが、何をどうすれば最終的に成果物を出せるのかわからず、非常に遠回りをしているのを感じました。
なにより作業していて辛いのです。今自分がやっていることに意味があるのかすらわからないまま、時間だけが過ぎていくのでドンドン追い詰められ、最後のプレゼンにも納得できずに終わるという循環。。。
そこでの反省があって、改めて棚にしまっていた安宅和人さんのベストセラー「イシューからはじめよ」を開きました。
自分は何かに取り組むとき、このイシューが見えていないのではないかと思ったからです。
それを毎日片手に持ちながら作業をしていた時に、短時間で成果を出さなければいけない単発での業務をインターンで任されたので、非常にタイミングが良かったです。
本書では
仕事ができる=生産性が高い
生産性=成果/それに投下した時間
と書かれています。
今までは自分が出せる成果の質が良くないので、膨大な時間をかける事が多かったですが、それは生産性を上げるどころか下げる結果を招いていたのに改めて気づきました。
イシューからはじめるとは
自分なりの一言で解釈するなら、「先見の明」を持つ思考法ではないかと思います。
仕事以外にも活用できるので仕事術ではありません。
先見の明とは「物事がおこる以前に見抜く見識。 将来のことを見通すかしこさ。」というような意味です。
つまり掴みどころのない問題に対して先を見通し、最小限の努力で成果につなげる考え方と言えるのではないでしょうか。
内容が濃いので要約は難しいですが、イシューからはじめるとは、
・今本当に答えを出すべき問題を見極める
・イシューを小さなサブイシューに崩し、それをストーリーとして並べる
・ストーリーに伴い、どんな情報が必要かを書き出す
・そこまでして初めて取り掛かる
ということが肝になっているように感じます。
一言でいうと、「始める前にゴールのイメージとそれに必要な過程を描け」ということです。
この本は一度読んだことがありました。
でも実際にはイシューに基づいた思考を習得してなかった(またはできなかった)。
なぜ?
私の場合は「イシューを考えているときに何も作業が進んでいないような錯覚に陥るから」だと思います。
大抵の問題はそんなに簡単に解決できるものではないです。
だからとにかく焦る。一刻も早く取り組まないと何も結果を出せずに終わってしまう!と。
それは大きな間違いで、とりあえずやってみるというのはタイムロスを生むだけだ、本質的なイシューの解決には至らないという内容が書かれているのですが。
夏休みの宿題に取り組むのと似ている気がします。
子どものころ、夏休みには膨大な量の宿題が出ます。大抵の場合、先生や親は「早めに取り掛かりなさい」と言います。
でも通常子どもはその宿題が一体どれくらいの量なのか、もっと言えば何にどれだけ時間がかかるのかを把握していません。
最も最初に始めるべきは、「夏休みの宿題」というイシューを、個々の教科というサブイシューに砕いて可視化したうえで、それぞれをいつ、どれくらい進めるべきなのかを考えることです。
そうすれば、一応やっていたのに間に合わなかったとか、やったは良いが成績はCみたいなことを防げるはずです。
はじめる前に先を見通して、見立てを立てることが全体の生産性に非常に大きな影響を与えるということです。
実際の業務に当てはめて考えるとすれば、○○のパッケージデザインを考えるという作業があったとします。
以前だったら、似たような商品の商品画像を大量に見て、なんとなくこれが良さそうとか、こっちの方がおしゃれというように取り組んでいたと思います。
しかし本来はデザインしろというのは非常にあいまいな状態です。
「デザインの目的とゴールは何で、何が分かればデザインが決まるのか」がまず検討すべきイシューになると思います。
デザインを「ターゲットに刺さり、自社の独自性が表せているもの」と仮説を立てたり、前提をすり合わせられれば、
・自社の独自性や強みをリスト化
・ターゲットの好みや感情の分析
・類似商品のデザインの調査
・その結果採用するデザイン候補を出す
というようなその先の流れを具体的に描くことが出来ます。
分かるとできるは違うし、分かるもそんなに簡単じゃない
簡単なようで、イシューからはじめることの本質を理解するまで時間がかかりました。
最初に読んだときは、確かにこのアプローチは頭がいいな、やってみようという感じでしたが、それでは全く身に付きません。
今回は全く歯が立たなかった自分に絶望し、すがるようにこの知識を求めて本を読みました。
だから本当に言いたいことが何で、それがいかに重要なのか、その具体的な方法まで情緒レベルで理解できました。
本当にストンと腹落ちしたのです。
それでも実践すると、イシューが見えてこない、気づいたら調べ物を始めちゃっている、時間がかかりすぎるなどの問題が出てきますし、今回の単発のインターンでも素晴らしいアウトプットが出せたかと問われれば自信はありません。
「わかるとできるは違う」と言いますが、この言葉は分かるが簡単なように聞こえます。
実際に「わかったぞ!」という本当の意味での腹落ちする理解には時間がかかるし、自分の分かろうとする姿勢にも拠るようです。
本当の意味で腹落ちしたら今度はそれを実践してみますが、それでもできるようになるのに時間がかかる。
最初は落ち込みました。
ここまで自分はできないのかと。
でも安宅さんも本で書かれていましたし、私の尊敬するマーケターの森岡さんも働き始めは仕事が出来なかったとおっしゃっていました。
結局は時間が解決してくれる問題というのは実際にあると思います。
ただ時間が解決してくれるのはほったらかしにしておいたらではなく、ひたむきにそれに取り組んでいたらという話です。
分かるにも、できるにも時間はかかりますが、必ずすこしずつ前進はしていくはずなのでこれからも習慣化するまで続けようと思います。
今日はここまで。
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