卑怯な大人30

3対1で勝てるわけもないのに

俺はあの状態を黙って見ておれず勝負を挑んでしまった。

「それ何の金や」

「ボケか 中岡が博打で負けたんや」

トカゲ目の隣の奴がそう言った。

(やっぱりか)

中岡はどこか純粋なところがあった。

吸収された方の組出身だしいじめられてるとも

言ってたのでイカサマ博打を断れなかったのかもしれない

「ガキ 調子に乗んな」

俺は意識を失うほどガタガタに殴られ蹴られまくった。

「もう ほんまにやめたってよー」

麻紀が倒れてる俺に覆いかぶさってきた。

「ガキのくせにいちびりくさりやがって」

「今日はこれぐらいにしといたる」

1人のやつに最後蹴られて唾を吐きかけられた。

「もうなめた真似さらすなよガキ」

「お母さん 残り、またもらいに来ますさかい」

「よろしゅうたのんまっさ」

トカゲ目の奴がそう言い去って行った。

俺はボコボコにされたが特に悔しいとも思わなかった。

ただ右膝が痛かった。

「大丈夫や 話しつけに行って来るから心配すな」

「俺にはそれぐらいしかできんから」

「残り私が払うから。。。」

「もう こんな事 やめて」

麻紀が泣いていた。

しばらくたって事務所に行くのは嫌だったが

あいつらの親分川島さんに話すしかないと

思い以前に名刺をもらってたので電話を掛けた。

「おー 大ちゃん 久しぶりやな」「何の用や」

「はい 事務所に伺ってもいいですか?」

「おーおー ついにうちの若い衆なんねんな笑」

「いえ 少しお話したい事があります。」

「わかった。」「ただ今日は本家行くから明日の昼やったらおる」

「明日来るか?」

「わかりました 明日の昼頃伺います。」

いつも川島さんは俺には優しいです。

電話を切って俺はなにをやってるのだろうと

一瞬思いましたが逃げるわけには行きません

根性を決めて川島さんに会いに二宮の事務所に行く事になった。

続く。。

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