追憶ノ彼方 〜王族の友達〜

広いステージの設置されたクラブの様な場所でAと僕はいた。
他にも色々な集団がおり、物騒な雰囲気が出ていた。

すると、急に友達が選ばれた。
会場にいる全ての人の意思が一致してAが殿に選ばれたのだ。

やばい!俺選ばれた!風呂入ってくるから適当にしよって!
そう言うと同じフロアからイカついボディガード5人と女性が10人くらい現れた。

Aは連れて行かれてしまった。
Aは身だしなみに気を使う方だったがジャラジャラのブリンブリンを付けてズボンを引きずっていた。

1人になった僕は焦っていた。
Aだけ選ばれて俺は?と思っていたし、周りも気になった。
みんな踊っていたけど、相応しいだの、相応しくないだの言っていた気がする。

巨大なスクリーンに襖が開く演出から袴姿のAが出てきた。
バッチリ決まっていてとても凛々しくかっこよかった。
ステージは3段くらいあって、殿!殿!と呼ばれていた。
僕はみんなに押されて2段目くらいまで上がって、持ってあげて!とAが脱いだ衣装の飾りアウターと昔着ていた服を同時に渡された。
昔着ていた服が寂しそうだった。

Aは女の子もいっぱいいるけど、あの子、お前のこと気になっとったよ!と教えてくれた。
余裕がめちゃくちゃあって、皆んなから貰うシャンパンも多かった。
そんな祭りの最中後ろの方で油を売っているとイカつい連中達があいつの事よろしくな、的な事を列を作って言いに来た。

お前らに言われんでも友達なんだからそうするし当たり前だろ。僕は心の中でそんな事を思っていた。

Aは何でも手に入るから何でもあげる、と言ってきた。
僕は妬んでいたのだろうか。
何故か何もいらないと答えた。

その日はフロアで雑魚寝した。
イカつめのグループも寝ており謀反を企てていたが、どうせAには敵わないと思い放置し眠りについたのだった。

次の朝、Aはスーツをバシッと決めて歓声の中車に乗り込んだ。
僕にも乗れと言われたが僕は何故か乗らなかった。
その後僕はフロアでいつまでも踊っていた。
ボロボロの服のままで。

そんなある冬の夢のおはなし。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?