nayutakikuchi

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邂逅の森:熊谷達也

妻のオススメで読んだ久しぶりの小説。大正時代のマタギを主人公とした大河ドラマ。歴史上の事件も偉人も出てこないが、違う時代の違う環境の男の人生を味わったような読後感。もしかすると、この時代の日本人の人生観というのはこんな感じだったのかな?今の自分とは全然違うが、どこでどう変わったのだろうか、そんなことを考えた。

    • ノモンハンの夏:半藤一利

      中々先に進まない本だった。文章は読みやすく、また登場人物の描写も興味深いのだが、内容がどんどん悪い方向に進むのがしんどかった。(史実だから仕方ないのだが) 半藤さんが別のなにかの本で「日本人は、起こったら前提が覆るような重大な事態について、論理を転換させ「起こると困るからそれは起こらない」と考える癖がある」というようなことを書かれていたが、この本でも同じことを感じた。また、人は何度でも同じ間違いをするのだなということも書かれていた。

      • Who Gets What:アルビン・ロス

        マッチメイキングとマーケットデザインという仕組みと実社会での使われ方、その可能性を書いた本。腎移植のドナーと患者、研修医と就職先、アメリカの公立高校の願書のシステムなどで既に活用されているらしい。 なんて頭が良い人たちがいるのだろうかというのが第一印象。そして日本の身の回りでも応用できそうなことが多くありそう。自分は食品会社で働いているが、例えば食品ロスの問題など、メーカーと流通と消費者の間でうまくインセンティブの設計ができれば解決の糸口が見えるかもと感じた。日本だと東大の小

        • 21世紀の啓蒙:スティーブン・ピンカー

          著者の本を読むのは二作目。前作に続き、データを駆使して世の中があらゆる面で良くなっていることを示している。その中には、世界の暴力は減少している、等、感覚と異なるものも多数あり新しい視点が得られる。 この本は恐らく第三部を主張するために書かれたもので、その内容は以下に現在科学、ヒューマニズムがないがしろにされており、それが危険かということ。正直ここは自分には難解であった。また、第二部以前と比較して時間軸が短いため、作者の主観が強い印象もあった。とはいえ、全体を通じてデータに基づ

        邂逅の森:熊谷達也