191121_リクリアンスケール

微分音スケールをつくろう!【014】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんのお時間です

さて、前回の純正律の考察にて
7音スケール(セプタトニック)を作るには、
ドミナント・ミディアント・ネイバー およびそれらのサブをあてはめることで、7音ができあがるという
スケールファンクション」という仮説を立てました


今回は、スケールファンクションのセオリーをもちいて
実際に微分音スケールを構築してみようかと思います。


さて、微分音スケールを作るのに重要な倍音は7,11倍音なのですが
24平均律においては551セントをたたき出す11倍音が「半々音」と相性が良さそうなので、
今回は11倍音を活用してスケールを考えていきます

今回純正音程の話で数字がたくさん出てきますので
・x3→完全5度上 x9→長2度上 x5→長3度上
・下にする場合は逆数にする
このあたりを押さえておきましょう


それでは、スケールファンクションの3種を考えていきましょう

画像1

11倍音をオクターブ以内に移すと11/8となり、長4度(ファキ)となります
これはサブドミナントの位置ですね
今の段階ではサブかどうかは気にせず、↓こう書きましょう

画像2

次にミディアントですが
全音下の中3度(ミd)が良さそうですね
全音下の純正音程は1/9すればいいので11/9
これはオクターブ内に収まってるのでOKです

画像3

ここで長3度上のラキ にしたらどうか?ということも考えられますが
その場合、長3度は5倍音ですので 55 
オクターブ調整して、55/32 
…めちゃ数字でかい! となるのでパスとなります

ですが、1/5 する つまり長3度下と考えれば
レd なのでネイバーとして使えそうです
11/5 となりオクターブ調整して11/10 となります。

画像4

これで、スケールの骨ができましたね
今回は対称的に配置するため、この3匹をそのままユートーナル化
逆数にして、残りの3匹を決めます

まずは、11/8(ファキ)がサブドミナントの位置でしたので
ノーマルとサブを区別し、サブの行に移してしまいましょう
(ノーマルドミナントとは言わないですけど、サブなしの行の題目として
ノーマルと書いておきました)


画像5

ドミナントは11の逆数1/11
サブミディアントは11/9の逆数 9/11
サブネイバー 11/5の逆数 5/11
となります。(素因数表記です)

次にオクターブ調整をして
16/11 18/11 20/11  となります
音名はそれぞれソd、ラd、シd ですね

まとめるとこんな感じです

画像6

スケールメイクのセオリーは、まだまとめてないのですが
①単純化志向→レシオ、数をできるだけシンプルに
②リミット→11 (メジャースケールは5)
③対称性→ 対称配置 (メジャースケールはオトーナル配置)
という心がけがあります

さあ、今回出来上がったスケールをいろいろ調べてみましょう
一列に並べますと、このようになります

画像7

ほとんど12平均律上の音(コモントーン)がありませんね
なかなか、面白そうな雰囲気です

まずは、間隔がどんなものか気になります
スケールとしては間隔がバラバラだとややこしいので、できるだけシンプルなやつを望みます
ということで24平均律上では何番目の音なのか、書いてみましょう

画像8

、となりますね
これから、この間の数を引き算で調べていきます

画像9

ほうほう、3種類ですか
3と4のステップだけだで、幅が2種類のスケールができてよさそうだったのですが、今回は3種類のステップ幅があるようです

それは実際に聞いてみましょうか

画像10

テレプストラキーボードで今回のスケールを作成してみました
カラーリングは特に意味はなく、僕がそう感じる色って感じのカラーリングです
…もしかしたらカラーノーテーションに基づいた方が良かったかもしれないですね

鳴らしてみるとこうなります
なかなかリディアンっぽくもあり、強半音(3Step)の箇所(C→Dd、Bd→C)が特徴的ですね
それほど不均一な感じはしませんので、このスケールは使い心地は良さそうです

コードも鳴らしましたが、ディミニッシュがなく
全体的にコード感がグラデーションしている感じがします
どんなコードになっているのか、調べてみましょう

画像11

コードクオリティが多様でややこしいですね
コードネームの記法についてものちのち話していきますが置いときまして
ポイントはメジャー・マイナーが2つずつあること

そして、トニックがダークメジャー
つまりドミソのミソが半々音低いコードという所です

ここで示された可能性は
微分音メジャー・マイナーが作れそうであること
メジャー・マイナー2つは5度の関係になっていますので
こいつら中心にならべかえると、
メジャー・マイナーに匹敵するする微分音スケールになるのでは…?

ということと
通常スケールとワープドスケールの橋渡し的存在になりえるということです。
ワープドスケールとは、僕独自の表現ですが
オクターブを伸縮させたスケールのことですね。
今回の例では、
「ドレミファソラシド」のレ以降を半々音下げたスケール「ドレdミdファdソdラdシdドd」
に転換するための経過スケールとして使えそうだな、と

いずれにせよ、微分音スケールと微分音コード進行を統一するための要になるスケールになりそうで、僕はハッピーです



お次はスケールに名前を付けてあげよう、という話になりますね
(ツイートにもろ書いてますが、見なかったことにしましょう)
先ほどの所感としてあったこのスケールのリディアンっぽさ
リディアン的な名前を考えてあげたいですね…

そしてリディアンを考えるということは
チャーチモード全体的に考えなければなりませんね
今回のスケールを転回してみましょう

画像12

ということで、ステップ幅が3442443を中心にずらしていったものを並べました
これを実際にドから始まるスケールに書き直していきましょう

画像13

こうすると、結構わかりやすくなりましたね
ドレミファキソラシド や ドレミファソラシdド が
メジャー&リディアン メジャー&ミクソリディアンな感じがしますし
今回の主役であるド レd ミd ファキ ソd ラd シd は調号が最も多く
ロクリアンな感じもあります




そこで、僕が思ったのは
チャーチモードのネーミングをミックスすることにました

すると気になるところは
メジャー(イオニアン)+リディアンにするのか
リディアン+メジャー(イオニアン) といった順番的なところ

ここでキモになってくるのが
先ほどの、5度でならんだメジャーコードが2つあるというところ
この2匹がトニック、ドミナントになるほうをメジャー(イオニアン)先行にするとよいのでは…?

ドレミファキソラシド → ドミソ(T) ソシレ(D)
ドレミファソラシdド → ドミソ(T) ファラド(S)

となりますのでやはり「ドレミファキソラシド」
をイオニアン+リディアンにするとして
他6つも考えてみると

画像14

こういう足し合わせ方になります
スペリングで考えないと、なんかミスりそうだったのでアルファベット表記です
-ianは共通してるのでIonianをio とn に分けるといった感じで合成していきましょう

画像15

その結果がこれですね
リディアンっぽかった真ん中の(上から4番目)スケールがリディアン先手になってるのが感覚と一致しててよいですね
つまり「リクリアンスケール」ということになります

画像16

音名と並べて書くとこうなりました
この子らのグループ名をUndecimal Mode ということにして
今後、いろいろ試していこうかと思います

https://en.xen.wiki/w/24edo#Scales_.2F_Modes

Xenharmonicウィキのスケールと照らし合わせてみたところ
僕のいう”フリオリアン”がMaqam 'Ushshaq Turkiと呼ばれていましたが
僕のように7コイチで、構成されてるスケールはないようですね

この表を見る限り、まだ使ってない音程がありますから
その手の音程を使えるスケールもほしいですし
7倍音系のモードも考えたいですし…
まだまだ、スケールのセオリー五里霧中ですね

ということで、今回は11倍音を利用した微分音スケールメイクのお話でした。

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