微分音スケールをつくろう!【014】
こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
変拍子兄さんのお時間です
さて、前回の純正律の考察にて
7音スケール(セプタトニック)を作るには、
ドミナント・ミディアント・ネイバー およびそれらのサブをあてはめることで、7音ができあがるという
「スケールファンクション」という仮説を立てました
今回は、スケールファンクションのセオリーをもちいて
実際に微分音スケールを構築してみようかと思います。
さて、微分音スケールを作るのに重要な倍音は7,11倍音なのですが
24平均律においては551セントをたたき出す11倍音が「半々音」と相性が良さそうなので、
今回は11倍音を活用してスケールを考えていきます
今回純正音程の話で数字がたくさん出てきますので
・x3→完全5度上 x9→長2度上 x5→長3度上
・下にする場合は逆数にする
このあたりを押さえておきましょう
それでは、スケールファンクションの3種を考えていきましょう
11倍音をオクターブ以内に移すと11/8となり、長4度(ファキ)となります
これはサブドミナントの位置ですね
今の段階ではサブかどうかは気にせず、↓こう書きましょう
次にミディアントですが
全音下の中3度(ミd)が良さそうですね
全音下の純正音程は1/9すればいいので11/9
これはオクターブ内に収まってるのでOKです
ここで長3度上のラキ にしたらどうか?ということも考えられますが
その場合、長3度は5倍音ですので 55
オクターブ調整して、55/32
…めちゃ数字でかい! となるのでパスとなります
ですが、1/5 する つまり長3度下と考えれば
レd なのでネイバーとして使えそうです
11/5 となりオクターブ調整して11/10 となります。
これで、スケールの骨ができましたね
今回は対称的に配置するため、この3匹をそのままユートーナル化
逆数にして、残りの3匹を決めます
まずは、11/8(ファキ)がサブドミナントの位置でしたので
ノーマルとサブを区別し、サブの行に移してしまいましょう
(ノーマルドミナントとは言わないですけど、サブなしの行の題目として
ノーマルと書いておきました)
ドミナントは11の逆数1/11
サブミディアントは11/9の逆数 9/11
サブネイバー 11/5の逆数 5/11
となります。(素因数表記です)
次にオクターブ調整をして
16/11 18/11 20/11 となります
音名はそれぞれソd、ラd、シd ですね
まとめるとこんな感じです
スケールメイクのセオリーは、まだまとめてないのですが
①単純化志向→レシオ、数をできるだけシンプルに
②リミット→11 (メジャースケールは5)
③対称性→ 対称配置 (メジャースケールはオトーナル配置)
という心がけがあります
さあ、今回出来上がったスケールをいろいろ調べてみましょう
一列に並べますと、このようになります
ほとんど12平均律上の音(コモントーン)がありませんね
なかなか、面白そうな雰囲気です
まずは、間隔がどんなものか気になります
スケールとしては間隔がバラバラだとややこしいので、できるだけシンプルなやつを望みます
ということで24平均律上では何番目の音なのか、書いてみましょう
、となりますね
これから、この間の数を引き算で調べていきます
ほうほう、3種類ですか
3と4のステップだけだで、幅が2種類のスケールができてよさそうだったのですが、今回は3種類のステップ幅があるようです
それは実際に聞いてみましょうか
テレプストラキーボードで今回のスケールを作成してみました
カラーリングは特に意味はなく、僕がそう感じる色って感じのカラーリングです
…もしかしたらカラーノーテーションに基づいた方が良かったかもしれないですね
鳴らしてみるとこうなります
なかなかリディアンっぽくもあり、強半音(3Step)の箇所(C→Dd、Bd→C)が特徴的ですね
それほど不均一な感じはしませんので、このスケールは使い心地は良さそうです
コードも鳴らしましたが、ディミニッシュがなく
全体的にコード感がグラデーションしている感じがします
どんなコードになっているのか、調べてみましょう
コードクオリティが多様でややこしいですね
コードネームの記法についてものちのち話していきますが置いときまして
ポイントはメジャー・マイナーが2つずつあること
そして、トニックがダークメジャー
つまりドミソのミソが半々音低いコードという所です
ここで示された可能性は
微分音メジャー・マイナーが作れそうであること
メジャー・マイナー2つは5度の関係になっていますので
こいつら中心にならべかえると、
メジャー・マイナーに匹敵するする微分音スケールになるのでは…?
ということと
通常スケールとワープドスケールの橋渡し的存在になりえるということです。
ワープドスケールとは、僕独自の表現ですが
オクターブを伸縮させたスケールのことですね。
今回の例では、
「ドレミファソラシド」のレ以降を半々音下げたスケール「ドレdミdファdソdラdシdドd」
に転換するための経過スケールとして使えそうだな、と
いずれにせよ、微分音スケールと微分音コード進行を統一するための要になるスケールになりそうで、僕はハッピーです
お次はスケールに名前を付けてあげよう、という話になりますね
(ツイートにもろ書いてますが、見なかったことにしましょう)
先ほどの所感としてあったこのスケールのリディアンっぽさ
リディアン的な名前を考えてあげたいですね…
そしてリディアンを考えるということは
チャーチモード全体的に考えなければなりませんね
今回のスケールを転回してみましょう
ということで、ステップ幅が3442443を中心にずらしていったものを並べました
これを実際にドから始まるスケールに書き直していきましょう
こうすると、結構わかりやすくなりましたね
ドレミファキソラシド や ドレミファソラシdド が
メジャー&リディアン メジャー&ミクソリディアンな感じがしますし
今回の主役であるド レd ミd ファキ ソd ラd シd は調号が最も多く
ロクリアンな感じもあります
そこで、僕が思ったのは
チャーチモードのネーミングをミックスすることにました
すると気になるところは
メジャー(イオニアン)+リディアンにするのか
リディアン+メジャー(イオニアン) といった順番的なところ
ここでキモになってくるのが
先ほどの、5度でならんだメジャーコードが2つあるというところ
この2匹がトニック、ドミナントになるほうをメジャー(イオニアン)先行にするとよいのでは…?
ドレミファキソラシド → ドミソ(T) ソシレ(D)
ドレミファソラシdド → ドミソ(T) ファラド(S)
となりますのでやはり「ドレミファキソラシド」
をイオニアン+リディアンにするとして
他6つも考えてみると
こういう足し合わせ方になります
スペリングで考えないと、なんかミスりそうだったのでアルファベット表記です
-ianは共通してるのでIonianをio とn に分けるといった感じで合成していきましょう
その結果がこれですね
リディアンっぽかった真ん中の(上から4番目)スケールがリディアン先手になってるのが感覚と一致しててよいですね
つまり「リクリアンスケール」ということになります
音名と並べて書くとこうなりました
この子らのグループ名をUndecimal Mode ということにして
今後、いろいろ試していこうかと思います
https://en.xen.wiki/w/24edo#Scales_.2F_Modes
Xenharmonicウィキのスケールと照らし合わせてみたところ
僕のいう”フリオリアン”がMaqam 'Ushshaq Turkiと呼ばれていましたが
僕のように7コイチで、構成されてるスケールはないようですね
この表を見る限り、まだ使ってない音程がありますから
その手の音程を使えるスケールもほしいですし
7倍音系のモードも考えたいですし…
まだまだ、スケールのセオリー五里霧中ですね
ということで、今回は11倍音を利用した微分音スケールメイクのお話でした。
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