191126_アンデシマル進行

「飄」と「儚」の微分音、アンデシマル進行【018】

こんにちは、こんばんわ、ユートピア!
今日も、変拍子兄さんのお時間です


以前の記事で「アンデシマル進行」という微分音コード進行をやりましたが
前回は上に行くパターンだけでしたので
下に行くパターンも作り、改めて解説していこうと思います


◆アンデシマル進行 上行

さて、アンデシマル進行は長4度という完全4度と増4度の中間の音程で移動するコード進行のことでした。
この音程は、倍音の観点からみても結構重要で11倍音の音程と一致するという特性があります
まずは 上行のパターンから改めて聞いてみましょう!

C→Fキ→B→Eキ というメジャーのシンプルなパターンと
Cadd9,キ11→Fキadd9,キ11→Badd9,キ11→Eキadd9,キ11 というテンションコードのパターンをふたつ用意しました
(後者は、前回のブログで紹介したコード進行です)

シンプルなバージョンから行きましょう
C→Fキ→B→Eキ
では倍音の連続性というよりは C→Fよりも高い!っていう印象になります 
これはC→F→Bb→Ebのようにも聞こえるのですがどんどん上にずれていく感覚が非常に面白いコード進行となってます

ですが、メジャー同士の場合だと、ずらし効果(バイアス)の方が強いので結構アラワザ的な感じに効いてきます

そこで、11倍音がうまくつながってることを強調するために
テンションキ11thを追加します
11倍音ぐらいまで音感を研ぎ澄まさなければなりませんので、
高次倍音が聞こえるように和音を組んでいきます

ドミソの場合ですとミ→5倍音、ソ→3倍音となりますので
音感の倍音レベルは5倍音(5リミット)といったところで狭めの音感になります
そこで追加するテンションとして選んだのが9thです
9thは9倍音ですので、11倍音への橋渡しとして十分機能する存在ですね

その結果
Cadd9,キ11→Fキadd9,キ11→Badd9,キ11→Eキadd9,キ11
このようなコード進行が出来上がったわけです

他にも
M7thであれば15倍音、M6thであれば27倍音を聴かせることができるので
この辺りのテンションを使って倍音感度を広げてもいいでしょう
上げすぎても調性があいまいになるので、9thがほどほどだと思ったところはありますけどね

◆アンデシマル進行 下行

下行パターンですね
上行11倍音はオトーナルでしたが、11倍音ユートーナルになってきます

シンプルな方のコード進行は C→Gd→C#→Gキ
複雑めなやつは Cn7(d5)→Gdn7(d5)→C#n7(d5)→Gキn7(d5)

まず、アンデシマル進行の下行は上行の時よりも響きが複雑で
トニックを11倍音として聞くという
ハイレベルなユートーナリティの音感状態にしないといけません

これもシンプルな状態だと
C→G→D→A の進行が低めにずれていくという聞こえ方になります

ドミナントをずらしていくというのは、やはりインパクト強いやつです
ですが、純正音程的なつながりをもっとくれ!
っていう欲を満たすためには、シンプルなメジャーでは事足りないのです

ここで出てくるのが「ダークメジャー
ダークメジャーはバイアス和音の一種で、
メジャーのCEGのうち、EGを半々音下げたコードです

これをコード表記にするとCn7(d5)となり、
Cn7(d5)→Gdn7(d5)→C#n7(d5)→Gキn7(d5)
このように進行していきます

これも先ほどのずらし系に聞こえるコードなのですが7thを加えることで
表情が一変しますね

ダークメジャーセブンス の構成音は
C Ed Gd  Bd の4音
これに割り当てられる純正音程は
1 27/22 16/11 20/11 の純正音程が対応します
1/11系の音程が揃ってるお陰で11倍音ユートーナルな感じがでてきたコード進行になっています

これでGdが純正的に聞こえる状態、そこに進行していくという
儚げな動きを感じます

11倍音オトーナルの飄々さとはことなり
こちらは、くすぶる様な、儚げな感情を感じます
アンデシマル進行の表情をうまく言葉にすることは僕もできていませんが
12平均律とは明らかに異なる、繊細な感情を乗せるのに良さそうな雰囲気がしています

◆倍音のシンボル漢字

漢字一文字であらわすと、という発想が好きでして
カラーノーテーションでいう
White(3倍音)は「威」
Yellow(5倍音オトーナル)は「情」
Green(5倍音ユートーナル)は「凛」
Blue(7倍音オトーナル)は「悲」
Red(7倍音ユートーナル)は「戯」

となんとなく思っています
今回の11倍音のコード進行の検証で11倍音系にもシンボル漢字を当てようと思っていまして、
Lovendor(11倍音オトーナル)→「飄」
Luvendor(11倍音ユートーナル)→「儚」

と先ほどの所感ででてきた言葉を使おうかと思ってます
僕個人のシンボル漢字ですから、人によって違うでしょうし
他の人がどのような漢字をあてるのか気になるところもあったりします。

さて、アンデシマル進行
なかなか奥が深いですね~と思ったところで、おしまいになります!



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