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古本と新刊 納屋文庫 | 古本・新刊・ZINEのオンライン販売

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古本と新刊 納屋文庫は、兵庫県姫路市の小さな本屋です。 古本をメインに新刊・ZINE・リトルプレス・フリーペーパーなどを扱います。 Take your time and read a book. ゆっくりと時間をかけて、1冊の本を読む。 納屋文庫に並ぶのは、店主の自宅納屋に眠っていた古書をはじめ、愛読書、新しく興味をそそられ手元に置いた本です。 速読では決して得られない、最高の読書体験を。 心に刻まれ、感情を揺さぶるあなただけの1冊を、本の納屋の中から見つけてみてください。

  • 文化の脱走兵

    文化の脱走兵 奈倉有里 本を片手に、戦う勇気ではなく逃げる勇気を。 言葉を愛する仲間たちに贈る、待望のエッセイ集。 「国でいちばんの脱走兵」になった100年前のロシアの詩人、ゲーム内チャットで心通わせる戦火のなかの人々、悪い人間たちを化かす狸のような祖父母たち──あたたかい記憶と非暴力への希求を、文学がつないでゆく。 「もし本が好きになったら──私たちがその人たちを見つけて、めいっぱい大切にしよう。世界中のたくさんの本を翻訳して、朗読して、笑ったり泣いたりしよう。」(「クルミ世界の住人」より) 紫式部文学賞を受賞したロングセラー『夕暮れに夜明けの歌を』の著者による、最新エッセイ集。 【もくじ】 クルミ世界の住人 秋をかぞえる 渡り鳥のうた 動員 ほんとうはあのとき…… 猫にゆだねる 悲しみのゆくえ 土のなか 道を訊かれる つながっていく 雨をながめて 君の顔だけ思いだせない こうして夏が過ぎた 巣穴の会話 かわいいおばあちゃん 年の暮れ、冬のあけぼの 猫背の翼 あの町への切符 柏崎の狸になる あとがき 文化は脱走する 【装幀】 名久井直子 【装画】 さかたきよこ

    1,760円

  • わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版

    【新刊】 わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版 くどうれいん くどうれいんの珠玉のZINE。 盛岡の書店「BOOKNERD」により出版されたZINEです。 これは現代版『ことばの食卓』否『手塩にかけたわたしの料理』か?いいえ、彼女は"くどうれいん"。 モリオカが生んだアンファン・テリブルが書き散らしたことばと食物の記録。 はじまりはこうだ。 "わたしを空腹にしないほうがいい。もういい大人なのにお腹がすくとあからさまにむっとして怒り出したり、突然悲しくなってめそめそしたりしてしまう。昼食に訪れたお店が混んでいると友人が『まずい。鬼が来るぞ』とわたしの顔色を窺ってはらはらしているので、鬼じゃない!と叱る。ほら、もうこうしてすでに怒っている。さらに、お腹がすくとわたしのお腹は強い雷のように鳴ってしまう。しかもときどきは人の言葉のような音で。この間は『東急ハンズ』って言ったんですよ、ほんとうです、信じて” 2016年6月の初夏、そして一年後の2017年6月の心象風景。歌人くどうれいんが綴る、食べることと生きることの記録。(版元公式サイトより)

    1,000円

  • もしもし、こちらは夜です

    もしもし、こちらは夜です 宮田ナノ 夜が好きです。 優しかったり、怖かったり、不思議だったりする夜の魅力や、そんな夜がもたらしてくれるさまざまな感情を少しずつ言葉にしながら皆さまと共有できたらと思っています。 とりとめのない深夜の長電話のように、肩の力を抜いて楽しんでいただけますように。 ・進まない原稿作業の合間に空想をめぐらせる夜 ・ベランダで夕涼みをしながら半分眠る街を眺める夜 ・親戚一同が集まるお盆、いとこと秘密の夜ふかしをする夜 ・自動販売機が心の拠り所になった夜 ・新米会社員時代、忘れられない夜食に出会った夜 etc. 楽しい夜、ドキドキする夜、ヘンテコな夜、懐かしい夜…… 夜には、昼にはない不思議なときめきと心地よい寂しさがあります。 さまざまな顔をみせる“夜”に自分だけの楽しみを見つけたくなる夜ふかしのススメ、待望の書籍化! 眠れない夜のおともにもピッタリな1冊です。

    1,540円

  • 君の住む街 復刻版

    今をときめく女優たちの「あの頃」と、 変わりゆく東京の街の記録 2010年のデビュー以来、数々の写真集や展覧会で精力的に作品を発表し続ける一方で、クライアントワークでも印象的な仕事を次々と世に送り出している写真家・映像監督の奥山由之。その奥山が雑誌『EYESCREAM』で約3年に渡って続けた連載をまとめた写真集『君の住む街』は、出演者の豪華さに加えて、ポラロイドカメラのみで撮影するなどの斬新なアプローチによって被写体たちの新たな一面を引き出し、大きな話題を呼びました。 刊行から7年が経ち絶版状態だったものを、この度出版社も新たに、復刻版というかたちで再び世に出すこととなりました。 被写体と向き合い、丁寧にコミュニケーションを重ねて関係性を作り上げ、そこからセッションのように撮影された一枚一枚の写真には、他では見ることのできない彼女たちの生き生きとした表情が写し出されています。 被写体の魅力に奥山の作家性がかけ合わさることで生まれた珠玉のコラボレーションといえる本作は、奥山にとっても自身の表現を深めるきっかけとなった大切なシリーズです。 また、本書のもうひとつの主役といえるのが東京の風景です。 奥山によって切り取られた東京の街は、オリンピック以前の東京を捉えた記録としても貴重であるとともに、独特の視点とグラフィカルな構図によって、唯一無二のイメージとしてポラロイドフィルムに焼き付けられています。 復刻版の制作にあたってはページ構成はオリジナルのまま、印刷工程を一から見直し、表紙のベースの色を変更するなど、一部にアップデートを感じられる仕上がりを目指しました。 今、改めて東京の街と35人の女優たちの「あの頃」に出会える1冊です。 出演者一覧(掲載順/敬称略) 小松菜奈/二階堂ふみ/久保田紗友/有村架純/成海璃子/ヤオ・アイニン/門脇麦 黒崎レイナ/広瀬すず/松井愛莉/山本舞香/清野菜名/新木優子/夏帆/木村文乃 本田翼/飯豊まりえ/水谷果穂/杉咲花/中村ゆりか/平祐奈/早見あかり/岡本夏美 橋本愛/多部未華子/吉岡里帆/高畑充希/森川葵/中条あやみ/忽那汐里/小芝風花 川口春奈/田辺桃子/駒井蓮/佐久間由衣 奥山由之(おくやま・よしゆき) 写真家・映像監督 1991年東京生まれ。2011年に『Girl』で第34回写真新世紀優秀賞を受賞。2016年には『BACON ICE CREAM』で第47回講談社出版文化賞写真賞を受賞。主な個展に「windows」(amanaTIGP、2023年)、「As the Call, So the Echo」(Gallery916、2017年)等。主な写真集に『windows』『flowers』『As the Call, So the Echo』(赤々舎)、『BEST BEFORE』『POCARI SWEAT』(青幻舎)等。

    3,520円

  • 本ばかり読んできたけれど。

    本ばかり読んできたけれど。 早坂大輔 何かに急き立てられるように、今まで生きてきた人生の自戒を込めて、ここ数年はほんとうに本ばかり読んできた気がする。かつては自分の体を通りすぎてゆくだけだったそれは、成分や滋養、それに少しばかりの毒が自分のなかに蓄積され、 腹にたまっていくようになった。だがそれは、読み手としての成熟とはいかず、ただいたずらに読むことの年月を重ね、歳を取ったことと、子を授かり、 親としての生育の義務を与えられたことが関係している気がする。 (本文より) 『羊をめぐる冒険』『夕べの雲』『娘の学校』『惑う星』……。生活、戦争、子育て、夫婦、商い、社会、環境、地球。ブルーにこんがらがったまま放り投げられた、惑いながら牛のように進むブックエッセイ。 BOOKNERD店主による、書き下ろし9篇(新聞連載3篇含む)を収録した、読書と思索を行ったり来たりする、日記のように書かれた読書エッセイ。

    1,500円

  • 偶偶放浪記

    偶偶放浪記 小指 岸本佐知子氏、都築響一氏推薦 漫画+エッセイの「旅の本」 寄居、いちょう団地、石岡、城ヶ島……有名な観光地でも“映え”スポットでもない、人々に忘れ去られそうな場所を「たまたま」訪れる愉しみ── 外出や旅行が憚られたコロナ禍の2020 年。漫画・エッセイ・絵画・音楽等多方面に活躍する著者は、どこにも行けないのならと家に籠り、わずかひと月の間に過去の旅の思い出を漫画と文章で甦らせ、『旅の本』という書名で自費出版、大きな反響を呼んだ。これを大幅に加筆・修正し、さらにPR誌「白水社の本棚」連載「偶偶放浪記」や書き下ろし四篇を加え、新たな旅の本としてまとめたのが本書である。 宿も食事も想定外、なぜか巻き込まれる奇怪なアクシデントの数々、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する自らの記憶……笑いと哀感が入り交じり、読後はふらっとどこかへ行きたくなること必至の、珠玉の旅漫画+旅エッセイ集。 「私も小指さんの目と、耳と、鼻を借りて、今すぐ旅に出たい。近くて遠い、異界の入口をのぞいてみたい。しみじみと、最高です」 ──岸本佐知子 「どうでもいい町を歩く楽しみが、どうでもいい人生を楽しむ極意を教えてくれる」──都築響一

    1,980円

  • 死のやわらかい

    『 死のやわらかい 』 著 鳥さんの瞼 「死」を誰よりも愛し、向き合い、見つめ続ける歌人の第一歌集。 【収録歌より】 巻き貝のなかを明るくするように母は美大はむりよと言った 会うことのなかった四羽の心臓が一つに刺されて完成している 死ぬことが悲しいだけでなかったこと 落ちて初めて燃ゆ流れ星 【栞】 林あまり『若草の香り』 岡本真帆『「むりよ」が連れてきた明るさ』 東直子『命に旗を立てる』

    1,650円

  • 漫画選集ザジvol.2

    マイナーな短編読み切り漫画を22作品収録。 オルタナティブを模索し迷走し続ける漫画選集シリーズ第二弾です。 【漫画執筆者と作品名】 亜蘭トーチカ 『Hype Boy』 ゐ忌レ 『魔王』 市村柚芽 『星の散歩』 いましろたかし 『撮影会』 大橋裕之 『音』 沖永和架奈 『浦島太郎深海記』 鬼霧繭乃 『フイヨラ』 もちだころ 『靴下を裏がえせ!』 おんちみどり 『ふりむき峠』 ゴム製のユウヤ 『ナカノタワーの事件』 杉作J太郎 『ブラジャー男』 terayama 『エメラルドは不定形の探偵』 トミムラコタ 『オオサンショウウオくん』 七野ワビせん 『さよなら…母さん』 花園照輝 『コルネット』 久宿純 『歌うカビクリームコロッケ星人』『うそつき』 日野健太郎 『トレイル』 HOSHI368 『天使は誰だ。』『サタニックブンブンヘッド』 松本剛 『13』 まんきつ 『恋のスナイパー』 【エッセイ執筆者と作品名】 屋良朝哉&ゴム製のユウヤ 『アメリカン・ニューシネマについてうだうだ喋る会』 切通理作 『バカボンの強迫観念』 倉島一樹 『いつか行きたいアイランド』 ゴム製のユウヤ 『垣根の見張り』 黒澤千春 『「またあした!」に、しみじみ。』 輝輔 『泣かないでほしかった』 【内容紹介】 ガロやアックスのような、自分の描きたい漫画を自由に描いて気軽に発表できる場所を目指してつくりました。 発表の場、発掘の場として、誰かが一歩踏み出すための踏み台のような存在になりたいです。 メジャー誌には掲載されないマイナー漫画、実験漫画、衝動漫画、インディーズ漫画、パンク漫画、わけがわからないけどなんだかすごい漫画、そういった作品に興味がある方におすすめです。

    1,540円

  • 宇宙人の部屋

    宇宙人の部屋 小指 自分たちとアルコール依存症の17年間と、 私の共依存と回復の記録。 『宇宙人の部屋』 発行者 都築響一 編集 ROADSIDERS 価格 税込1650円 文庫本 320P 同人誌・宇宙人の食卓+"その後"の話。 全員で嗜癖の渦中から抜け出そうと生きた記録。 ------------ わたしが恋したひと、一緒に起きて寝て人生を共にしてきたふたりは宇宙人だった。空の上にある無限の暗闇ではなくて、酒瓶の底にある淀んだ宇宙の住人だった。素面だと道端の老犬のように静かに優しいのに、一滴のアルコールで彼らは制御不能な獣に変身した。そして20代のほとんどを獣の世話に明け暮れたわたしも、酒に依存する人間に依存しながら、状況を好転させるどころか彼らの人生をよけい悪化させているだけなことに、ある日気づいてしまった。  アーティスト“小指”がいま初めて綴る、傷だらけの日々の記録。生きることに不器用な、3つの魂がひとかたまりになって坂を転げ落ちていく先に底はあるだろうか。明るい陽の差す出口は見えるだろうか。 (都築響一) ------------ 読んだ感想をnoteに書いています。 是非ともこちらもお読みいただけますと嬉しいです。 https://note.com/nayabunkohimeji/n/nc9eb4493ccbc

    1,650円

  • あったらいいなはなくてもへいき

    あったらいいなはなくてもへいき 梶谷いこ 「年を取って40歳の手前になり、いま手元に残っているのは、もしなくしたら、平気ではいられないものばかりだ。」(本文まえがきより) 物持ちよすぎ!!――「物持ちが異様にいい」著者による、8つの愛用品のメモワール。 長年使い続けてきたモノをテーマにした「AVE | CORNER PRINTING」のエッセイ連載が、私家版として待望の冊子化。もくじに並んだ品名から、そこはかとなく2000年代の空気が漂う一冊になりました。 もくじ 丸襟の白いブラウス HARIBOの空き箱 道後温泉の湯かご A&Wのマグカップ トラのベビータオルケット 新潮文庫 「Yonda?」のキーホルダー アルミの片手鍋 月光荘のスケッチブック

    1,760円

  • 細部に宿る

    細部に宿る 梶谷いこ 大層な思想ではなく些細なこだわりが、博愛ではなく偏愛が、計画ではなく思い出が、日々の暮らしを支えている。 ウチに帰ったらまず、台所のシンクを磨こう。 ――誠光社・堀部篤史 傷だらけのステンレスボウル、まだ名前を知らなかった頃のナムルの味、エビと地理、「全人代」の茶杯、早起きして体を動かすことで得られるもの。コロナ禍に経験した隔離生活を経て、再発見された暮らしの細部への愛着。見過ごされがちな日常への鋭利な洞察によりすくい上げられる、息をするために必要な、最低限の営みを見つめ直す十九編。 日常の「細部」にまつわるエッセイ19編を文庫本のスタイルでまとめた一冊。 前半は11編をほぼ書き下ろし、後半は「梶谷いこのホームページ」に掲載してきた「当用雑記」に加え、新たに書き下ろしたものを含め8編のエッセイを収録しています。 カバー写真は鳥取の古道具屋さん「がふ」さん撮影、解説を神戸の書店「1003」店主の奥村千織さん、また、帯・カバーのテキストは京都の書店「誠光社」店主の堀部篤史さんが寄せている。 もくじ 細部に宿る ナムル 海老地理 カニ鍋とステーキ 茶碗蒸し 白磁 餅 昼休み ファンデ モーニング はれの日 当用雑記 「Bスポット」   他人 かまへん 文筆家   YES スパンコール 陽気 絶景 解説 奥村千織(1003店主) あとがき

    1,650円

  • 小説紊乱

    アンソロジー小説 『小説紊乱』(しょうせつびんらん) 小説の可能性を模索するべく立ち上げられた出版レーベルffeen pub(フィーン・パプ)から刊行される一冊目の書籍。作品の強度を軸に、ジャンル不問で三十編の小説が収録されています。掌編から中編まで。純文学・SF・ホラー・etc…。無名の新人から芥川賞作家まで。小説観を揺さぶる未知の読書体験をぜひ。 総374ページ 刊行 : ffeen pub 編集 : 嶌山景 装画 : 樋口絢女「向日葵」 デザイン・挿絵 : 二宮杏樹

    2,200円

  • 気流の鳴る音 交響するコミューン

    気流の鳴る音 交響するコミューン 真木 悠介 「知者は“心のある道”を選ぶ。どんな道にせよ、知者は心のある道を旅する。」アメリカ原住民と諸大陸の民衆たちの、呼応する知の明晰と感性の豊饒と出会うことを通して、「近代」のあとの世界と生き方を構想する翼としての、“比較社会学”のモチーフとコンセプトとを確立する。 この本の目次 気流の鳴る音(「共同体」のかなたへ カラスの予言―人間主義の彼岸 「世界を止める」―“明晰の罠”からの解放 ほか) 旅のノートから(骨とまぼろし(メキシコ) ファベーラの薔薇(ブラジル) 時間のない大陸(インド)) 交響するコミューン(彩色の精神と脱色の精神―近代合理主義の逆説 色即是空と空即是色―透徹の極の転回 生きることと所有すること―コミューン主義とはなにか ほか)

    1,056円

  • 掃除婦のための手引き書

    掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集 著:ルシア・ベルリン 訳:岸本 佐知子 2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位。 第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位。 「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリン、初の邦訳作品集! メディア、SNSで大反響! 朝日、日経、読売、毎日、東京、中日、北陸中日、北海道、河北新報、信濃毎日、京都、共同、週刊文春、週刊新潮、週刊朝日、文藝春秋、GINZA、MORE、FIGAR JAPON、VOGUE JAPAN、ELLE JAPON、クロワッサン、婦人公論、ミセス、本の雑誌、POPEYE、本の雑誌、mi-mollet、現代ビジネス、クーリエ・ジャポン、本の雑誌、図書新聞、週刊読書人、文藝、すばる、小説すばる、波、本、RKBラジオ、NHKラジオ深夜便、TOKYO FM。 J-WAVE……。「ダ・ヴィンチ」の「ひとめ惚れ大賞」受賞! 2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。 2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。 本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。 この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります! このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、 とにかく読んで、揺さぶられてください                ――岸本佐知子「訳者あとがき」より 彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、 どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。                ――リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より 毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。 夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。 刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。…… 自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。

    2,420円

  • 私たちはいつから「孤独」になったのか

    私たちはいつから「孤独」になったのか A BIOGRAPHY OF LONELINESS The History of an Emotion フェイ・バウンド・アルバーティ 訳 神崎朗子 自分を理解してくれる人がいない、友人や伴侶が得られない、最愛の存在を喪って心にぽっかりと穴があいたような気持ちがする、老後の独り居が不安だ、「ホーム」と呼べる居場所がない――このような否定的な欠乏感を伴う感情体験を表現する語として「孤独」が用いられるようになったのは、近代以降のことである。それまで「独りでいること」は、必ずしもネガティブな意味を持たなかった。孤独とは、個人主義が台頭し、包摂性が低く共同性の薄れた社会が形成される、その亀裂のなかで顕在化した感情群なのである。 ゆえに孤独は、人間である以上受け入れなければならない本質的条件などではない。それは歴史的に形成されてきた概念であり、ジェンダーやエスニシティ、年齢、社会経済的地位、環境、宗教、科学などによっても異なる経験である。いっぽう、現代において孤独がさまざまな問題を引き起こしていることも事実であり、国や社会として解決しようとする動きが出てきている。その際まず必要となるのは、孤独を腑分けし、どのような孤独が望ましくなく、介入を必要とするのかを見極める手続きである。 2018年に世界で初めて孤独問題担当の大臣職を設置したイギリスの状況をもとに、孤独の来歴を多角的に照らし出す。漠然とした不安にも、孤独をめぐるさまざまな言説にもふりまわされずに、孤独に向き合うための手がかりとなる1冊。 序論 「近代の疫病」としての孤独 孤独の来歴 身体化された孤独 第1章 「ワンリネス」から「ロンリネス」へ――近代的感情の誕生 孤独の創出 ソリチュードの重要性 ソリチュード、ジェンダー、階級 ソリチュードと健康 近代的な孤独の形成 歴史的な力の産物としての孤独 第2章 「血液の病気」?――シルヴィア・プラスの慢性的な孤独 子ども時代の孤独 「私もついにスミス大の学生になった」 孤独と自殺衝動 恋愛相手の必要性 心の病がもたらす孤立感 第3章 孤独と欠乏――『嵐が丘』と『トワイライト』にみるロマンチック・ラブ ロマン主義的理想としての「ソウルメイト」 小説における愛と魂――『嵐が丘』の場合 愛はすべてを征服する、狼人間や吸血鬼ヴァンパイアでさえも 第4章 寡婦/寡夫の生活と喪失――トマス・ターナーからウィンザーの寡婦まで 孤独とノスタルジア 喪失の独特な形態としての寡婦/寡夫の生活 トマス・ターナーの場合 トマス・ターナーの「ワンリネス」 ウィンザーの寡婦 喪失の孤独 第5章 インスタ憂うつグラム?――ソーシャルメディアとオンラインコミュニティーの形成 ソーシャルメディアの台頭、およびその感情面への影響 ソーシャルメディアは地雷原か、それとも鏡か? ソーシャルメディアおよびコミュニティーの意義 親密さという神話 第6章 「カチカチと音を立てる時限爆弾」?――老後の孤独を見つめ直す イギリスの「時限爆弾」 ヴァルネラブルな高齢者と「満たされないニーズ」の問題 高齢化と新自由主義――加齢はいつから負債になったのか? 加齢を歴史的にとらえる 高齢者の孤独の複雑性 高齢者の未来 第7章 宿なしルーフレス、根なしルートレス――「ホーム」と呼べる場所がないということ 宿なしルーフレス――最近の歴史的問題としてのホームレス問題 ホームレスとはどんな人びとか? 「家ホーム」の重要性、そして家がないということ 難民と孤独 第8章 飢えを満たす――物質性マテリアリティと孤独な身体 孤独と物質的世界 孤独と身体 孤独な身体 「飢え」を満たす 身体によって 身体を通して語る 第9章 孤独な雲と空っぽの器――孤独が贈り物ギフトであるとき 孤独なロマン主義者たち 孤独と近代プロジェクト 結論 新自由主義の時代における孤独の再定義 孤独の再定義 フェイ・バウンド・アルバーティ Fay Bound Alberti 1971年生まれ。文化史家。ロンドン大学キングス・カレッジ近現代史教授。専門はジェンダー、感情史、医学史。歴史学博士(ヨーク大学)。イギリス初の感情史専門の研究所であるロンドン大学クイーン・メアリー感情史センターの創立メンバーの一人。マンチェスター大学、ランカスター大学、ヨーク大学等でも教鞭をとる。著書にMatters of the Heart: History, Medicine, and Emotion(2010)、This Mortal Coil: The Human Body in History and Culture(2016)、A Biography of Loneliness: The History of an Emotion(2019〔『私たちはいつから「孤独」になったのか』神崎朗子訳、みすず書房〕)がある。 神崎朗子 かんざき・あきこ 翻訳家。上智大学文学部英文学科卒。おもな訳書にキャロライン・クリアド=ペレス『存在しない女たち』(河出書房新社)、オイズル・アーヴァ・オウラヴスドッティル『花の子ども』(早川書房)、マイケル・グレガー/ジーン・ストーン『食事のせいで、死なないために』〔病気別編〕〔食材別編〕(NHK出版)、アンジェラ・ダックワース『やり抜く力 GRIT』(ダイヤモンド社)、ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)、フェイ・バウンド・アルバーティ『私たちはいつから「孤独」になったのか』(みすず書房)などがある。

    4,620円

  • 朝おやつ

    朝おやつ 甲斐みのり 甘美な口福に満ちた、芳醇なお菓子文学 「朝おやつ」として愛食する43の甘味の記憶をめぐる物語 全国を旅して見つけた美味しい甘味の魅力を、優しい筆到で丁寧に描いてきた文筆家・甲斐みのり。 朝おやつとして愛食する甘味たちを、美味しさが溢れ出す美しい写真と共に丁寧に描きました。 朝おやつが運んでくれた大切な人たちとの出会い、そして別れ。 甘いだけではない物語の数々は、誰もの心の奥にある甘い記憶を思い出し、懐かしい人や風景が鮮明に呼び起こされます。 甲斐みのりの集大成といえる、お菓子愛に満ちた名随筆集がここに完成! 装画は画家・湯浅景子が「ゼリーのイエ」を美しい切り絵で表現しました。 朝食の後にちょっとつまみたいものもあれば朝食代わりにしっかり食べたいものもある。それらを朝おやつと称して楽しんでいる。今でも調子が出ない朝がある。そんなとき朝おやつがひとつあるだけで一日を快く始められる。朝おやつは幸福な記憶の源であり、お守りであり、自分を奮い立たせてくれるスイッチ。私の暮らしに欠かせない、愛すべき大切なものになった。(「はじめに」より) 甲斐みのり(かい・みのり) 文筆家。1976年静岡県生まれ。大阪芸術大学卒業後、数年を京都で過ごし、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、手みやげ、クラシックホテルや建築などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。著書は『たべるたのしみ』『くらすたのしみ』『田辺のたのしみ』(ミルブックス)『日本全国 地元パン』『歩いて、食べる 京都のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)など約50 冊。『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)はドラマ「名建築で昼食を」(テレビ大阪)の原案に起用された。

    1,320円

  • 何でも見てやろう

    何でも見てやろう 小田実 若さと知性と勇気にみちた体当り世界紀行。留学生時代の著者が、笑顔とバイタリティーで欧米・アジア22ヶ国を貧乏旅行して、先進国の病根から後進国の凄惨な貧困まで、ハラにこたえた現実を、見たまま感じたままに書いたベスト&ロングセラーの快著。

    924円

  • マーキュリー・シティ

    マーキュリー・シティ 永井宏 美術作家・永井宏が、音楽・映画・アートへの憧れを、愛に満ちた筆致で綴った1988年の名著、待望の復刊。著者が雑誌「BRUTUS」の編集者としても活躍した80年代に、深い知識に裏付けされた名文で、青春時代をおくった60年代から80年後半までの音楽・映画・アートへの愛を綴った名随筆。多くの人々に多大な影響を与えた、サブカルチャーという言葉が一般化する前に発表された、元祖サブカル・エッセイといえる名著。30年後の未来を先取りしていたような内容は、驚きの連続。人々の関心が多様化したこの時代にこそ読むべき、温故知新の名作。解説文はカーネーション・直枝政広。

    1,100円

  • 自殺帳

    自殺帳 春日武彦 著 人はなぜ自殺するのか? 人はなぜ自殺しないのか? そのあわいをみつめつづけてきた精神科医、 春日武彦による不穏で不謹慎な自殺論考 自殺は私たちに特別な感情をいだかせる。もちろん、近親者が死を選んだならば、なぜ止められなかったのかと、深い後悔に苛まれ、悲しむことだろう。だが一方、どこかで覗き見的な欲求があることも否定できない。「自殺はよろしくない」「でも自殺せざるを得なかった人の辛さに思い巡らせるのも大切」「あなたの命は決してあなただけのものではない」など、さまざまな意見を持つ人に読んでもらいたい、自殺についての深掘りエッセイ。自殺されたクライアントとの体験や、さまざまな文学作品、遺書、新聞報道記事などを下敷きにした、自らも自殺に近い位置にいる精神科医による、自殺をめぐる集大成。 「強引に言い切ってしまうなら、人間そのものに対する「分からなさ」が身も蓋もない突飛な形で現出しているのがすなわち自殺ということになろう。その突飛さを前にして、動揺した我々は、(情けないことに)つい「ゲスの勘ぐり」やら下品な好奇心至上主義を全開にせねばいられなくことが稀ではない。悼んだり悲しむと同時に、無意識のうちにそんな方向に走ってしまう。だから「その不可解さがもはや珍味と化している事案」と表現してみても、あながち的外れではあるまい。 そんな次第で自殺に関して思うこと、感じること、精神科医としての意見、文学的関心などをだらだらと書き連ねていきたい。もっとも、それが正鵠を射た内容であるのか否かは、自殺を遂げた当人ですらはっきりとはしないであろうけれど。」 (「はじめに」別バージョンより) ――――――――――――――――――――――― 【目次】 はじめに 第1章  胃の粘膜 第2章  石鹸体験 第3章  登場人物を自殺させる 第4章  遺書のリアル 第5章  自殺の七つの型 ①美学・哲学に殉じた自殺。 第6章  自殺の七つの型 ②虚無感の果てに生ずる自殺。 第7章  自殺の七つの型 ③気の迷いや衝動としての自殺。 第8章  自殺の七つの型 ④懊悩の究極としての自殺。 第9章  自殺の七つの型 ⑤命と引き換えのメッセージとしての自殺。 第10章  自殺の七つの型 ⑥完璧な逃亡としての自殺。 第11章  自殺の七つの型 ⑦精神疾患ないしは異常な精神状態による自殺。 第12章  漆黒のコアラ おわりに ◇春日武彦(かすが・たけひこ) 1951(昭和26)年、京都府生まれ。日本医科大学卒業。医学博士。産婦人科医として6年勤務した後、精神科医に転進。都立精神保健福祉センターを経て、都立松沢病院精神科部長、都立墨東病院神経科部長、多摩中央病院院長、成仁病院院長などを歴任。現在も臨床に携わる。甲殻類恐怖症で猫好き。主な著書に『不幸になりたがる人たち』(文春新書)、『幸福論』(講談社現代新書)、『無意味なものと不気味なもの』(文藝春秋)、『臨床の詩学』(医学書院)、『猫と偶然』(作品社)、『無意味とスカシカシパン』(青土社)、『奇想版・精神医学事典』(河出文庫)、『鬱屈精神科医、占いにすがる』(河出文庫)ほか多数。

    1,980円

  • テクストの楽しみ

    テクストの楽しみ ロラン・バルト 訳 鈴村和成 「楽しみのテクスト——満足させ、満たし、幸福感を与えるもの。文明からやって来て、文明と決裂することなく、読書の心地よい実践とむすばれるもの」 「歓びのテクスト——放心の状態におくもの、意気阻喪させるもの。読者の、歴史的、文明的、心理的な基底だとか、その趣味、その価値観、その記憶の一貫性を揺り動かすもの」 「テクストの楽しみ。古典。文明。知性。アイロニー。繊細さ。幸福感。伎倆。安全。歓びのテクスト。楽しみは粉々になる。国語は粉々になる。文明は粉々になる」 46の断章から編まれた、“身体の思考”によるロマネスク。テクストを読む=書く主体が、自伝をたずさえてここに戻って来る。「制度としての作者は死んだ」、「テクストは織物である」といった断言でよく知られたバルト後期の代表作が、達意の新訳によって蘇る。 目次 Affirmation[肯定]/Babel[バベル]/Babil[おしゃべり]/Bords[ボーダー]/Brio[活気]/Clivage[裂け目]/Communauté[共同体]/Corps[身体]/Commentaire[注釈]/Dérive[漂流]/Dire[言う]/Droite[右翼]/Échange[交換]/Écoute[聴いている]/Émotion[情緒]/Ennui[倦怠]/Envers[さかしま]/Exactitude[正確さ]/Fétiche[フェティッシュ]/Guerre[戦争]/Imaginaires[想像界]/Inter-texte[間テクスト]/Isotrope[等方的]/Langue[国語]/Lecture[読むこと]/Mandarinat[特権的知識階級]/Moderne[モデルヌ]/Nihilisme[ニヒリズム]/Nomination[命名]/Obscurantisme[蒙昧主義]/Œdipe[オイディプス]/Peur[恐怖]/Phrase[文]/Plaisir[楽しみ]/Politique[政治的]/Quotidien[日常]/Récupération[回収]/Représentation[表象]/Résistances[抵抗]/Rêve[夢]/Science[科学]/Signifiance[意味の生成]/Sujet[主体]/Théorie[理論]/Valeur[価値]/Voix[声]/訳者解説——演者としてのロラン・バルト ロラン・バルト 1915-1980。フランスのシェルブールに生まれ、幼年時代をスペイン国境に近いバイヨンヌに過す。パリ大学で古代ギリシア文学を学び、学生の古代劇グループを組織、結核のため1941年から5年間、スイスで療養生活を送りつつ、初めて文芸批評を執筆する。戦後はブカレストで図書館勤務、アレクサンドリアでフランス語の講師。帰国後、国立科学研究センター研究員、1954年に最初の成果『零度のエクリチュール』を発表。その後、高等研究員教授を経て、1977年からコレージュ・ド・フランス教授。 1975年に彼自身が分類した位相によれば、(1) サルトル、マルクス、ブレヒトの読解をつうじて生まれた演劇論、『現代社会の神話(ミトロジー)』、(2) ソシュールの読解をつうじて生まれた『記号学の原理』『モードの体系』、(3) ソレルス、クリテヴァ、デリダ、ラカンの読解をつうじて生まれた『S/Z』『サド、フーリエ、ロヨラ』『記号の国』、(4) ニーチェの読解をつうじて生まれた『テクストの楽しみ』『彼自身によるロラン・バルト』などの著作がある。そして『恋愛のディスクール・断章』『明るい部屋』を出版したが、その直後、1980年2月25日に交通事故に遭い、3月26日に亡くなった。

    3,300円

  • 動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか

    動くものはすべて殺せ【新装版】 アメリカ兵はベトナムで何をしたか ニック・タース著 布施由紀子訳 「民間人を殺害し、森の空き地や田んぼの排水路に死体の山を築いていたのは地上部隊だけではなかったのだ。ヘリコプターが襲いかかった村では、数え切れないほど多くの人が恐怖に駆られて走りだし、結局はM60機関銃の掃射に切り裂かれて命を落とした。ミライ事件をはるかにしのぐ大規模殺戮では、通例、重火器が用いられ、事務的に淡々と死体が量産されていった。 それがこの戦争の本質であり、ベトナムをテーマとする数万冊の書籍にほとんど描かれてこなかった真の姿なのだ」 4時間で500人以上の村人を虐殺したミライ(ソンミ村)事件は逸脱ではなかった。“動く者はすべて殺せ”という命令の下になされた軍事作戦の一部だったのだ。 国立公文書館資料の粘り強い調査や、事件にかかわった帰還兵や内部告発者、さらにベトナム人生存者へのインタビューによって、米軍と政府の施策がどれだけ多くの無辜の住民を殺し傷つけたか、そして軍司令部と国防総省はその事実をいかに隠蔽してきたか、いま初めて明かされる。 本書が2013年にアメリカで刊行されるや、「パラダイムシフトを迫る画期的な戦争史」「ベトナム戦争について書かれた最も重要な本」等々と絶賛され、優れた調査報道に贈られるライデナワー賞を受賞した。アメリカの戦争とはいかなるものか。生々しい戦慄とともに語られる戦争の真実。 序 作戦であって逸脱ではない 第一章 チェウアイ村虐殺事件 第二章 苦難を生むシステム 第三章 過剰殺戮 第四章 くり返された蛮行 第五章 終わりのない苦悩 第六章 バマー、“グーク・ハンター”、デルタのばらし屋 第七章 戦争犯罪はどこへ行った? エピローグ さまよえる亡霊たち

    4,620円

  • 青少年のための自殺学入門

    青少年のための自殺学入門 寺山修司 鬼才・寺山修司が自殺をあらゆる角度から考察しつくし、生と死を問いなおすいまだに衝撃的な<自殺学>への招待。 寺山修司 1935-83年。青森県生まれ。劇作家、映画監督、詩人、歌人、競馬評論家。54年、『チェホフ祭』で「短歌研究」新人賞を受賞。67年、演劇実験室「天井桟敷」を設立、演劇の変革のリーダーとなる。

    704円

  • 私の好きな孤独

    私の好きな孤独 長田弘 日々の付きあい、なりわいの内にひそむ 明るい孤独と静けさのなかへ――。 詩情豊かに紡がれた 大人のためのエッセー集! 「孤独」はいまは、むしろのぞましくないもののように とらえられやすい。けれども、本来はもっとずっと生き生きと 積極的な意味だった――。 音楽、珈琲、旅、酒、読書……。孤独を慈しみ味わうために 必要な「小道具」をモチーフに、“言葉の魔術師”と呼ばれた 詩人・長田弘が指南する明るく前向きな孤独との付きあい方。 長田弘という詩人は簡素で平易な、けれども凝縮された 奥行きの深い言葉で、現代を生きる私たちが見失いがちな、 ある大切な「歌いかた」を示そうとしたのだろう。 その歌いかたが彼にとって願わしい生きかたの形をも まっすぐ指し示していたことを、本書のそこここにちりばめられた 箴言を思わせる文からうかがい知ることができる。 ――大井浩一(ジャーナリスト、評論家)

    990円

  • タイ飯、沼。

    タイ飯、沼。 髙田胤臣 著 空前絶後、情熱の国を食べ尽くす! タイ人も知らない、 食の由来と文化的背景にアプローチする、 必携の熱帯見聞録! おなじみのトムヤムクン、ガパオから、日本では絶対食べられない各種の麺、超マニアックで危険な料理、そして豊富なスイーツまで、タイ在住20年間で実際に食べた料理を一気に紹介。 日本国内では、インド(カレー)料理、中華料理に次ぐポジションとして定着した「タイ料理」。しかしまだまだ定番料理しか知られていない! 渋谷でタイ料理店にてバイトをしつつタイ語を学び、タイに渡って20年、タイ料理の裏も表も知り尽くす著者が、メニューはもとより、知られざる食事のマナーや慣習、歴史的背景から、レストランガイドまで徹底的に解説する。 食から浮かび上がるタイの人たちの気質や文化とは。20年間の変化とあわせてあなたの知らないタイを紹介。 ―――――――――――――――――――――― 【目次】 はじめに――タイ料理という深い沼に足を踏みこむ勇気はあるか? 第1章:世界中の人々に好まれるタイ料理とはそもそもなにか 第2章:然るべき場所でタイ料理を食べるために知っておきたいこと 第3章:知っておきたいタイ料理における食事の作法 第4章:押さえておきたいタイ料理の基本メニュー 第5章:本物を楽しむための専門店系タイ料理 第6章:豊かな海があるタイだからこそ海鮮系タイ料理 第7章:クイッティアオに代表されるタイ麺類 第8章:暑い国だけどタイ式鍋料理をしっかり楽しむ 第10章:本当は存在しない……タイのサラダの世界 第11章:勇気があるなら挑戦したいマニアックなタイ料理 第12章:いつでも気軽に食べられる軽食系のタイ料理 第13章:タイのスイーツや果物からも目が離せない 第14章:知らなかったタイのアルコールの世界 第15章:土産物になるタイ料理 おわりに――タイ料理の世界に出口はない ◇高田胤臣(たかだ・たねおみ) 1977 年、東京都出身。1998 年に初訪タイ後、タイ語留学を経て2002 年からタイ在住。現地採用者として会社員をしながら執筆活動を続け、2011 年『バンコク 裏の歩き方』( 彩図社) からライターを専業に。現在はタイを中心に東南アジア各国で取材を進め、書籍、雑誌、ウェブ、電子書籍などで執筆する。著書に『亜細亜熱帯怪談』(晶文社)、『バンコクアソビ』( イーストプレス)、『ベトナム 裏の歩き方』( 彩図社) などがある。

    3,520円

  • こといづ

    こといづ 高木正勝 著 なんだこの文章!これはほんとうに人間の生身の男の人が書いた文章なのか?家や森や草や風が書いたんじゃないのか?すごい人だ。――吉本ばなな 『こといづ』とは「コトが出づる」という意味の造語です。丹波篠山の小さな村で暮らす日々の驚きと発見、高木夫妻の家にたびたび遊びにくる80代のハマちゃん・昔気質の大工職人スエさんをはじめとする愛すべき村人たちとの交流、映画音楽ができるまでの苦悩と喜び、ソロモン諸島・エチオピアをはじめとする旅の話、自然と人間の限りあるいのちについて……。 ピアノを弾くように、歌をうたうように綴られる言葉を、2012年から現在まで続く雑誌ソトコトの連載から収録。高木正勝による初の著書であり、この世界のすべてがいとおしくなるエッセイ集です。

    1,980円

  • 自炊者になるための26週

    自炊者になるための26週 三浦哲哉 著 おいしさと創造力をめぐる、全くあたらしい理論&実践の書! ”においを食べる” にしびれました。 学者と詩人、生活者と小学生の やわらかな心を併せ持つ新料理家、ここに誕生! ――高山なおみさん 知識は楽しみを与えず、楽しみは知識を与えない。このような知識と楽しみの分離こそが哲学の前提であった。だからこそ、知識を楽しむこと(フィロ・ソフィア)としての哲学(フィロ・ソフィア)がありえたのだ。 しかし、本書が示すのは、知識を与える楽しみであり、楽しみを与える知識に他ならない! 知識と楽しみはこうして一体となる。 これは人間がもちうる賢さについての書物だ! ――國分功一郎さん さっと買って、さっと作って、この上なく幸福になれる。 「トーストを焼くだけ」からはじまる、日々の小さな創造行為。 “面倒”をこえて「料理したくなる」には、どうしたらいいでしょう。 “ほぼ毎日キッチンに立つ”映画研究者が、その手立てを具体的に語ります。 ・大方針は、「風味の魅力」にみちびかれること。 「風味」=味+におい。自由に軽やかに、においを食べて世界と触れ合う。 そのよろこびで料理したくなる。人間のにおい解像度は犬並み?  最新の科学研究だけでなく、哲学、文学、映像論の重要テクストを手がかりに、知られざる風味の秘密に迫ります。 ・目標は、素材から出発して、ささっとおいしいひと皿が作れるようになること。 1週に1章、その週の課題をクリアしていけば、26週=半年で、だれでも、すすんで自炊をする人=自炊者になれる、がコンセプト。 蒸す、煮る、焼く、揚げる「だけ」のシンプル料理から、「混ぜる」「組み合わせる」、さらに魚をおろして様々に活用するまでステップアップしていきます。 日本酒とワインの新しいあり方、買い物や献立てに悩まないコツ、家事分担も考えます。 ・感覚を底上げする、「名曲」のようなレシピを40以上収録しています。 「ヤンソンの誘惑」「鶏肉とパプリカ」「山形のだし」「麦いかのフリット」等々、素朴だけど、素材と出会いなおすような感動のあるものばかり。古今東西の料理書を読みこんだ著者ならではのベストチョイスです。 より先へ進みたくなった人のための懇切丁寧なブックガイドつき! 目次 序 料理したくなる料理 1 においの際立ち おいしいトーストの焼き方/においの語源と「感覚順応」/バゲットを穏やかに加熱する/サワードゥを直火焼きする 2 においを食べる 米を炊く/人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/味のちがいはにおいのちがい/ふるさとの米の風味さえも ――米を炊く(炊飯器の場合)/米を炊く(鍋の場合) 3 風味イメージ みそ汁を作る/風味は映像である/風味の分類――①風味インデックス/②風味パターン/③風味シンボル/においはへだたった時間を映す/自炊者=エアベンダー ――だしの取り方/みそ汁 4 セブンにもサイゼリヤにもない風味 ここから自炊するという線引き/セブンイレブンのおいしさ/サイゼリヤのおいしさ/規格品にはない風味の個体差とゆらぎ/青菜のお浸しは海のさざなみのように ――青菜のおひたし/一期一会のトマト・パスタ 5 基礎調味料 感動>面倒/基礎調味料の風味がベースになる/基礎調味料は費用対効果が高い/ノイズキャンセリング力を発揮する/しょうゆ選び/塩選び 6 買い物 何を買うか決められない問題/目利きはするな/専門店の先生たちの見つけ方/あなたが素材を選ぶのではなく、素材があなたを選ぶ 7 蒸す 蒸しものの準備/皮付き野菜を蒸して香りを楽しむ/魚の蒸しもの ――いろいろ野菜の蒸籠蒸し/蒸し野菜のべっこう餡かけ/バーニャカウダ/ひき肉ソース/たちうおの清蒸 8 焼く 肉の焼き目のにおいはどうしてたまらないのか/グラデーションをつけて焼く/ステーキ肉を焼く/フッ素樹脂加工か鉄か/焼き方は人となりを映す/オムレツの焼き方/「ひとり料理の喜び」 ――ステーキ 9 煮る シンプルでおいしい野菜のポタージュ/水に風味とうまみを移す/スープの塩分濃度は0・6%から/野菜のかたちを残すポタージュ/含め煮――調味だしは20:1:1から ――野菜のポタージュ(攪拌する)/野菜のポタージュ(かたちを残す)/調味だし/含め煮/ふきの含め煮/おひたし(アスパラガス、ズッキーニなど)/菊の花のおひたし 10 揚げる、切る 家であえて揚げものをする理由/バットが三つありますか?/春巻き/麦いかのフリット/包丁の使い方にどう慣れるか/作業の進行を直感的にイメージできるようになる ――牡蠣フライ/牡蠣の春巻き/麦いかのフリット 11 動線と片付け 片付けの意義/台所のうつくしさ/プライムスペース/揃えるべきキッチンツール/キッチンは風味の通路 12 カイロモン 風味は誘惑の信号である/カイロモンは他種を誘惑するにおい/変化それ自体がよろこび/F感覚とC感覚 ――おでん 13 日本酒 良質な食中酒は自炊を底上げする/アテ化によってシンプル料理が極上に/酒はパスポート/ベーシックな日本酒とは/先生を見つけ、入門用の酒を選ぶ/燗をつけてみる ――シンプルなアテいろいろ/お燗 14 ワイン 面倒ではないワイン/自炊のためのワイン保存システム/「自然な造りのワイン」とその歴史/インポーターで選ぶ/ワインの先生に学ぶ/ワインを買いにいきましょう 15 青魚 季節の魚の風味に触発されて/風味の喚起力は鮮度に比例する/あじといわしは最上の美味/キッチンに魚の通り道を作る/あじをさばいて食べる/青魚、絶対のふた品 ――あじのさばき方/あじのなめろう/しめさば 16 白身魚など 中型魚をさばく/フライパンでポワレにする/魚を長く多面的に味わい尽くす/生のまま魚を熟成する ――平造り、そぎ造り/白身魚のポワレ、ムニエル/ブールブランソース/焦がしバター(ブールノワゼット)/サルサヴェルデ/こんぶ締め/干物/あらのスープ/あらのだし汁で作るパエリア/白身魚の熟成 17 1+1 魚一種に野菜一種の即興料理を作ってみる/生魚のカルパッチョ+野菜/風味のモンタージュ/焼き魚+野菜/魚と野菜のスープ仕立て ――あじのカルパッチョ、ルッコラ添え/いわしの直火焼き、茹でたじゃがいも添え/フィッシュ・ベジタブル・スープ/牡蠣とぎんなんのスープ 18 混ぜる 百獣ごはん/ワンプレート・ランチ/混ぜる料理の伝統的な型/サラダうどんとそばは格別においしい ――ちらし寿司/サラダうどん、そば 19 春夏の定番レシピ 歌い継がれ愛されてきた民謡のような名レシピ/春/夏/ノー・シーズンの定番 ――あさりと豚肉のアレンテージョ風/生わかめとたけのこ/ふきのとうみそ/ラタトゥイユ/ガスパチョ/山形のだし/ピコデガヨ/生ハムとバターのバゲットサンド/干ししいたけとちりめんじゃこの炊き込みごはん 20 秋冬の定番レシピ 秋/冬/ノー・シーズンの定番 ――きのこの当座煮/きのこのにんにく炒め/ほうとう鍋/バジルペースト/さんまのわたソース/ヤンソンの誘惑/かぶと牡蠣のグラタン/焼きかぶのサラダ、かぶのソース/筑前煮/じゃがいもセロリ/鶏肉とパプリカ 21 乾物 乾物の魅力/家に常備するものリスト/塩して熟成する ――鞍掛豆のサラダ/トルティーヤ/塩もみ、浅漬け、かぶ酢/塩豚 22 発酵 発酵保存食品を自作する意味/日々の献立ての基本 ――白菜漬け/甘酒/かぶら寿司 23 うつわとスタイル なぜスタイリングによって料理はよりおいしくなるのか/練習問題/「ねばならぬ」ではなく/うつわの質感/雑多を許容する 24 ファーム・トゥ・テーブルとギアチェンジ ひとはいつから「素材を活かすべき」といい始めたのか/スローとファストのギアチェンジ/「群島としてある世界の肯定」/続・人間の鼻もじつは犬並みにすごい説/ハンバーガー ――ハンバーガー/クラフト・コーラ 25 索引と徴候 別の時空につながるにおい/索引がひらく過去、徴候が予感させる近未来/微分回路(徴候)と積分回路(索引)/風味の解像度とは/生活史を積分する/食の幸福 26 家事と環境 家事分担の不均衡/ふつうのすばらしさを再発見する/環境問題について ――赤飯 三浦哲哉(みうら・てつや) 青山学院大学文学部比較芸術学科教授。映画批評・研究、表象文化論。食についての執筆もおこなう。1976年福島県郡山市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。著書に『サスペンス映画史』(みすず書房、2012年)『映画とは何か――フランス映画思想史』(筑摩選書、2014年)『『ハッピーアワー』論』(羽鳥書店、2018年)『食べたくなる本』(みすず書房、2019年)『LAフード・ダイアリー』(講談社、2021年)。共編著に『オーバー・ザ・シネマ――映画「超」討議』(フィルムアート社、2018年)。訳書に『ジム・ジャームッシュ・インタビューズ――映画監督ジム・ジャームッシュの歴史』(東邦出版、2006年)。

    2,178円

  • 大人の友情

    大人の友情 河合 隼雄 あなたは友人の出世を喜べますか? 人はなぜ裏切るのでしょう? 夫婦、男女、そして上司と部下の友情とは? 人生を深く温かく支える「友情」を、臨床心理学の第一人者が豊富な経験と古今東西の文学作品からときほぐす、大人のための画期的な友情論(目次より「友だちが欲しい」「男女間に友情は成立するか」「友人の死」「“つきあい”は難しい」「友情と同性愛」「茶呑み友だち」「友情と贈りもの」など)。

    572円

  • 世界でいちばん孤独な夜に: 寺山修司のことば集

    世界でいちばん孤独な夜に 寺山修司のことば集 寺山修司 今に生きる私たちの生きづらさ、孤独、悲しみに染み入る、三四〇以上のメッセージ。 一.ひとりぼっちの夜  孤独、少女、わたし、涙、人形、鏡 二.夢みる肉体  身体、恋、愛、夢、美、猫、花 三.海は終わらない  海、星、月、荒野、水平線・地平線、飛 四.水に書く詩人  質問、ことば、詩、書物、手紙、数 五.かなしい時計番  時、季節、思い出、故郷 六.あしたまた旅立つ  旅、死、喪、悲、嫌、惨、悪 七.さよならをください  幸福、希望、約束、さよなら 没後40年、現代に甦る寺山修司の名言集  今年没後40周年の寺山修司の真骨頂といえる、ロマンチックで物語性があり、現代においても私たちの揺れる心に寄り添う言葉のかけらを集めました。 装画・オートモアイ

    880円

  • 怠惰の美徳

    怠惰の美徳 梅崎春生 著 荻原魚雷 編 戦後派を代表する作家が、怠け者のまま如何に生きてきたかを綴った随筆と短篇小説を収録。真面目で変でおもしろい、ユーモア溢れる文庫オリジナル作品集。

    990円

  • 大人ごはん5号 特集 料理がしんどい

    大人ごはん5号 「食」を通して日常のストーリーを描き出す雑誌・第5弾 食を通して、人、社会、文化を考える雑誌『大人ごはん』。 第5号の特集は「料理がしんどい」。 働きながら子育てをする女性たちの座談会「私たちの現実(と理想)」のほか、スープ作家・有賀薫さんや、地域で福祉施設を運営する時田良枝さんにお話を伺いました。 絲山秋子さんによる巻頭エッセイ、柚木麻子さんへのインタビューなど、豪華作家陣も登場。 また、参加者が料理をして話しあう座談会「つくるって何だろう?」、釈徹宗さんの蔵書を納めた「ふるえる書庫」取材記事、マンガ、エッセイなど今回も盛りだくさんです。 【主な内容】 ◎巻頭エッセイ 「無性に食べたくなる」 絲山秋子 ◎特集 料理がしんどい <座談会> 「私たちの現実(と理想)」 <インタビュー> 「料理はもっと自由であっていい」 有賀薫さん 「『つらい』と口に出すのがスタートだと思う」 時田良枝さん ◎特別企画 「ふるえる書庫」に行ってみた 協力:釈徹宗さん大智さん悦代さん ◎グラビア&特別インタビュー 「悪役の解像度を上げるためにラーメンを作ります」柚木麻子さん ◎ つるの漫画コーナー 鶴谷香央理 ◎ (新)ぐんぞくあくじゅう相談所 石田智絵 ◎世界の食材 「唐辛子の魅力に夢中」 ダンユキエ ◎手抜きご飯の嗜み 時岡孝行 ◎座談会「つくるって何だろう?」 伊藤雄馬、狩野 俊、村上慧 ◎へべれけ飲み食い放談 大竹聡、牧野伊三夫 ◎とるに足らないもの・こと日記 早川桃代 ◎まんぷくとまんぞくの間 半井志央 ◎本当に愛着あるモノと暮らし 飯田昭雄

    1,320円