見出し画像

部活依存型学校における文化祭とBDK

こちらの前記事に書いたように、次女の中学受験に向けて志望校となりそうな学校の文化祭にいくつかお邪魔している。

これが本来の文化祭といっても中1はもちろん、2年生の子も今年が初めての外部のお客さんを招いての文化祭で本当に楽しそうで、学校によって様々な趣向をこらしていて、普段見ることのできない在校生やその保護者さんの雰囲気も良くわかるからやはり受験生にとって文化祭は毎週末のようにいくのはちょっぴり疲れるけれど入学後の様子が少し見えて貴重な機会になった。学校によって開催スタイルは様々だけれど、共通しているのはどの生徒も何かしら文化祭に関わっている姿だった。

さて、長女の公立中といえば、である。 

前置きすると、部活動に大変熱心な長女の学校はコロナ渦になった一昨年から休校による勉強の遅れ云々より、休校や短縮授業になってもいかに部活の練習時間を確保するかに腐心している。今年の夏休みも当然ながら多くの部活がコロナ渦前と同じ長時間練習をしている。それだけではないだろうが夏休みになってもほぼ数日おきに学校から『本校におけるコロナ感染者のお知らせ』がきていた。2週間で良いから自主練にして接触を減らせば多少でも減るのではないか?と思ったがそういう発想はないようで、ただひたすら定期的にお知らせがきた。そういや珍しくこないな?と思ってカレンダー見たらお盆で学校が閉庁していたからということもあった。

そんな長女中学校の文化祭といえば、去年と(おそらく一昨年も)同じスタイル。コロナ前はあったらしいクラス対抗合唱コンクールはなし(部活時間削って練習されたら困るから)、保護者向けは昼休みたった20分間体育館に掲示された授業内や夏休み宿題で提出したレポートの優秀作品の展示鑑賞のみ。あとほとんど部活お披露目の場、しかも教室からテレビ中継で鑑賞らしい。感染予防に余念がないのか、でも、なら、なぜ夏休みあんなに部活を強行し続けたのだろう。

長女の学校は個人的に『部活依存』型の学校であると思っている。 
元々荒れていた時代があり、教室の窓ガラスを割ることなく壁に穴を開けることなく、授業だけでも普通にできないかと頭を悩ませていた先生方の目についたのは、部活を強化することで生徒を締め上げ大人しくさせること。だから部活指導に熱心な先生、ツイッター界でいう【BDK】(部活大好き教師)が中心になっていったようである。 

部活大好き先生が牛耳る学校というのはどうも時代に遅れがちになるという傾向がある。そりゃ部活指導まで長時間やっていれば夜はもちろん夏休みなどでも部活指導でテレビを見る暇もないだろう。自治体から1人1台と配布されたパソコンはこのコロナ渦においても全く活用されている様子はなく、学校でおとなしく保管され授業の時にちょっと使う程度らしい。同じ市内の学校でも毎日の検温を出す健康観察票、宿題の提出に活用しているところもあるが未だに健康観察票も提出物も紙ベースである。もしかしたらだけど、いずこの自治体や銀行ではないが職員室では今もフロッピーがご活躍なのではないか。先生一人一人みれば今どきのツールを使って指導してくださっているというのも感じる。英単語、数式、理科社会の暗記ものをいかにわかりやすく理解したり暗記できるかアプリやYouTubeなどを使って紹介してくれているようだ。もったいなあと思ってしまう。

なので今年あたりからポツポツ出てきた『部活の外部委託』の話は当然ながら馬耳東風。BDK先生にとって部活は何より大事な仕事。手放すわけがない。

そして部活が好きな先生は上下関係にこだわる。どうも先生にとって保護者は『下』に該当するらしく、対応や通知はもはや適当というか、後回しというか、投げやりになる。長女の学校にモンスターペアレントはいないのか。お門違いなクレームや体育祭にアルコール持ち込んでどんちゃん騒ぎするような保護者は困るけれど、モンペになるくらい細かいクレームをする保護者はいないのか、少ないのか、いても適当に受け流しているのか。特に帰宅部など情報収集先の少ない家庭への風当たりは強い。帰宅部という選択をした自己責任ということか。BDK大活躍という方式の結果、文化系はほとんどない、市大会、県大会など対外試合やコンクールがない部活動は皆無に等しく入れる部活がなく困窮している生徒もいるというのに完全に自分で帰宅部を選んだ自己責任ということにされている。だが、お上の一部である市や教育委員会からの指導もゾンザイにしがちである。というのも政令指定都市で学校数も多い地域という土地柄、どんな改革も最終的には学校判断に委ねられるというシステムなので「あ、うちは無理っす」でスルーされてしまう。

おそらく・・・・本当のお上は部活絡みの体育連盟や○○連盟関係。子犬のように「ヘイ、喜んで!!!」と従っているんだろうなぁ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そんな長女を含む部活に所属していない一定数の生徒にとっては文化祭というのはなんの披露する場もない授業がなくてラッキーくらいの行事である。あの文化祭のワクワクするような高揚感や発表する緊張感を長女がわかるようになるのは高校になってからになりそうである。  



ごくありふれた日常を少しでも面白く、クスっと笑えるお話を書いていきます。頂いたサポートはご縁のある横浜の子育て支援団体に寄付させていただきます。