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第一印象良ければ全てよし?!(3)

「また会いたい女性とは割り勘にすることにしているんです」。賢さんの謎の理論に頭が混乱しながらも、夜景が見えるレストランデートで8,000円を支払ったナヲ子。

賢さんとは翌週末もデートの約束をしておりましたが、また勝手に高いお店を予約され割り勘にされたらたまりません。

ここは先手必勝!

今回はお酒抜きでお金もかからず、静かにしっかりお話のできる場所・・・そうだ、公園デートを提案してみよう。

ということで、以前ドケチなカープ君に教えてもらった団子屋でお団子を購入し、ペットボトルのお茶で新宿御苑を満喫することにしました。

3回目のデートにして話題が尽きてきた疑惑

その日は暖かくお散歩日和でしたが、冬の新宿御苑は人もまばらです。苑内をそぞろ歩きながら、ふと気づいたことがありました。

会話する時っていつも私が質問して、聞き役に回っているよなぁ。そしてよく観察してみると賢さんは目を合わせて話すことも苦手そう。常に汗かいてるし。長時間になってくると疲労感が滲み出て、上の空になるのも気になる・・・。

最初は賢さんって明るくて爽やかな人と思っていたけど、もしかして基本的に人と接することが苦手なタイプ?!社交性がありそうにみせたい、内向的なタイプの男性なのかしら・・・。

ナヲ子が話を振らないとシーンとしてしまうため、何か会話のきっかけを見つけようと思うのですが、適当な質問が浮かんできません。

2回のデートで当たり障りないことは聞き尽くし、また賢さんに対する興味も薄れている自分に気づいてしまった瞬間でもありました。

「お仕事は最近いかがですか?コロナで忙しかったりするんでしょうか」

ようやく絞り出したつまらない質問に、賢さんが答えます。

「いや〜、マジで忙しくって。その上、老人だから何度も何度も同じこと聞いてくるし、いい加減にしろって怒鳴ったらイジケちゃって。でもボケてるから翌日にはまた同じことの繰り返しで、本当にイラつきますわ。」

・・・・。

この話を聞いて、ちょっとブルーになってきたナヲ子。確かに忙しい時にそんなことされたら私もイラつくと思いますが、それにしたってそんな言い方しなくても・・・。

お年寄りが好きで介護の仕事が天職という賢さんのプロフに、人としての温かみや優しさを感じていたのに・・・。目の前でお年寄りをディスられると、モヤモヤせずにはいられません。

「それは大変ですね。お仕事の息抜きはどんなことをされているんですか?」

これ以上賢さんの愚痴を聞きたくなかったので話題を変えます。

「友達と飲み会が多いですかね。俺、基本誘われたら絶対断らない主義なんですよ。幹事も頼まれたら絶対やりますしね」

「そうなんですね。お友達と飲み会、楽しそうでいいですね」

「いや、それがそうでもなくて・・・。本当は飲み会なんて行きたくないんすよ。金もかかるし大して楽しくもないし。なかば強制というか、自分を鍛えるためのノルマだと思ってます」

・・・?

はい?それ、どういうこと??

その真相を聞いてみると、本来は人付き合いが苦手で飲み会も大嫌い。でも友達いない奴と思われるのも嫌だし、ハブられたくもないから、積極性と社交性を培うための修行と思って、嫌だけど飲み会を頑張っているそう。

・・・・。

ん〜〜〜。なかなか生きづらそうだね、賢さん。

嫌なら行かなきゃいいじゃん!と思いましたが、それが賢さんの主義というならそれもまた人生。しかし、賢さんと一緒にいることが急に重く息苦しく感じた瞬間でした。

じっくり話、聞いタロウ

歩き回るのも疲れてきたため、公園のベンチに座りお団子の包みを広げます。もう3回目だし、ネタも尽きたし、そろそろ聞いてもいいかなぁと思い話題は賢さんの一度目の結婚の話になりました。

お相手は5歳年上の女性で、賢さんが20代前半の時に知り合ったそうです。お姉さん系の女性が好みだそうで、お付き合いしてすぐに同棲。彼女が30前に結婚したいとのことでそのまま入籍したそうです。

しかし、いざ結婚してみると彼女の束縛が厳しくメンヘラ気質、ヒステリックで激しい性格のため、喧嘩が絶えなかったそうです。

・・・ふ〜ん。まぁよくある話だね。男性が語る、一方的に妻が悪いという話の流れにだんだんと目が座ってくるナヲ子。

「で、どうして離婚することになったんですか?」

ナヲ子デカ、単刀直入に切り込みます。

「いや、それがですね。俺は知らなかったんですよ。気づいたら離婚してたんです」

はぁぁぁぁあ?!

しらを切る犯人に詰め寄る船越英一郎になり切るナヲ子。

「ははははは、知らなかったってそんな事ありますかね?気づいたら離婚してたって、賢さんまたまたご冗談を。」

「いや、冗談じゃないです。妻と大喧嘩して『離婚してやる!』って言われたから『勝手にしろ!』って言ったら、本当に離婚届け出されちゃって」

「離婚届け出すってことは賢さんも同意したんですよね?勝手に離婚ってことにはなりませんよね?」

話の要領を得ない賢さんに、蓮舫化するナヲ子。

「それが俺のサインを偽造されて、知らないうちに勝手に役所に離婚届け出されちゃったんですよ。その後、妻も後悔したみたいでもう一度やり直そうって言われたんですが、俺も疲れちゃて」

・・・・なんじゃそりゃ?!作り話じゃないよね、それ。

「そんなことって、あるんですね・・・。で、具体的な離婚の理由は何だったんですか?」

「俺は全然悪くないんすよ。あいつが勝手に騒いで勝手に離婚しちゃっただけなんで。衝動的にやらかして、後から後悔してももう遅いっていうか」

いやいや、そういうことじゃなくて!衝動的だったにせよ奥様があなたと離婚したいと思ってしまった理由を聞いてるんですよ。そもそも男女の関係に100:0はないですから。

と、聞きたかったのですが聞きませんでした。これにて蓮舫封印です。

この時点で、賢さんの総合評価が決まりました。

さよなら、賢さん

この日を最後に、その後賢さんとお会いすることはありませんでした。最初は盛り上がってたんですけどね。途中からナヲ子が失速してしまい、残念な結果となりました。

最後のまとめということで、私が感じた賢さんの良かった点、気になった点は以下の通りです。

■良かった点

・オシャレで身嗜みに気を遣っていた

これだけで第一印象は300%くらいよくなります。見た目がそれほどカッコよくない人でも、ファッションセンスが良ければ顔も体型も概ねカバーできることを実感しました。また洋服だけじゃなく、髪型も大切です。この2点が今時な感じになればイケてる人に見えますので、自信のない人は是非一度プロにご相談ください。

・本当は人見知りなのに積極的に誘ってくれた

連絡がまめで、別れる前に次のアポをとる作戦はスムーズに次のデートに繋がるいい作戦だと思いました。

・素直

デートの準備を頑張っていたなどの裏話は好感が持てました。感情を表に出すところも分かりやすくて私はいいなと思いました。

■気になった点

・強い者に弱く、弱い者に強く出るところ

男性はどっちが上か下かを気にする生き物なのは分かりますが、それが歪んだ上下関係に結びついている印象。介護の仕事も立場の弱いお年寄り相手だから、自分が上の立場でいられることが居心地いいのかなと感じました。

・見栄っ張り

いい格好したがりで、表面だけ取り繕うとしているが中身が伴っていないため薄っぺらい人間に見えてしまう。メッキはすぐに剥がれます。本当に魅力的な男になるために何が必要か、自分で考える力を養うといいと思います。

・コミュ力不足

相手の立場や考えを慮ることに欠けている。高い店を予約して割り勘は可愛いものですが、離婚した理由も分からない(100%相手責任と言い切る)ようでは人間関係を築いていくのに不安が残ります。

というわけで、第一印象は大切ですがそれはあくまで第一印象。見た目が良ければ好きになれるほど単純なものではないんですね。男も女も、やっぱり中身が大事!(でもやっぱりイケメンが好きだけど)

本日もここまでお読みいただきありがとうございました。ほぼ日で恋愛&婚活ネタを連載しております。不定期でフォロワーさんとの交流会も予定しておりますので、よろしければフォローもお願いします。スキ&コメントもお待ちしておりますね!

※お茶がタダで飲めるお団子屋を教えてくれた、ドケチのカープ君のお話はこちら⬇️


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