第一印象良ければ全てよし？！（１）

若いときは初婚の男性希望だったナヲ子も、アラフォーともなりますとそんなこたぁどっちでもよくなってくるものです。

逆に一回でも結婚した実績がある男性は「女性に変な幻想を抱かず現実を知り尽くしている」という安心感が出てくる場合もあります。

そんな訳で、本日はアプリで知り合ったバツイチ年下男性との出会いを振り返って参りたいと思います。

賢さん３６歳バツ１　介護職　年収５００万　１７２cm

色黒で若い頃の石黒賢似の濃い目の顔立ちが特徴の為、ここでは賢さんと呼びます。写真で見る限り、服装も地味でトレンディな要素は全くありませんが「お年寄りが好きで介護の仕事は天職」とのプロフに好感を持ちました。

そして１ヶ月ほどメッセージでやりとりした後、私のホームである新宿でお会いすることになりました。

賢さんは慎重な性格のようで、お会いするまでも時間がかかりましたし「まずは１時間ほどお茶でも」と提案されたのも、私への気遣いというよりは予防線を張られているように感じました。

私もそれほど盛り上がっていた訳ではないので、半ば仕事をこなす感覚で身支度を整え待ち合わせのカフェに赴くと・・・

想定外！只者じゃない雰囲気を醸し出す賢さん

なんとそこには、一般人とは到底思えない超ハイセンスな着こなしでビシッと決めた石黒賢が鎮座していたのです。

えんじ色をベースにしたツイードのジャケットに、個性的なシャツをサラリと着こなし、胸にはポケットチーフ。くるぶし丈のパンツもこなれた感じで、ピカピカの革靴がなんとも眩しい。

さらに驚いたのは、賢さんのカバンです。なんと、目にも鮮やかなビビットな赤のレザートートを合わせていて、最初はビックリしましたが、これがなかなかいいアクセントになっているのです。

・・・ふ〜む。お主、なかなかやるのぉ・・・。

大変失礼ながら、介護職で普段お年寄り相手にお仕事をされている方だったので、洋服には無頓着だと思い込んでいました。写真のジャージっぽい服装からイメージするに、お地味な男性だと決めつけていたんですね。

いい意味で予想が裏切られ、そのギャップにナヲ子は珍しくドギマギしてしまいました。

これは運命の出会いかもしれない

そして実際お話しをしてみると明るくハキハキしていて、年下ですがしっかり頼もしい印象です。

事前に予想していた「慎重そう」「人付き合いが苦手そう」「陰キャ」のイメージをことごとく覆した賢さんに、すっかり好印象を持ったナヲ子。

冬だというのに額に汗を滲ませているところに、若干の「おや？」感はありましたが、もっと賢さんのことを知りたい！と珍しく積極的になる自分がいました。

「賢さん、この後ご予定ありますか？もしお時間あったら、軽くお食事でもいかがですか？」

１時間を過ぎようとしたその頃、思い切って賢さんを誘ってみました。

「あ、予定は、ないです。けど、ご飯のお店は探してなかったから・・・。新宿は詳しくないのですぐに思いつかないんですよね・・・」

明らかに動揺する賢さん。嫌なのかな〜？とも思いましたが、そこは気にせずイッチョもう一押しです。

「私がよく行くお店がこの近くにあるので、そちらでよければご案内しますよ」

「あ、そうですか！それならよかった。じゃ、行ってみましょう」

賢さん、カミングアウトする

新宿の街をお散歩し、２軒目のお店に着く頃には賢さんも私もだいぶ緊張がほぐれてきました。

私は正直に「賢さんって、めっちゃオシャレですよね！ハイセンス過ぎて最初にお会いしたときビックリしちゃいましたよ」と伝えると、急に賢さんが唸り出しました。

「あ〜〜〜、う〜〜〜っ」

ん？どうした、賢さん？？しばらく黙って様子を窺うナヲ子。

「あぁぁぁ、でもこれ言っちゃうとな〜〜〜。でも言いたい〜、けど言えない〜〜〜っっっ」

苦悩する賢さんに「どうしました？言いたいことあるならどうぞ、大丈夫ですよ！」と優しく声を掛けると、意を決した賢さんがポソリポソリと語り出しました。

「実はこれ・・・。今回のデートのために、プロにコーディネートしてもらったんですよ」

どんな重大発表があるのかと緊張していたナヲ子は拍子抜けしてしまいました。な〜んだ、そんなことか！というか、その話、興味ある！！

「わ〜、そうだったんですね！いや〜、このハイセンスな着こなしは素人技じゃないとは思いましたが、さすがプロですね。頼んで大正解ですよ！」

と話を振ると、なんとも嬉しそうな賢さん。今日一の盛り上がりを見せ、ファッション談義に熱がこもります。

私も洋服が好きなので、楽しくお話を聞きましたが、賢さんは私の想像以上にファッションの話を語れたのが嬉しかったようです。

「ナヲ子さんとこんなに楽しくファッションの話ができるなんて、本当に頼んでよかったですよ！初めてです、こんな気持ち。また来週、今度は夜ご飯でもいかがですか？」

・・・これは、ついに、最後の恋の予感？？オシャレで楽しい賢さんとお付き合いする妄想が脳内を駆け巡ります。長くなりましたので続きはまた次回お届けしますね。

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