2023/10
はじまりを教えてくれるコピー機も詰まってしまって遠回りする
しくしくと出る穴のない涙らはひざにかかとにこだまして秋
おまえの場所はないってくらい抱き枕敷き詰めて寝る
ねじれたらもう直らない壊すまであの親子丼ばかり食べよう
ほんとうにそれっていいの、目も声もピアスの色もあのときのまま
夜歩きに肉じゃがの匂い止まなくてひとりのヒールをかつかつ鳴らす
元彼の彩度調節間違えて眩しい朝を迎えちゃってさ
凸凹をなくそうとして流す血の生臭いこと忘れたいこと
さみしさに慣れたいあの日とまり木を辞めたイチョウのそばに建つ家
かわれたらわがままはへる?見慣れない平野のどこまで私だろうか
木犀のひとりひとりに口付けるように光を教えて欲しい
あの雲になったのだろう隙間からさす光さえ捕まえたかった 『 だろう 』
あなたをとりこぼす 長い柄を持つスプーンはフルグラには合わない
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