
はじめての読図【読図学】
ナビジム読図学をザックリとまとめました。
ここで覚えたことを山行学で応用していきます。
*地形図2万5000図を基準に解説しています。
地形図とは
▪︎地形図は立体の山の雰囲気が2次元の平面(紙地図、スマホ画面)で見ても伝わるように描写されています。
地形の特徴は等高線を使って描いています。
道路や登山道、建物、川、木々そして岩など地表に実在する「地物」は記号で記されています。
▪︎地図は真上から見た地表上に実在する地形と地物を一定に縮小して平面に描写しています。地図に描かれている地物と建物の位置関係、そして大きさ距離感は実際に比例しています。
地図記号
よく使う記号です。
▪︎道路、軽車道、徒歩道は道幅で異なります。
▪︎針葉樹は幹がまっすぐ伸びていて葉が細いです。
▪︎広葉樹は幹が曲がっていて葉は平べったいです。
▪︎ハイマツは背が低く標高1500mぐらいから現れます。森林限界です。
▪︎境界線が書いてある場所に実際は何もありません。境界は山の稜線上にあることが多く、その際は徒歩道の記号と並行して記されます。
▪︎青色の記号は水系です。川、池、湖、湿地など
▪︎オレンジ色の四角い記号は建物です。
▪︎送電線の記号は、直線が折れている所に鉄塔があります。鉄塔の記号はありません。
磁北線
▪︎磁北線とは、地図に磁力の方向を可視化した直線です。地図の上部が磁北です。
*磁北と真北は異なる北です。コンパスの赤針は磁北、つまり方位角0°を指します。
磁北線は左に傾いた直線です。色の決まりはありません。地域によって傾き度合い(偏角)が違います。
*市販の地図やガイドブックに付いた地図には磁北線は書いていません。実際の磁北点が動いているためです。しかしパソコンで「地理院地図」「地図プリ」のサイトから地形図を印刷する場合は自動で磁北線が記いてきます。
等高線
▪︎等高線は同じ高さの地点を結んだ線です。要するに、同じ高さの土地の輪郭です。地形の特徴がわかります。
一本の等高線がひかれているところは、どこでも高さが同じです。ためしに一本の等高線をなぞってみると、ぐるっと一周します。
等高線の間隔は高さ10mです。等高線は細い線を「主曲線」、太い線を「計曲線」と言います。
例えば、太い線100mと太い線150mの間に細い線で110,120,130,140mの4本があります。*標高差の解説を参照してください。
地形
地形はだいたい4つに分けます。
▪︎ピーク(山頂、小ピーク)等高線が小さく丸型でその中にそれ以上等高線が書いてない所です。
▪︎谷(谷、沢は本流と支流)青色の川の記号がある所は100%谷です。
▪︎尾根(稜線、主尾根、支尾根)等高線は谷と逆方向に張り出しています。
▪︎鞍部(コルとも呼ぶ)尾根上で2ツの等高線の曲線が向かい合う所です。
*はじめに青色の曲線で目立つ「川」の記号から探します。その理由は次の「標高差」で解説します。
標高差
標高差は等高線を数えます。はじめに50mごとの「計曲線」を50、100、150...と数えてから「主曲線」を160、170と数えると楽です。
▪︎斜面の高低方向の探し方
まず青色の川の記号を探します。川がある所は100%谷です。川の上流方向は等高線を見ればわかります。V字型に並んだ等高線が突き刺す方が上流です。つまり標高が高い方向です。そのまま突き刺す方向をたどると稜線かピークにたどり着きます。尾根は谷とは逆方向(低い方向)に曲線が張り出します。
傾斜
等高線の間隔が詰まっていると、そこは急勾配です。逆に開いていれば勾配は緩やかかと言えば、そうとは言えません。
等高線ひと間隔10m、つまり「高さ10mの差」とはだいたいマンション1階から4階までの高さ分です。感覚で覚えておきましょう。
水平距離
平面の地図上で2点間の長さを測ると水平距離がわかります。それは傾斜長の距離ではありません。地図上で計った長さで実際の距離がわかります。
2万5000図の縮尺は、地図上で計った1cmの実際距離は250mです。
所要時間の計算
▪︎賃貸情報に「駅から徒歩3分」と書いてます。これは「徒歩1分が80mに相当」で計算しています。
▪︎登山でも同じ要領で所要時間を計算します。
例えば石碑からA分岐まで、地図上で計って実際の距離を求めたら500mでした。石碑とA分岐の高低差は30m登りです。
水平距離100mの移動時間を1分30秒とします。なら500mでは7分30秒です。次に、登った高さ10m(等高線の間隔1つ分)ごとに1分30秒を先の「水平距離の移動時間」に加算します。30mの高さ分登るので4分30秒を先の7分30秒に加算します。
7分30秒+4分30秒=12分
よって、石碑からA分岐までは12分ぐらい。
▪︎12分とわかっていれば、まだ8分しか経っていないのに「まだか?もしかして道を間違えたかも?」と考えず、あと4分は進みます。しかし15分、さらに進んでもA分岐に着かない場合は、分岐を過ぎたかもしくは道を外れていると思われるので、来た道を引き返します。
(お終い)
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