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レイキ施術者が「五戒」を唱える意味

レイキの「五戒」の解説は、これが最後になります。
「五戒」は最後に、こう書かれています。
「朝夕合掌して心に念じ口に唱へよ」
毎日の勤行(ごんぎょう)のように、毎朝晩に念じて唱えることを求めています。

「五戒」はレイキ施術者のため?

この「五戒」は、レイキ施術者のために書かれたものです。
つまりこの、毎朝晩に唱えなさいと言っている対象は、レイキの受け手ではなく、レイキ施術者なのです。

ここで疑問が出てきます。
なぜなら、この「五戒」が作られた経緯を、直傳靈氣山口忠夫代表は著書「直傳靈氣」の中でこう言っているからです。

「臼井先生が、一度きちんと治療したはずの人が、しばらくするとまたやってくるのを見て、「人間は心を変えないと本当に元気にはならない」ということに気付き、この五戒を導入したといわれています。」(p.92)

つまり、「本当に元気にはならない」のはレイキの受け手です。
したがって、「心を変えないと」とされるのは、レイキの受け手でなくてはなりません。
それならこの「五戒」は、施術者に対して求めるものではなく、むしろレイキの受け手に対して求めるべきものではないでしょうか?

このことに関して、明確な答えをされるマスターの方は、今のところおられないようです。
受け手に勧めてもよいが、施術者がやってみせることが重要なのだという意見はありましたが。

「五戒」が施術者のためのものである理由

たしかに、心を変えれば健康になることは言えると思います。
前にも紹介したように、「神との対話」にはこう書かれています。

「心配するのをやめれば、すぐにも健康状態は良くなる。」
(p.255)

これは「引き寄せの法則」と同じ原理です。
そのルーツは、ジェームズ・アレン氏「「原因」と「結果」の法則」だと言われますが、要は「思考」が現実を創るというものです。

しかしこの「五戒」は、主に施術者に向けて書かれています。
この言葉を念じて唱えるようにされているのは、レイキの受け手ではなく施術者です。
その理由を解く鍵が、フランク・アジャバ・ペッター氏「This is 靈氣」にあります。これは「公開伝授説明」にある臼井氏の言葉の現代語訳ですね。

「私の教義を成就し、心身を練磨向上させ、人として正道を歩むためには、第一に心を癒し、第二には肉体を健全にしなければなりません。心が誠の道に適い健全であれば、肉体は自ずから壮健になります。
そうして靈と肉体がひとつとなって平和と享楽の生涯を全うしながら、他の病者を癒し、自他ともに幸福を増進することが、臼井霊気療法の使命なのです。」(p.77)

まず、心身を癒すことが大切だと言っています。
これは、レイキを受けることでそうなります。
その上で、「私の教義を成就し、心身を練磨向上させ、人として正道を歩む」ことを求められています。これが目的なのです。

このための方法が、「五戒」を守って生きることなのだろうと思います。
したがって、まずは心身を癒すためにレイキを受けること。
次に、そのレイキを自らできるようになること。
そして最後に、「五戒」を守った生活を続けること。
もちろんこれは、時系列的に守るべき順序ではなく、同時並行的に進めてもかまわないものです。

そして、そういう仲間を増やすということが、臼井氏の目的だったようです。
ですから最後に、「靈と肉体がひとつとなって平和と享楽の生涯を全うしながら、他の病者を癒し、自他ともに幸福を増進することが、臼井霊気療法の使命」と言われているのです。

レイキの施術料と受講料

臼井氏がレイキをされていたころ、施術料がいくらだったかよくわかっていません。
ただ、民間療法でもありますし、無料かそれに近い安い金額ではなかったかと思います。
ただし、弟子の林忠次郎氏は医師でしたので、独自の目的もあって、それなりに治療代を取っていたものと思われます。

一方で、レイキ講習料は高額だったと言われています。
一般的なサラリーマンの給料に相当するくらいだという話もあります。

なぜこのようにしたのか、その理由はわかりませんが、私はこれも、臼井氏の目的によるものだと考えています。

最終的には、幸せなレイキ施術者を増やすことが目的です。
そのためには、なるべく多くの人にレイキをしてあげることが重要なのです。
もし施術料が高額だったら、レイキを受けられる人が少なくなってしまうでしょう。
ですから、レイキの施術料は安価にしておかれたのだと思います。

この施術料を無料または格安でという考え方については、「魂の法則」という本の中で、著者のヴィセント・ギリェム氏も次のように言っています。

「お金と引き換えに、天国に行けると文書で約束した免罪符と同じような商売だ。最初にレイキを始めた臼井甕男氏が無償で行ったというのに、その継承者たちがどうしてお金を取るのだろうか?」

ただ、臼井氏が無料で施術を行ったという資料はありません。
実際、その弟子の林氏は、有料で施術をしたと思われます。彼は医師であり、医療としてレイキを行っていましたから。

一方でレイキの受講料が高額なのは、まずレイキを習いたいという本気度を確認するためであり、その覚悟を固めてもらうためだと思います。
大金を払うということは、自分の中でその価値を作ることになります。
レイキを生涯に渡って大切にしていくためには、そこに大金を投じる(大きな価値を置く)必要があったのだと思うのです。

現代では、いろいろの事情も変わってきていますので、必ずしも同じようにする必要はないと思います。
昔に比べると、受講料はかなり安くなりました。西洋レイキをレベル3まで習っても、まともなスクールで10~15万円程度ですから、大卒の初任給より安いくらいです。マスターまで習っても総額30万円程度です。

施術においても、エステと併用されるなどして、6,000~1万円/時間くらいの単価のところもあります。
それくらいの価値はあるので、そういうやり方でも良いのではないかと思います。

レイキ施術者の使命

臼井氏が目的とされたように、幸せなレイキ施術者を増やすことがレイキ施術者の使命です。
そのためにはまず、自分自身がそうならなくてはなりません

このことは、臼井氏が悟られたことと関係してきます。
「安心立命」の境地。そこに至ることが重要です。
その境地こそが、「靈と肉体がひとつとなって平和と享楽の生涯を全う」すると表現されたことだと思います。

まず自分自身がそうなって、それから仲間を増やす。
これも、必ずしも時系列で行わなければならないということではありません。
自分が悟りの境地に至るように生きながら、その仲間を増やしていけばよいのです。

レイキの「五戒」は、自分自身が悟りの境地に至るための生き方の指針を示しています。
ですから、生涯、レイキとともに生きようと決めたレイキ施術者が、常に意識する必要があるものなのです。


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