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なぜ人は手を当てるのか?

お腹が痛い時どうする?

「あ~っ、お腹が痛ーい!」

そういう時、思わずお腹に手を当てますよね?
どうしてですか?

そう尋ねられて、明確に答えられる人は、おそらくいないでしょう。

「だって、お腹が痛かったら、普通、手でお腹を押さえるでしょ。」

そう、それが普通だと思っています。
では、お腹が痛くなった犬や猫は、手をお腹に当てますか?

そこでやっと気づくのです。
痛いところに手を当てるのは人間だけだということに。
そしてこれは、洋の東西を問わず、人間なら誰もが普通にやることなのです。

手を当てるのは人間の本能

犬や猫は、怪我をすれば傷口をなめます。けれど、人間はなめませんよね?(たまになめる人もいますが。(笑))

それは、犬や猫の本能だからです。
もちろん科学的には、唾液をつけることで免疫力が高まり、傷が早く治るということがあるのでしょう。
しかし、犬や猫は、そんなことを意識していません。(たぶん)
本能に突き動かされて、そうしているだけです。

同じことが人間にも言えます。
痛い時は、思わず痛いところを手で抑えます。悲しい時は、胸を手で抑えます。意気消沈している友がいれば、背中をさすってあげます。
どうしてですか?
説明できません。なぜなら、それは本能だからです。

しかし、本能には意味があります。
犬や猫がなめて傷を早く治すように、人は手を当てることによって、怪我や病気を早く治すことができるのです。

手当ての語源

日本語には「手当て」という言葉があります。
治療するという意味だったり、報酬の加算部分を意味します。
語源を語源由来辞典で調べてみると、こう書かれていました。

「手当てとは、前もって準備しておくこと。事態に応じて処置すること。準備。病気やけがの処置をすること。労働の報酬。また、基本給の他に支払われる賃金。心づけ。チップ。」

そしてさらに、こうあります。

「手当ての語源には、病気やけがをした際、患部に手を当てて治療したことからといった俗説が通説となっているが、「手当て」という言葉に「処置」の意味があるから、病気やけがの治療の意味にも用いられるようになっただけであり、この治療法を語源とするのは間違いである。」

ははは、はっきりと「間違い」と断言されちゃいましたね。(笑)
しかし、本当にそう言い切れるでしょうか?

もし、「処置」を意味するのが「手当て」だとして、ではどうして「手を当てる」ことを意味する「手当て」という言葉が、「処置」を意味するようになったのでしょう?
このことに、この語源の解説は答えを与えてくれません。

昔からある手当て療法

「手当て」によって病気や怪我を治療する、いわゆる「手当て療法」は昔からあります。
確認できるものでも、聖書にはイエスが手当て(手かざし)で病気を治したとあります。ブッダも同じことをしたと言われますから、それより500年も昔の話です。

こんな大昔から、「手当て療法」というものはあり、イエスやブッダに限らず、そういう治療をしていた人はいただろうと思われます。

日本では、大正時代までは民間療法の独壇場だったようです。
これはつまり、近代の西洋医学が入ってきていないか、あるいは普及していなかった、ということから説明できます。

人は昔から、何らかの方法で、病気や怪我を早く治そうとしてきました。
その中には、「手当て療法」と呼ばれるジャンルがあり、それはしっかりと確立されていたのです。

このことからすると、「手当て療法」「手当て」が語源ではないという根拠のない決めつけは、いささかどうかなと思います。
むしろ逆に、「手当て療法」「手当て」が病気や怪我の「処置」の意味であることから、他のことに波及したとも考えられます。

まあ事の真偽は何とも言えませんが、日本語にある「手当て」、つまり「手を当てる」という言葉を素直に解釈すれば、不調な身体の場所に手を当てることで何とかしようとした、ということが見えてくるのではないかと思います。

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