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信越トレイルスルーハイク★ポジティブな孤独感じる旅

日本のロングトレイルの草分けといえば、信越トレイルだと思っています。
私が長野県飯山市に移住した理由の一つは、信越トレイルがあったから。
山登りが楽しくて、百名山を中心に手当たり次第、毎週のように山へ行くようになり、自分の山の好みが判ってきた頃、信越トレイルの存在を知りました。

ヤマレコというサイトでフォローさせて頂いてる方の記録に心を奪われました。
黄染した圧倒的なブナの森の中を歩く旅
里が近いにもかかわらず、ケモノの気配を感じながら、
上へ上へではなく、遠くへ遠くへ歩く旅。

アルプスや百名山は本当に素晴らしいけど、
どうやら私は、人の多い場所は好まないようで、
うすうす気がついていたけど、高所恐怖症みたいだし、
貸し切りとか、独り占めが大好きだったりするのだ。

衣食住を背負って信越トレイルを、ソロでスルーハイクしたいっ!
どこに移住しても出来る事ではあるけれど、
トレイルエンジェルになって、ハイカーをサポートする側にもなりたいって、
歩く前から思っていました。

信越トレイルを歩くなら秋
夏に移住したのですが、せっかちな性格ゆえ紅葉前になっちゃいました。
そのためか、ホントに静かな山行で、
ハイカー専用のテントサイトは4泊全て一人ぼっち。
スライドするハイカーは最初の2日間はゼロ。5日間でたったの11名でした。
マジ寂しすぎる程の貸切!

景色だってアルプスのような華やかさはありません。
美味しい山ご飯が食べれる小屋もありません。
ただ、ただただ、森の中をひたすら70キロを歩きました。

歩いた感想は、
無心になれました。
自然人になれました。
ポジティブな孤独を感じるコトができました。

 「人間は本来、社会人である以前に、自然人であったはずだ。」
日本を代表するバックパッカーであり作家でもある加藤則芳さんは、
信越トレイルの構想から整備、運営に至るまで関わるも、難病で逝去されました。
加藤さんが残してくれた信越トレイルの理念は、
後に続く日本のトレイルづくりのひな形となってます。

信越トレイルは、地図もあり、整備もされています。
整備のために人の手が自然に加えられる訳ですが、
雪の重みで曲がったトレイル上に伸びる木は、邪魔だからといって切られることはありません。なので、またいだりくぐったり、時には頭をぶつけたり。
重いザックだと苦労するのですが、まるでブナの木とジャレあう感覚になります。

ブナの落ち葉でふかふかだったり、時には泥沼だったりするトレイルは、
斑尾を除いてトレイルランニングのレースに使われるコトもありません。
道標のプレートは木を傷つけないようにスプリング状のワイヤーでとめてあり、柱のモノは冬になる前に撤去されます。
ローインパクトに配慮されている様を感じる事ができます。

ピークを目指してピストンする山行とは違います。
生物多様性の一部として、自然に抱かれ、五感で感じ、身を委ねる。
頭で考えることはできません。無心になり、自然人になってしまうトコロです。

ポジティブな孤独を感じると、
朝の光に感動し、人の優しさが心に沁みます。

キラキラとした都会の雑踏で感じた、言いようのない不安と孤独とは真逆です。

人間は本来、自然の中で孤独を感じて、
自然に支えられる自然人だったんだなと思えるトレイルです。


信越トレイルをスルーハイクしてから5年が経とうとしています。
その間、セクションハイクでちょこちょこと歩いていますが、
あえて振り返ってみました。
今度は加藤則芳さんが関わったもう一つのトレイル
みちのく潮風トレイルを歩きます!

ヤマレコで記録を残していますのでご覧下さい。

2021年信越トレイルは延伸し、斑尾山から苗場まで110キロとなりました。

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