死産のこと①。

2012年3月。妊娠16週目に死産しました。

妊婦健診に行ったら赤ちゃんの心臓が止まっていました。

いつもどおり健診に行って、体重を計って、お腹の大きさを測って、心音を聞こうとしたら…?聞こえない。まだ小さいし位置が悪いのかなーという看護士さんの言葉を聞きながら診察室へ。不安がよぎる。お腹にエコーの器械をあてながら先生の顔が曇る。

「心臓が動いていません。」

先生が言いました。

「どうして?」って思いました。「本当にもうダメですか?」って聞きました。「どうして?」って言いました。

原因は分かりません。

長女の時は妊娠6ヶ月まで都心に住んでいて、毎日満員電車で通勤していて、不規則な生活でコンビニ弁当もしばしば、家には寝に帰るだけのような生活をしていたのに、何の問題もなく健康すぎるほど健康な子が産まれました。今回は田舎で、実家の近所で、仕事もせず、手のかからない娘とのんびりした毎日を過ごしていたのにどうして?

先生からは染色体異常や障害などがあって赤ちゃんが成長できないことがあるという説明を受けました。

その時の私は、知識としては知っていたけど、自分の母も何度か流産したと言っていたけど、まさか自分自身が流産や死産するなんて微塵も想像していませんでした。妊娠したら自分の赤ちゃんは健康に産まれてくるものだと思っていて、障害がある子を育てる覚悟もありませんでした。

私が覚悟できてなかったから?だから私のところには来れなかった?そう思いました。

診察室のすみっこで、いつもは元気いっぱいの2歳の長女が無言で顔を伏せてこちらに背中を向けていました。知ってたのかなって思いました。赤ちゃんが動いてないことを知ってたのかなって。

16週だと普通の出産と同じように誘発剤で陣痛を起こして産まなければいけない。3日ほどかけて棒状の海綿体を徐々に増やして人工的に出口を広げ、陣痛を起こして出産するので入院日を決めましょうと言われました。自分一人では決められないので家族と相談させてくださいと言って、診察室を出ました。

さっきまでワクワクした気持ちで座っていた待合室が、たった数分で苦痛な場所に変わりました。周りは幸せそうな妊婦さんばかりで、今私が何を言われたか分かる?どういう気持ちか分かる?って、今私のお腹の中にいる赤ちゃんはもう動いてないのよって、誰も何も悪くないのにそう思いました。

病院の駐車場で主人と母に電話しながら涙がこぼれました。説明したくてもうまく言葉が出ませんでした。何も知らない人が見たら、赤ちゃんができて嬉しくて泣いていると思ったかな。そうじゃない人もここに来るのだと、この時初めて本当に知りました。

帰ったら自宅アパートの駐車場にもう母がいました。母は何も言わずに私を抱きしめました。すぐに主人も帰ってきました。主人の顔を見たら感情がこみ上げてきて、うわーーっと泣きました。来年の夏には家族が増えてるはずだったのに、娘もお姉ちゃんになるはずだったのに、悲しいなんて言葉じゃ表現できない気持ちが溢れ出てきて何度も何度も泣きました。



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