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妊娠…最期のドライブ その3

 今夜が私達二人の最期の夜だから……だからあなたと出来る限り愛し合いたいの!いつまでも……永遠に!あなたに私のすべてを残したい!私が消えてしまうまえに!あなたの毛だらけで全身真っ黒な体のすべてに私の生きていた証を残したいの!

 嵐はますます激しさを増していく。割れたガラス戸から雨や風がひっきりなしに入ってくる。そして稲妻は暗闇で抱き合う私とダーリンのすべてを照らし出す!嵐のせいで何もかもが雨に濡れた部屋の中、彼はからだ中の毛を興奮のあまり震わせながらベッドに立っていた。

 私はダーリンを見る。死ぬまえにダーリンの姿を丸ごと目に焼き付けようと。彼のしわだらけの顔、つぶらな瞳、丸く突出た唇、そして毛だらけで全身真っ黒な彼の体!ああ愛しい人!この人を愛してよかった! …雷鳴が鳴り響く、二人の時間が限られたものだということを報せるために。こうしている間にも私は……。

 私はむさぼるように抱き締めてくるダーリンの腕を泣きながらほどいた。見て欲しい……その純粋な汚れを知らないその瞳で私を記憶に焼き付けて欲しい。私があなたの中にいつまでも生きていられるように……。

 稲妻が私の体のすべてを照らしてくれる!私は彼の前にすべてを曝け出した。見てこの私を見て!これが私よ!モデル顔でセクシーボディーでツルンツルンのお肌の私よ!可愛いでしょ!ああもっと見て!あなたの大好きな巨乳のおっぱいよ!病気のせいでFからDに衰えたけどまだまだ現役よ!愛情こめてしゃぶってくれたのはあなただけよ。ほら見ていまもあなたを求めて乳首が立ってる!そして、あなたと私の毛だらけで全身真っ黒なベイビーが入ってるお腹!いまベイビーは眠ってる。でも起きるとすぐ暴れ出すの。もう早く外に出たくてしょうがないんだわ!でもその時私は……。ダーリン、顔を近付けてもっとよく見て!これがベイビーの出口、そしてあなたの入口よ!あの神聖な儀式のような初エッチが二人にベイビーを授けてくれたのよ!あの時私は奔放までに乱れて……恥ずかしい!ああ!私をいつまでも覚えていて!あなたは他の誰かをいづれ愛するかもしれない!……だけど私がいたという事だけは覚えていて!それが私の最後の願い……。

 私は涙にくれながらダーリンをまた抱き締めた。ダーリンはまだ私が死ぬと事実が理解出来ないみたいだった。ダーリンはすっかり興奮状態で、フゥフゥと言いながらベットでジャンプしている。バカ……これが最後の夜だっていうのに!あなたは…でもこんなダーリンが好きなの。いつまでも少年みたいな毛だらけで全身真っ黒なダーリン。ああ!二人の時間を止めて!


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