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「仄暮れ夕さり」

苅田面に冴ゆる黄落と月代

野分過 上層の巻積雲が新涼を連れてゆく

桐一葉 山粧う晩秋の柴珠実

白露降る鹿鳴草の雨垂落

暁の別れ頃 雨夜の月が水田灯に共振している

あまつさえ 霧虹の堆い懸念が

私を柞(ははそ)の森へと連れゆく


然は然りながら 折節 鑑みる

星月夜よ宵闇夜に

枯草の露と 曼殊沙華の紅艶姿に

燈火親しめば 簾名残の神無月、

君想い白秋の折、恋慕に諾う弧のこゝろ



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