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サッパとうおのこばん

先日、子どもと釣りに行ってきた。
子どもはサビキ釣りをして、自分はひたすら子どもが釣った魚の針を外す係。
その釣り場ではサッパが良く釣れる。というより、サビキで釣れるのは八割サッパだ。
そもそもサッパはあまり美味しいとされていない魚だが、自分と子どもは淡白でフライにして好んで食べている。

その日もサッパを子どもが釣りまくるのをひたすらに外していた。
そんな時一匹のサッパが口に針がついていなく、おでこの上にほぼほぼ着いている寄生虫
の「うおのこばん」がエサのアミエビを食べていた。
サッパは何も食べていなく、上げられたはいいが何が起こっているのか分からない表情をしていた。気がする。
それもそれもそのはず。サッパは食べずに釣られることはなかったのに、既におでこから栄養を吸い取られてるうおのこばんが針にかかっていた。
寄生虫はもちろん海に返すが、サッパはフライだ。うおのこばんを海に返して、サッパをクーラーボックスに入れる瞬間、何とも言えない気持ちになった。
こういう救いようがない話って人間関係でもあるよね。
まあでもフライは美味しかった。ありがとう、サッパ。ありがとう、うおのこばん。

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