憧れていた空間

大学生の頃から憧れていた事がある。

それは書斎を持つ事だった。

大学生の頃から読書をするようになって、ひとりの静かな時間を過ごせる事が寂しく感じる事もあったが、尊くて心地良いものに感じる事もあった。

僕が思い描いていた書斎は、静かで壁一面に本が有って、どこか落ち着いた雰囲気で、コーヒーが似合うような隠れ家のようなものを想像していた。

よく雑誌で特集されているようなものなので、あなたも見た事があるかもしれない。

あんな落ち着いた雰囲気のなかで、読書したり、趣味ができたら最高だなと思っていた。

しかし、大学生活というと潤沢にお金がないのが相場であり、僕もバイトしてなんとか生活していたうちの一人だった。

読書やお金を掛けていたので本は有っても、僕が思い描く本棚とは程遠い父親が使い古したカラーボックスだった。

だから「社会人になったら書斎を作るんだ!」と想いを馳せていた。

しかし、社会人になって住んだ所は手狭な独身寮だったのだ。

格安で新卒の社会人には大助かりの物件だったが、洗濯機・洗面所・風呂・トイレは共有で、築年数もかなり経過していてなかなかの住み心地。

僕はどこでも住めば都タイプなので、最初は抵抗感が有ったが割と楽しく暮らせたが、書斎を作る事は難しい間取りだった。

結局のところ、独身寮には4年程住んで今のパートナーと同棲を始めることをきっかけに退寮する事になる。

思えばあの手狭で知り合いしかいない独身寮の一室でパソコンに向かい副業に明け暮れていたのだから、そういう意味でも「どこでも働ける」という事を体現していたのかもしれない。

同棲する部屋を決める時、僕はパートナーに1つわがままを言っていた。

「作業できる部屋が一室欲しい」

これは本当に贅沢でわがままな事だったが、意外にもパートナーは快諾してくれた。

お互いに仕事や趣味に使える空間が必要だと考えてくれたようだ。

また今住んでいるのが栃木県という事もあって、一部屋追加してもきちんと物件を探して選択すれば、家賃は高くならない。

そして僕は29歳で初めて書斎を持つ事ができたのだ。

大学生の時に思い描いていたような、静かで大人の隠れ家的な雰囲気ではないけれど、キチンとした本棚もあるし、ゆったりと読書や趣味を楽しむ事もできる空間になった。

10年越しの思いを実現した空間だった。

こんな空間を作っても許してくれるパートナーに感謝を忘れてはいけない。

今はこの空間で仕事をする事が当たり前になってしまっていて、それができる喜びは感じにくくなってしまっているが、過去を振り返ると「求めていた場所」で過ごしているのだなぁと嬉しくなる。

なんだか初めて自分の部屋ができた子供の日記みたいだが、それぐらい新鮮で嬉しい事なのだ。

このたった一つの空間で気ままに仕事できる時間を思いながら今日も生活して行こうと思う。

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