スクリーンショット_2019-02-19_1

ピンクのスカートで敬意を示す。これぞ大人のTPO

編集・ライターの仕事は服装が自由。とはいえ、わたしは「おしゃれ命」とか「ファッションは自己表現」みたいなタイプではなく、服装にたいしたこだわりはない。野暮ったくなくて、スタイルが悪く見えなければ、まぁそれでいい。

だから、服装を決めるときは、割とその日の仕事を意識する。取材先がお堅い会社であればジャケットを着るし、ZOZOならZOZOデニムを履くし、引っ込み思案そうな雰囲気の人に取材をするなら、落ち着いた色のこざっぱりした服を着て、ピンヒールは履かない。コミュニケーションに自信がないから、せめて服装で信頼感や親しみを演出したい。

先日、志茂田景樹さんの取材があった。

志茂田さんといえば、カラフルな髪と服。彼に取材をするのに、ふさわしい服はなんだ? クローゼットの前で考えて、答えはすぐに出た。

手持ちの服で一番賑やかな色の服。つまり、ピンクのスカートだ。

普段の取材だったら、さすがに浮かれすぎかなと思って敬遠する服。酔っ払った勢いで去年の夏に買って、手持ちの服と合わせにくい&痩せる前提だったからややキツいという理由で、2回しか履いていなかったスカート。持て余していたけれど、そうか、この日のための服だったのか。

打ち合わせをしたわけではないのに、待ち合わせ場所に現れた編集長は黄色のニットを着ていた。普段だったらだいぶ眼にうるさい2人だけれど、この日ばかりは完璧だった。黄色とピンク。志茂田景樹さんの取材にふさわしい格好だ。

「実は今日、志茂田さんにお会いするので、手持ちの服の中で一番賑やかな服を着てきたんです」

取材が終わってそう打ち明けると、志茂田さんは微笑みながら「いいですねと思いました」と褒めてくれた。大成功。

大抵の取材に似つかわしくないであろう、ピンクのスカート。でも、志茂田景樹さんの取材であれば敬意を示せる。これぞ大人のTPO。何でもかんでもスーツを着ればいいってもんじゃない。そんなことを考えていたら、相席食堂で志茂田景樹事務所を訪れた長州力がスーツを着ていた。

長州力のプロレスパンツは黒だし、そもそもパンツで行くわけにもいかないし。この場合の長州力の正解はなんだったんだろう。長州力のことを知らなさすぎて全くわからない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?