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(物理的に)二枚目

 昨今はCDの販売額が減っているようだが、相も変わらず気に入った作品は円盤で持ちたいと思っている。
 気に入った作品を選んでプレイヤーにかける手間と時間が好きだ。アートワークやライナーノーツまで含めて作品の構成要素だと思う。選んでじっくり聴き込むことには、味わいがある。

 稀な話だが、「これぞ」という作品は複数枚購入することもある。先日も、お気に入りの作品を一枚買い増した。これで心置きなく持ち出したり貸し出したりできる。

 邦楽では鈴木祥子「Radio Genic」やサカナクションの「kikUUiki」、ピアニストの塩谷哲「Wishing Well」などが棚に二枚。星野源「YELLOW DANCER」やSUGAR BABEの名盤「SONGS」、SUEMITSU & THE SUEMITHの「The Piano It's Me」も二枚ある。二枚目の作品、と勝手に呼ぶ。藤井 風のデビューアルバム「HELP EVER HURT NEVER」や佐藤竹善「Cornerstones」はCDとアナログで所有している。
(余談だが、「HELP EVER HURT NEVER」初回盤を購入しながら付属のカバーアルバム「HELP EVER HURT COVER」再発も購入したので、こちらも二枚持ちになる。)

Wishing Well

問答無用の名盤。季節を問わないが、冬におすすめしたい。ジャンルレスに活躍する塩谷哲のバラードアルバム。
9曲目「星の夜」は錚々たる実力派シンガーのリレーによる名曲だ。吉田美奈子の歌唱は文章にするのも躊躇われるほどの絶品、気高く美しい。
 

 ごく稀に三枚所有する作品もある。こうなると浪費と紙一重。  
 SALT&SUGAR「Concerts」は三枚。一枚は移動用。車内は寒暖差があり保存環境としては良くないと思われるので、一枚は車載専用にしているのだ。

Concerts

塩谷作品からもうひとつ。ピアノとボーカルというシンプルな構成の洋楽カバーは、いずれも名曲揃い。ラストを飾るオリジナル曲「もみの木」はもっと広く聴かれてほしい、静謐なる祈りが込められたクリスマスソング。

 こちらは「CONCERTS Ⅱ」収録バージョン

 旧作ばかりを挙げたが、2021年も素敵な作品にたくさん出会った。最早既存の棚には収まりきっていない円盤を横目に、来年もまた素晴らしい音楽に出会えることを願うとしよう。
 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」