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プリンひとつぶん

 体調があまり良くない時の焼プリンは、正義だ。不思議と速やかに気分が上がる。
 思えば幼少期、体調を崩すとホームメイドのゼリーやプリンを食べていた気がする。つるんと喉を通るから、元来食が細いわたしでも美味しくいただくことができた。

 今日はホームメイドではなく、森永製菓。柔らかすぎず固くもなく、ちょうどいい。素朴な味わいのほうがいいのだ。

 そうそう、ホットココアも気分を軽くする。真夜中、長引いた仕事終わりに疲れ果てて飲んだホットココアは、確かに心まであたためてくれた。
 星を眺めながらふうふうと息を吹きかけて(猫舌なのだ)、ゆっくりと飲む。喉をあたためながら徐々に降りていくうち、胸のつかえが和らぐような気がした。

 ほんの少し気持ちを明るくするものを幾つも知っておくのは、きっととても大切なこと。
 プリンひとつぶんの力を借りて、また前を向く。
 
 
 ◇ ◇ ◇
 
 焼プリン、実はプリンサイドから見たら焼かれプリンなのでは・・・・・・と思ったけれどプリンサイドって何だ。
 やっぱり、疲れているのかもしれない。
 

なつめ がんサバイバー。2018年に手術。 複数の病を持つ患者の家族でもあり いわば「兼業患者」