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片輪の轍

ソファを陣取っておうちでまるっと映画を見たのはいつぶりだろう。

「彼らが本気で編むときは」という荻上直子監督の作品を鑑賞しました。

トランスジェンダーのリンコさん、リンコさんのパートナーであるマキオさん、マキオさんの姪のトモちゃんが過ごした2ヶ月についてのお話。

リンコさんを演じた生田斗真さんが本当に美しく、所作の一つ一つがとても丁寧で表情は慈愛に満ちていて釘付けになりました。家族の形、愛の形はそれぞれでいい、そしてみんな違うから伝わらない、受け入れられない思いもたくさんある。人それぞれの優しさと不条理が融和して違和感なくスッと落ちてくる。切なかった。

ここ最近SFチックな近未来ビジネス本(なんだそのジャンル…)を読んで頭が偏ってクタクタだったので、映画を観てバランスが整った気がします。丁寧に出汁をひいたお味噌汁を飲んだ時のような「あ、これこれ」という感覚と同時に、来し方振り返って片方の車輪だけで粗く危なっかしい運転をしていた自分の轍を見るような。

とっ散らかって何が言いたいのか分からなくなってきたけど、バランスをとりながら生きていたい。

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