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気持ちを表すことばの魅力

はじめまして。
『気持ちを表すことばの辞典』の編集担当です。

普段使わないけれども、小説や歌詞で見聞きしたことがある
「ことば」はありませんか?

そうしたことばに出会うたび、私はグーグル先生に頼るのですが、
知ることができて嬉しい気持ちになります。
特に、気持ちを表現する日本語は、繊細で魅力的です。

たとえば、「怒る」と一口に言っても、
“ちょっと怒っている”のか、“すごく怒っている”のか、
“言葉にならないくらい怒っている”のか、
気持ちの度合いによっても、使うことばは変わってきます。

【怒る】
<怒りのレベル小> かちんと来る  ←ちょっとイラっとした程度
<怒りのレベル中> 青筋を立てる  ←興奮していますね…
<怒りのレベル大> 怒り狂う    ←怒りで我を忘れているでしょう

怒るだけでも、さまざまな表現がありますね。
「青筋を立てる」は普段あまり使わないですよね。

日本語には、まだまだ知らないことばがたくさんある
もっと表現の引き出しを増やしたい…!!


こうした思いから、『気持ちを表すことばの辞典』を企画・制作しました。

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今回の本を制作していて、特におもしろかったのは、
日本語にはマイナスの気持ちを表現することばが多いことです。

構成を考える際、喜怒哀楽などの感情のテーマを列挙していったのですが、
「楽しい」「喜ぶ」などのプラスの感情に対して、
「怒る」「怖い・恐い」「苦しい」「悲しい」など
マイナスの感情の割合が自然と多くなってしまったのです。

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これを監修の飯間先生に相談したところ、
日本語には消極的な気持ちを表す形容詞が多いことを
教えていただきました。
例えば、「苦しい」「悔しい」「恥ずかしい」「妬ましい」など…
たくさんありますね。

人は不満や不安があるときのほうが、
気持ちを細かく表現したくなるのだそうです。

確かに、心当たりがあります…(汗)

これは、本書のコラムでも紹介しているので、
気になる方は、ぜひ読んでみてください!

ページの都合で載せられなかったことばもありますが、
全部で1093語を厳選して収録しています。
それぞれのことばの意味と例文を掲載しているので、
微妙なニュアンスも理解できます。

さらに、ことばとともに注目してほしいのは挿絵です。
252%さん、ツヅキエイミさんのお二人に、
イラストを描いていただきました。
テーマを表現した絶妙なイラストで、ページをパラパラめくるだけでも
楽しんでもらえると思います!

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ことばに興味のある方はもちろん、
小説や脚本、歌詞などで気持ちを表現するクリエイターの方々にも、
活用いたただけたら嬉しいです。
本書を通して、初めて出会うことばがあるかもしれません。

『気持ちを表すことばの辞典』
飯間浩明=監修 ナツメ社
https://www.natsume.co.jp/books/14773



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