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夫(父親)にもある「産後うつ」。女性だけじゃない育児ストレス!

こんばんわ、時代劇のような昭和の固定観念から脱却し、令和の父親になるべくアップデート作戦中を実践中のナツキのパパです。

今回は、子育て中のパパが感じるストレス、つまり夫側、男性側の目線で、特定の男性が感じるストレスと、その原因について、素人ながら個人的に思っている事&危惧している事を書きたいと思います。

結論からいいますと、いわゆる女性によくあるところの「産後うつ」や「産後クライシス」のように、男性にだって育児ストレスや産後うつはあるよね⁉︎という話です。

ちなみに、ここでいう「特定の男性」というのは、主に家事・育児、ママの大変さに対して比較的「理解があるタイプ」の夫であり、パパのことを指しています。
つまり、子育てを他人事のように捉えていて、twitterで #旦那デスノート とか #モラ夫 とかハッシュタグ付きで愚痴を書かれるタイプは含みません

また、決して「男だって大変なんだよ!」と比較論争の話をしたい訳ではなく、また、家事育児への参加意識が低い男性を擁護したい訳でもありません。
どうか、「夫にムカついて仕方ない!」という世の中のママさんに反論する意図は全くないという点について、まずは過剰に前置きしつつ、ご理解いただけますと幸いです。

※タイトルの文字だけで既に怒りのバロメーターがトップギアになられた方は、誤解があるかも知れませんので、どうかチョコレートやホットココアをご用意の上、リラックスした状態でお読みいただければと思います。


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女性の社会進出<男性の家庭進出こそ重要な変革。


さて、すべての女性に対して社会進出を助けよう、活躍を促そうという声が叫ばれる昨今ですが、この動きの背景にある問題の本質的な部分を解決するには、女性の努力や意識改革というより、すべての男性に対する家庭進出の支援・容認に向けた社会の変革の方が重要なのではないか、と個人的には思っています。

というよりは、社会進出の気概を持った女性は既に沢山いるのだけれど、現実的に家事育児等の家庭環境に起因する負担が著しく女性に偏っているが為に、物理的・時間的な制約が障害になっているのではと思いますし、それを解決するには家庭に関する女性の負担を減らす事、すなわち男性の家庭進出をまずは促進するべきじゃないかと思う訳です。

一方、そんな中でも、昨今は家事育児への参加意識が高いタイプの男性も微増しつつあると思います。

ただ、社会が男性の家庭進出に対応できていない・支援体制が整っていないがゆえに、子育てをはじめ家事・育児に積極的な男性が襲われる「しんどさ」があったり、社会の認知度が低いが為に「しんどさの理由を自覚できずに苦しんでいる」といったケースが意外と多いんじゃないか?と思っています。

また、次のように考え、想いを持っている男性も多いのではないかと考えています。

妻を差し置いて、自分が「育児ストレス」を口にしてよい訳がない。。

つまり、自分のしんどさを吐き出せなかったり、さらには自覚できていなかったり、今まさに孤独な戦いのさなかに在る、一人でも多くの男性に、自分のしんどさと原因に気づくきっかけになれたら、と思います。

最終的に伝えたいメッセージを、最初に書いちゃうと、次の2点です。

1.男だって「しんどい」と言っていいんだよ。
2.一人で抱え込まなくていいんだよ。


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女性負担が前提の社会。


現代日本の一般的な(旧来的な)家庭では、誰がなんと言おうと、パパよりもママの方が、育児や家事の負担は遥かに大きくて(本来は出来るだけその差が無いことが理想なんだろうけど)、しかも核家族化に伴って、その負担はますます大きくなっている。

当然ながら、負担が大きくなればなる程に、ママが感じるストレスも大きくなっているはず。

これらは、世間のパパの責任を個別に問う前に、そういう社会構造になっていること、子育てに関して「女性負担を前提とした仕組み」になっていることを、社会全体でもっと加速度的に問題視していかないといけない、と思います。

でも、LGBTQ+やジェンダーギャップ、男性の育休といった用語も最近になってようやくメディアで見かけられるようになり、世界に大きく遅れながらも、ジェンダー関連の問題の存在が僅かながら身近になってきた、とも感じます。

※まだまだ「種からの芽生え」程度で、本質的な議論がなされているところまではいっておらず、量も中身も全然足りていない状態ではありますが。

ただ、依然として、ママの負担ばかりが大きいのが現状で、国が政策として女性の社会進出や活躍を掲げても、男性の家庭進出の推進が進まないと物理的に状況が変えられないような問題があります。

その背景にあるのは従来の男性に都合の良い社会構造で、家庭や育児の実態が認識されていないこと、広く衆知されない事には、男性が社会構造の問題点の多くに「気付きにくい」という側面があると思います
逆に、ママの頑張りは評価されず、ママのSOSは軽視され、ママの怒りは他人事に扱われ、酷い場合はクレーマー扱いされることさえある、といった感じかなと考えています。

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男性優遇の社会構造


女性負担前提と同じ事なんだけど、そもそも、育児に参加しているパパが少ないのは、決してパパが意識が低いから「だけ」じゃないとも思っています。

家事育児への参加意識、その気持ちがある男性でも、パタハラに代表されるように、勤め先の会社が、上司が、福利厚生の制度が、社会の構造が、「パパは仕事を休みにくい」ようにしていて、「パパは育児に参加しにくい」ようになっていたりする構図です。

もちろん、それだけじゃないし、参加しようとしているパパが「少ない」のは事実で、それは悲しい程に(ママにとっては憎らしい程に)まだまだ開きがあると思います。

でも、参加しようと「思いにくい」、育児は一緒にするものという「文化がない」、ママの大変さに「気付きにくい」、育児に参加したいが「会社での反応が怖い」、そんな社会構造になっていると思うんですよね。

でも、ママの負担が既に限界点を超え始めてる現代にあって、少しずつ子育てに積極的な男性が「微増」しているのも事実。

となれば、絶対にその歪みというのがどこかに生じている筈で、その「シワ寄せ」をくらってる男性もいるだろうって話です。

そのシワ寄せというのが、家事・育児への参加について積極的な男性が感じるストレスであり、また、その数はどんどん増えてるんじゃないかなって話です。

実は、パパはパパで、ストレスを感じている人がいる。
しかも、その「ストレスで苦しんでいる事を誰にも言えない人」や、「ストレスの原因を自覚できていない人」達が、おそらく一定数いる。

これは、特に調べた訳じゃないし、統計とかが有るのか無いのかも分からないけれど、多分、この過渡期だからこそ、少なからずいるんじゃないか、と確信しています。

そして、例え少数派であっても、これは社会の過渡期、変革期にあって埋もれちゃいけない、社会の中できちんと認識されなきゃいけない問題なのでは、と思っている。


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自分だけ休むなんて許されない、という強迫観念。


男性側が感じるストレス、その「しんどさ」の理由は、ずばり言うと、男性優遇・女性負担前提となっている社会構造を、知っているが故の反動のようなもの、と思っています。

具体的には、ママが休みなく大変な思いをしてるのに、自分だけ休むなんて許されない、という強迫観念。

どういう事かというと、次のような図式です。

積極的に家事・育児に参加する意識がある男性ほど、社会構造による女性負担への罪悪感を背負い込んでしまい、責任感ゆえに弱音が吐けず潰れてしまう。


例えば、どんなに積極的に家事に育児に参加しようとしても、妊娠や出産や授乳など、どうしたってママにしか出来ない部分もあるし、赤ちゃんが産まれてから、ママは「ずーーーっと」呼ばれ続けて、1人で出掛けたり、息抜きする事が中々出来ないですよね。

1人の時間、自分の時間がとにかく持てなくて、なんなら「言葉にするのは抵抗あるけれど、私って子どもの奴隷みたいしゃん…」と感じる程に追い詰められるママもいる。

※しかも、任せて一人で出掛けてきなよと言われても、気になってしまったり、帰った後の惨状でよりストレスが…なんていうママの話も多くありますしね。

そんなママの状態を想えばこそ、知ればこそ、想う程に、自分で自分を追い詰めてしまう。

自分だけ仕事帰りに寄り道をするなんて申し訳ない。一人の時間を持つなんて贅沢だし、ママはもっと休み無く大変な想いをしているのだから、ツライなんて言えない、疲れたなんて言えない、ちょっと休みたいなんて言えない、言ってはいけない、しんどいと言う資格がない。

パパだって仕事で疲れていて、もしかしたら特別にストレスを感じる日もあるだろうし、特別に嫌な事が起きる日もあるだろう。

でも、どんなに疲れていても、帰ったら子どもの世話や家事で疲れているママがいる。「少しでも自分が助けないと」という思いから、お風呂や洗濯物や洗い物や、翌日の登園カバンの準備など、帰宅後でも残っている家事をこなしたり…。

どんなにしんどくても、ママはもっと大変だという思いがあるから、社会全体がママにやさしくないから、自分だけは優しくいないといけない、という想いが、強い程、次のようになる。

「ママはもっと大変な中で頑張ってる」と想うから、言えない。
「しんどいなんて、想っちゃいけない」と考える(無自覚も含む)。
しんどいと感じたり、考えちゃう自分を、責める(無自覚を含む)。
誰にも言えず、一人で抱え込んでしまう(無自覚を含む)。


頭で整理した状態(論理的思考=妻の前で弱音を吐いて言い訳がない=自分がツラい訳がない)と、心の状態(深層部分に押しやってしまっている感情)とに距離が出来てしまう状態。

多分だけど、この状態になると、ふいに泣きたくなったり、唐突に無気力な状態になったり、それでいて理由が自覚できないなど、自分の心が不安定になりだす。

ボクは、こんな感じでした。


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共感してくれる人がいない苦しみ。


男性でも育児ストレスが、ある。
これは、認めていい、ストレスを感じている事に、罪悪感を覚えなくていい。

これを、まず自覚した方が良いと思っていて、でも同時に、そう想うのは難しい状況もあると思っている。

なぜなら、男性優遇の社会構造だけに、周りにいる同僚や上司には「家事や育児なんて女の仕事」のような古い価値観の人が多かったりして、家事・育児に参加している事のしんどさが伝わらなかったり、話しても茶化されたり、中々理解して貰えない、結果、話すこと自体が出来ない。

そして、仕事が終われば、寄り道もせずに真っ直ぐに帰宅するため、SNSで吐き出す時間もない。結果、相談できる相手がいない。

※SNSも、ママによる愚痴や不満の声は沢山見るし、パパの「ボク家庭的です」も増えてると思うけど、パパの愚痴ってあんまり無いと思います。

共感して貰える相手がいない。

多分、これが一番しんどい。

ある意味これは、旦那さんが協力的でない場合のママさんが感じる孤独や辛さと同じモノかと思うけれど、問題は、男性優遇社会であるがゆえに、男性の場合は同士の存在を認識しにくい社会だという点。

このようにして、パパはパパで、その「しんどさ」を誰にも言えずに抱え込み、孤独な闘いを繰り広げているのに、それが表面に出てきていないケースが結構あるのでは、となる。

誰にも言えず、どこにも出せず、仕事で疲れていても、真っ直ぐ帰って、家事育児に参加する…。

世のママさんが育児ノイローゼになるケースと同じ様に、今後しばらくは、、男性でも育児ノイローゼがどんどん増えてくる(既にいるけどそれが顕在化してくる)んじゃないかな、と思います。

いずれ、無理がきて体調を崩すまえに、男性が自覚できるよにする為にも、こういう事があると、認識が広がると良いなと思う。


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「支える」ではなく「支え合う」という意識。


冒頭でも書いたけれど、例え男だって、子育てにちゃんと向き合ったなら、それなりに「育児ストレス」を感じても当たり前の話で、例え女性にしか出来ない事があって、女性の方が負担が大きいとしても、男なら負担がない訳じゃない。

だから、もしも「しんどい」と感じるなら、しんどいと言っていいんだよ。そして、ママに孤独な闘いをさせちゃいけない、と思うのなら、同じように自分も孤独な闘いをしないでいいんだよ。

もしも今、「ママに1人で抱えさせちゃいけない!俺が頑張らないといけない!」と思っている男性の中で、「でも正直、しんどい。つらい。休みたい。」と思っている方がいるなら、どうか、それも含めて、ママ(奥さま)に話してみたら良いと思います。

交互に休むとか、うまく手抜きする方法を、二人で、考える。
ママに1人で抱え込ませないのと同じように、パパも自分の中だけで抱え込まないようにする。

まずは、自分の辛さを、認めていい。もしも「しんどさ」を感じているなら、それを自覚すること、受け入れることも大事じゃないかな、と思います。

支える気持ちは尊いし大事だけど、支えるだけじゃない、支え合っていくという気持ちでいることも、大事なんじゃないかな。

以上、ナツキのパパでした。



パートナーシップと家庭の形について。


こちらは補足というか蛇足ですが、個人的には色んな形の家庭、夫婦関係、パートナーシップがあって良いと思います。

ただ、もしもパートナーとの対話や相互理解が足りていない場合は、いずれか一方が無理をしていたり、ストレスを貯めていたり、自己犠牲のうえで成り立っているだけかも知れませんので、出来れば、そこには相互理解や信頼関係があったり、合意の上で成り立つ形であって欲しいなと思います。

ですので、もしも「これから結婚する方」や「これからパパになる方」は、是非、こちらも併せて読んで頂けたらと思います。

これから新米パパになるあなたへ

育休を取得予定の方や、どうしようか迷っている方はこちらも是非お読みください!

これから育休の機会を迎える男性に送るエール

「何言ってんの?男は仕事してりゃ良くない?専業主婦なら任せてれば良くない?」と思ってる男性の方はこちらもどうぞ。

主フ業の目に見えない家事と報酬について


男性が抱く「家事」のイメージと現実のギャップ

そもそも父親の仕事とか、役割とか、責任とか、よく分からないよって方はこちらをどうぞ。

*【パパの成長五段階説】


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※2022.5.12 追記※

ボクは素人ですし、この投稿も個人的な感覚で書いたものでしたが、どうやらそれなりに信用できるエビデンスが蓄積されてきたようで、最近は「男性にも産後うつはある」という内容の記事を見かけるようになりました。

しかも、女性と同程度の発症率との研究発表もあり、昨今の法改正に伴って今後さらに注目を集めるのではないかと思います。

参考までに外部リンクを紹介しますので併せて読んでみてください。


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。