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身の程を知る 身の丈を知る

以前、独身時代アメリカで日本人オーナーの小さな会社に勤めていたことがありました。近年まれにに見る独裁主義のオーナーでして、ちょっと物をはっきり申してしまう私はこっぴどく怒られ、それはひどい罵声を毎日浴びていた時期がありました。(ちゃんと真面目に働いていたんですけどね。)

今ではもうその時の同僚と会っても笑い飛ばせるくらいですが、その当時はもう辛かった。。正論を言ってしまう私も生意気だったのかなと反省もしてますが。。ビターな経験でした。。

確かに身の程を知って自分の立場をわきまえることや、身の丈に合ったことをする心がけは道徳的には正しい道だと思います。ただ、他人に対して使う「身の程を知れ!」や「身の程知らず!」「身の丈に合ってない!」などと言う使い方は、道徳的に使用されていない場合が多いようなきがします。

今時そんな言葉を発する上司などがいたら、それはおそらく自分より低い立場の者から物を言われて自尊心(プライド)が傷つき、”その分際で出しゃばるな!”と自分の立場を利用して怒鳴っているだけなのだと思います。無論、今の時代もうこんな言葉を使う人などいないと信じています。しかしそもそも他人に対して使う言葉なのか?という疑問も。真面目にやっているのにそんな言葉を言われて真に受けてしまえば、自分の可能性を自ら抑え相手に服従してしまうことになりかねません。それはとても危険です。自分の真の能力、さらには自分自身を潰してしまうかもしれません。

身の丈に合ったことをしなさい!と言われた時も同じです。逆に身の丈に合わないことをしないと身の丈に合うものも分からない事のもあるので、若いうちはなんでも挑戦と失敗を繰り返すほうがいい。と、私は思います。他人にそもそも自分の身の程や身の丈など測れっこないのですから。。

「身の程を知る」とは自分の程(地位、立場、能力)を知ること

「身の丈を知る」とは分相応(状態)を知る。

よく言われる定義はザックリとこんな感じです。でも、どうやってそれを知るのか?というのはかなり複雑なテーマです。

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そんなことを、しばらく考えていたのですが、以前noteで取り上げさせていただいた、波のうねりの裏側を撮る写真家”杏橋幹彦”さんのコラム中で深い答えを頂けたような気がしたので、一部抜粋しご紹介したいと思います。


政治家だって、ネクタイ外して裸でぼちゃんって海に飛び込んだらさ、「うわっ、冷てえな」とか当たり前に思う。 地球は厳しい。怖い。でも、人間を何とかしようとか、殺してやろうとかそんな風には思ってない。 純粋にありのままの手加減ない美しさで生きている、すごいところなんですよ。やっぱり地球をみんなで極めていかないとね。すごい単純なことだよ。怖いから、強いから手を合わせる。 **本当に裸で泳いだ時に、藁をも掴む藁もなくて、「あっ、死ぬな、これ」って時に余計な事しようと思わないですよ。 **本来地球の奥に行くには、死ぬ気でいく。または今の日常や自分の傲慢さや考えを捨てて行く。 禅や修験と同じですよね。

こちらはコラムの一部分ですが、これを読んで、私自身は「身の程を知る」って人間社会の些細な立場の中ではなく、「地球に生きる厳しさ怖さの中での自分の今持っている力量をしっかりと知る」と言うことなのかなと思いました。また、こうとも書かれています。


都会という仮想空間にいても、何をしていても僕たちは地球に生きているんだ。 例えば、元々ここも海や山や川だったかもしれない。 人間が生活を安全に楽に地球の危険から遠ざけるために今があるわけだけれど、そうすると忘れてしまうことはたくさんあるよね。 で、まず僕の感覚だと一人の時間。一人で自分の心を見る。 自分っていうものがなんなのか。 例えば海岸からどのくらい泳げる泳力を持っているのかとか。自分の身の丈を知る。 それは人から教わるものではなくて、ありのままの、天然の地球から感じ取ることが一番の早道だと思う。 

こちらも別のコラムから一部抜粋させていただきましたが、ここでは、まさに「身の丈を知るとは人から教わるものではなくて、地球から感じ取ることと杏橋さんは語られています。

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私達の生きている世界はこの人間社会でもあるけれど、地球に暮らしていることは紛れも無い事実です。身の程を知る、身の丈を知る地球を体感して感覚を研ぎ澄ますことで、自分自身の本当の力の程を知ることができるのかもしれません。

以前、杏橋さんのことを書いたnoteはこちらです。杏橋さんのコラムもページの下方ににリンク載せてあります。私などが語ってもやはり軽くなってしまうので、ぜひ、お時間あるときにご本人のコラム全部読んでみてください。地球に根差している方のメッセージ、どれもずっしりきます。



最後までお読みいただきましてありがとうございました。

Aloha!










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