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将来の夢の話。

私は小学生の頃から「 ケーキ屋さん 」になりたかった。

お菓子作りが好きだった。決して器用ではなく、上手じゃなかったけど。ケーキを買いに行った時の、ショーケースの向こうでキラキラと笑う販売員のお姉さんに憧れた。

中学生になる頃には、「 ケーキ屋さん 」になるということは「 パティシエ 」になるという事だと知っていた。 中学生から、私の将来の夢は「 パティシエ 」になった。



「 パティシエ 」になりたい夢は嘘ではなかった。

お菓子は作るのも食べるのも大好きだし、好きなものに関わる仕事をして生きていくのはとても素敵な事だと思う。

ただ、「 パティシエ 」になれる自信はなかった。

自分がお菓子作りが上手なわけではない事は気付いていたし、調理や製菓の職人の世界は厳しいイメージだったから、自分に自信がない私が生きていけるような世界には思えなかった。

それでも私は、「 パティシエ 」という自分が唯一持った夢を捨てられなかった。



『 将来なつめは パティシエ になりたいらしい 』

『 もうやりたい事が決まってるなんて、すごいねえ 』

『 なつめちゃんはちゃんと進路を決めていて羨ましい 』

両親や祖父母、親戚の人や友達。将来やりたい事が決まっていると皆に褒められた。今まで両親にあまり褒められることなく育った私は、唯一両親が褒めてくれたことを手放せないだけかもしれない。自己肯定感の低い私は、自分で皆が肯定してくれるものを捨ててしまえるほどの強さなど持ち合わせていない。



こうして私は高校卒業後、製菓専門学校に進学。その後とあるケーキ屋に就職した。

---まあ、そこにいるパワハラ上司によって私は人生最大に精神を病み、逃げるように退職したのだが。( これについては別の記事で触れている為割愛する )


その後、社会人なのに働いていないという重圧でさらに鬱になってしまうと焦った私は、正社員でもアルバイトでもいいから…!と求人を漁り、採用を得たのが今の職場である。

今の職場はチェーン形態のカフェ。パフェやドリンクを作る工程はあるものの、パティシエのように生菓子に触れたり職人ってかんじの仕事ではない。けれど、職場の人は皆優しくて良い人だし、ケーキ屋に就職した時は出来なかった接客業務が出来るのも私の中では高得点。

ここに転職してよかった、と本当に感じた。


両親には

『 パティシエに向いてなかったからって諦めた 』

『 高い学費を払って通わせたのに 』と言われたが。

学費などは確かに私はして貰った側で反論は出来ない。ただ、私はケーキ屋での仕事自体はやりがいがあって楽しかった。「 諦めて逃げた 」という様な言い方をされるのは、正直死ぬほど悔しくて泣いた。




そんな私も、現在カフェ勤務をしてそろそろ3年が経過しようとしている。今の私は転職を視野に入れている。

今の職場に不満がある等の理由ではなく、専門学校で学んだ技術や知識をもっと生かせる場所に行きたいと思ったのだ。最初の職場で、ケーキを作ることを嫌いになっていないだけ幸いだった。私はもっと、色んなお菓子を作れる仕事がしたい。


他にも、接客も好きだし紅茶やハーブティーも自分で勉強するくらいには好き。なんならお花も好き。フリーターになれるなら、沢山の好きなことを掛け持ちしたい。

やりたい事や気になる事が多すぎて決められない。25になる女の転職がこんなふわふわな構想で大丈夫なのだろうか。


分からないけど、わくわくして楽しく生きていける為の仕事を見つけたいと思う。なりたい私になるために。

人生は、もっと自由でいいんだよね、きっと。



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