選民思想、それな


野田洋次郎の「優生思想」ツイートに端を欲したネット上に溢れる洋次郎バッシングに見られるのはここで指摘されていること。

【優生思想=ナチスがやった=悪】

という定式からスタートした記述が横行して、「優生思想」が身の回りに溢れていることを無視して「自分は清廉潔白です」という強い思い込みを感じる。そこに知的誠実さの欠片も無い。

だいたい、今現在「優生学」「優生思想」のGoogle検索で上位に来るサイトは、きちんと優生学・優生思想の歴史と経緯について書かれている文献を参照したものが多く、「遺伝子の排除」と「人の排除」が技術の進歩によって分離していたことが伺えるように書いてるのに、それを完全に無視してるんだからね。

優生思想と優生学

確かに優生思想という言葉は優生学の発生によって生まれたし、今現在は何らの前提も無しに「悪い事」として論ぜられていることが多いのだけど、アカデミック界隈では既に30年前には通過した新しい優生学の展開について触れていない論述はまったく社会のためにならないただの管巻きだよなと。

「遺伝子治療は優生学じゃない」と言うのは別にいいけど、だったらそれに替わる言い方の提示をするべきだと思う。

冒頭の記事は「選民思想」という言葉を提示していた。

そこが本質的なところだと思う。

自分に優生思想の(ような)考えがあると自覚してる人よりも、「優生思想は絶対悪!」って言ってる人の方が怖い。

以上

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