イノベーションのジレンマへの挑戦 - Meeting the Challenge of Disruptive Change

Clayton ChristensenとMichael OverdorfによるHarvard Business Reviewの記事、「Meeting the Challenge of Disruptive Change」のまとめです。(文章を書く練習中です。アドバイスがありましたら是非メッセージにてお願いします。)

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大企業において、破壊的な変化にうまく対応するには、組織としての「能力」を理解する必要がある。
組織の能力は、
a) 人材や商品、資産、顧客といったリソース、
b) 従業員の働き方を一定にするプロセス、そして
c) 従業員の意思決定の礎となるバリュー
の3つによって決まる。
なお、ここでのプロセスとは明文化されたものだけを指すのではなく、分析結果を財務計画にどう落とし込むか、事業計画は社内でどのように交渉されるか、といった不明確なものも含む。実のところ、この不明確なプロセスこそ、変化への対応を妨げる要因になっている場合が多い。

創業初期段階では能力はリソースに依るところが大きいが、成熟するにつれ、プロセスやバリューの役割が大きくなる。そして、これらはリソースに比べて変えにくい。これは、成熟した企業の安定に繋がるが、破壊的な変化に対応する上では不利な点となる。

破壊的な変化に対応するために既存のものをすべて変えてしまおう、考えうる最悪のアプローチである。既存の能力を維持したまま、新しい能力を得る必要がある。
大企業で変化に対応するための新しい「能力」を得るには、3つの方法がある。

1つ目は、企業内で新しい組織構造にする、タスクチームを作ることができる。
各部門から必要な人材を集め、個々人に役割を与え、チームで顔を合わせて働く。このようにして、新しい問題により早く対応できる新プロセスを確立することができる。

2つ目は、独立した組織を作るというやり方だ。
新組織は、既存組織とリソースを取り合わなくて良いという点が大事である。また、成功しても既存組織と統合せず、独立性を保ち続ける必要がある。これは、新組織のバリューが必ずしも既存組織のそれと合致するとは限らず、既存事業との比較では優先度が低くなりかねないためである。
また、この方法で大切なのは、CEO自らが新組織の独立性を担保するということである。これなしに成功した例は聞かれない。

3つ目は、必要とする能力を持っている組織を買収する方法である。
ここで、得ようとしている新しい「能力」がリソース、プロセス、バリューのいずれに依っているのかを正しく見極めることが大切である。
能力がリソースに依る場合には、既存事業のプロセスに取り込むことが有用であるが、プロセス・バリューに依っている場合には、既存組織との統合はせず独立性を維持すべきである。

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