超弩級機神兵ネヴァーダイ

 人生には終わりがある。人の生には限りがある。誰でもいつか死ぬ。
 そんな嘘っぱちを最初に言った奴を俺は殴りたい。

 自分の視界に見えるのは、足元に並ぶビル群と火災の煙と、目の前にいるドラゴンめいた怪物だ。多分巨大なそれに目掛けて、俺は巨大な拳をぶつける。等身大の拳がめり込む。巨大な手に確実な手応えを感じるが、それも高性能な電気信号が生み出す幻影だ。俺の腕はもう存在しないし、この見ている風景でさえ超弩級機神兵の光学アイサイトが映し出している蜃気楼だ。
 俺の死体は頭しか残っていなかったという。だけど気の違った同僚の女隊員が持って返ったのが運の尽きだった。優秀な戦士だった俺の頭脳とクローン技術によって作り出された神経接続デバイスによってロボットに搭載された。生身の人間ではGでミンチに潰される高機動ですら耐えられる不死身の肉体だ。
「イヤーッ!!」
 突き刺さった拳からパイルバンカーを射出する。

【続く】

私は金の力で動く。