マガジンのカバー画像

日記かもしれない

6
日記です。
運営しているクリエイター

記事一覧

こんなことばかり

こんなことばかり

行きたかった喫茶店に行った。ドアを開けても誰もおらずどうしたものかと立っていたら、2階から店主が下りてきてぎょっとした顔をした。そこに座ってお待ちくださいと言われて隅っこの席に座って待った。そこで初めて、開店3分前であることに気がついた。出直しますと言うべきなのか、30分前なら出直すべきだが3分ならこの椅子で小さくなっていれば許されるのかもしれぬ、店主も3分くらいならぎりぎり許してやるかと思って追

もっとみる
短歌チョップ

短歌チョップ

1時頃に会場に着ければと思っていたのが、前夜に食べた生焼けだったかもしれない豚肉のことを考えたり、真人間に見せるためのイメージトレーニングをしたりしていたら少し遅くなってしまった。
フリーペーパーをコンビニで印刷するべく一軒目のセブンイレブンに入ると、ひたすら写真を出しまくっている女子学生がいて、しばらく待っていたがあきらめた。電車が一本行ってしまった。
二軒目のセブンイレブンに入るとプリンターに

もっとみる
日記かもしれない(冬の話)

日記かもしれない(冬の話)

鳩や鯉がいるお寺でぼんやりしていた。良い天気だった。
母の口癖が「時間がもったいない」で、ずっと追い立てられるようにして過ごしてきたが、本当はなにもしないでなんとなくぼんやりするのがとても好きなのだと思う。それに気がつくのに随分時間がかかった。
自分の好きなことを自覚することは、わりあい重要なのだと思う。自覚できれば、それを守っていくことができるから。

晴れた日は影が濃い。もう葉のほとんど残って

もっとみる
日記かもしれない(秋の話)

日記かもしれない(秋の話)

先日、健康診断に行った。レントゲンを撮ったあと内科検診があり、内科の先生と先ほど撮ったレントゲンの画像を見ながら話をした。自分の体内をまじまじと見るのは初めてだった。母親にはあんたは何か欠けている、人として何か欠けていると言われてきて、そんな欠陥のある人間でも、体の中に人並みの臓器が人並みの場所に収まっているというのはなんとも奇妙なことに思えた。
気管支の像が普通よりはっきりしている、大きな病気を

もっとみる
日記かもしれない(夏の話)

日記かもしれない(夏の話)

春に春の話を書いたので、夏に夏の話を書く。秋に秋の話を書くかどうかは分からない。

寒いことよりも暑いことの方が私には辛いので、夏は苦手だ。毎年、この夏は今までの人生の中で最も暑い気がする、いよいよこの夏を越せないのではないか、とかそんなことを考えている。その他に考えることは、エアコンをつけたら快適さのあまりもうエアコンと結婚したいとか、ヨーグルトがおいしく感じるあまりもうヨーグルトになりたいとか

もっとみる
日記かもしれない(春の話)

日記かもしれない(春の話)

少し前に異動になって、銀行によく行くようになった。最近、銀行の人にも顔を覚えてもらい始めた。職場と職場の周りに私が存在し始めている。本人はまだ慣れなくておろおろしているというのに。
異動前の職場のことを思い出す。備品を買うのに近くのコンビニを使っていた。同じ曜日の同じ時間に行くと、だいたいいつも同じ店員さんがいる。眠そうに「しゃせー」と「あざーす」を繰り返すコンビニ店員の見本のような人だけど、いつ

もっとみる